君主制とはなんだろうか の商品レビュー
王などが統治する「君主制」に焦点を当て、このシステムが人類の歴史の中でどのように現れ、どのような経緯をたどってきたのかを明らかにする。約5000年前にエジプトなどの古代文明の中から王が誕生してから、哲学や宗教を通して君主制が各地域で正統化されていき、絶対君主制を経て各地で革命が起...
王などが統治する「君主制」に焦点を当て、このシステムが人類の歴史の中でどのように現れ、どのような経緯をたどってきたのかを明らかにする。約5000年前にエジプトなどの古代文明の中から王が誕生してから、哲学や宗教を通して君主制が各地域で正統化されていき、絶対君主制を経て各地で革命が起こり君主制が次々と姿を消していく中で、21世紀の現代にも存続する君主制はどのように生き残っているのかについてまでをたどる。 君主制という観点から世界史を振り返るような内容で、知的な面白さがあった。また、中高生向けの新書ということもありとてもわかりやすかった。 肯定的に考えたいという立場から、天皇をはじめとする現代における立憲君主の意義・役割をどう考えるかは従来から自分の関心事であったのだが、本書では、主にイギリスを例として取り上げつつ、国家や国民に継続性と安定性を与えるという役割、政府を補完する形での社会的弱者に対する救済などについて触れられるとともに、現代の立憲君主制は国民からの支持が基盤となっており、時代の変化に応じて変えるべきところは変えていっていることが指摘されており、自分の考えを深めることができた。
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エリザベス女王を例にあげて「君主はこの国で政治的な経験を保てる唯一の政治家」「現代社会において君主の役割が国家や国民に継続性と安定性を与える」という記述はちょっと納得。「社会的な弱者に対する救済」を政府とは別の方法でおこなってきたのがヨーロッパの王室、ということもそうなんだろうな...
エリザベス女王を例にあげて「君主はこの国で政治的な経験を保てる唯一の政治家」「現代社会において君主の役割が国家や国民に継続性と安定性を与える」という記述はちょっと納得。「社会的な弱者に対する救済」を政府とは別の方法でおこなってきたのがヨーロッパの王室、ということもそうなんだろうなと思う。でも「人間は生まれながらにして平等という民主主義と世襲に基づく君主制は両立できないのでは?」という疑問は残る
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天皇・皇后両陛下の英国訪問をうけ、世界の君主制を学ぼうと思いました。国家統治の正当性を宗教権威から調達していたことから離れ、世俗の統治がなぜ正当性を得られるのかについてとか、考えながら読みました。かつて各国の兵士は王族・貴族によるものだったのが、近代戦争の総力戦によって一般市民も...
天皇・皇后両陛下の英国訪問をうけ、世界の君主制を学ぼうと思いました。国家統治の正当性を宗教権威から調達していたことから離れ、世俗の統治がなぜ正当性を得られるのかについてとか、考えながら読みました。かつて各国の兵士は王族・貴族によるものだったのが、近代戦争の総力戦によって一般市民も徴兵されるように。これが普通選挙制の導入につながり、君主制から共和制への移行に影響をもっているようですね。
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チャップリンの映画『ニューヨークの王様』の中に出てくるというセリフ「王様はなんでえらいの?」はすごく深い。このセリフの引用で始まり終わる本書は、これを読んだ中高生に、自分なりの説明をできるように考えてほしいという著者からの贈り物でもあるのかと思う。 内容であるが、読み始めてすぐに...
チャップリンの映画『ニューヨークの王様』の中に出てくるというセリフ「王様はなんでえらいの?」はすごく深い。このセリフの引用で始まり終わる本書は、これを読んだ中高生に、自分なりの説明をできるように考えてほしいという著者からの贈り物でもあるのかと思う。 内容であるが、読み始めてすぐに、なんかこの読みやすさ覚えがあるなと思ったら3年前に「立憲君主制の現在」を読んでいた(https://booklog.jp/users/alpine310/archives/1/4106038234)。当時、面白くは読んだがイギリスの比重が重かったと感じたのだが、今回はかなり目配りをしたのか、時間軸的にも地理的にも広く網羅した内容となっている。古代の王の誕生というところから始まり、中国の君主制については専門の先生にも協力していただいたそうで充実した内容であった。 また、当初から中高生向けという企画だったというだけあって、もともと読みやすい文章を書かれる方がさらに平易な言葉遣いを心がけて書かれたと思われる読みやすさ。中学生でも興味を持ったら十分取り組める内容だと思うし、高校生であれば学校の教科としての世界史から踏み込んで君主制というテーマに沿って読み直すことで重層的な理解につながる好著である。 最終章では21世紀の君主制と題して君主制の現在を概観しているのだが、この部分を読むと我が国の君主制がいかにビジョンに欠けているかを考えさせられる。天皇は日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であるのだからして、実体が×××だから象徴も×××ってことなんでしょうか。とほほ。 最後、内容には全く関係ないのだが、私の本当に個人的な好みから言うと、文末の「ます(です)ね。」の頻度がちょっと高い……ように思われました。本当に好みですいません。
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君主制にフォーカスして歴史を読みとくと、歴史の流れが腑に落ちる。 君主制と共和制の違いは全然理解していなかったが、とても読みやすく理解することができた。 エリザベス女王は広報の大事さを痛感しTwitter、YouTube、インスタグラム、ホームページを充実させ国民に伝えるように...
君主制にフォーカスして歴史を読みとくと、歴史の流れが腑に落ちる。 君主制と共和制の違いは全然理解していなかったが、とても読みやすく理解することができた。 エリザベス女王は広報の大事さを痛感しTwitter、YouTube、インスタグラム、ホームページを充実させ国民に伝えるようにした。最近、日本でも宮内庁がインスタを始めたが、そこでも立憲君主制同様、イギリス式を見習っているだろうと予測できる。
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なんとなくわかった気でいた国の制度。共和制、立憲君主制、専制君主制などわかりやすく解説されており、非常に有意義であった。その制度を歴史的に追っていくことで、世界史もおさらいでき、一石二鳥の本であった。
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