ささやくように恋を唄う(9) の商品レビュー
別離を告げる志帆の言葉や圧巻のステージを見て気落ちする亜季という構図から始まる今巻は亜季と志帆の仲を集中して描くものとなったね 亜季は何も気付かなかった為に離れていった志帆を責めるしか出来なかった。けれど、志帆はそんな亜季の姿勢をこそ責めていた。志帆があの言葉を口にしてしまった以...
別離を告げる志帆の言葉や圧巻のステージを見て気落ちする亜季という構図から始まる今巻は亜季と志帆の仲を集中して描くものとなったね 亜季は何も気付かなかった為に離れていった志帆を責めるしか出来なかった。けれど、志帆はそんな亜季の姿勢をこそ責めていた。志帆があの言葉を口にしてしまった以上、二人はもう元の関係には戻れない。でも言い換えれば相手の想いを知ったなら、そこから始められる筈で ここで亜季が志帆と向き合う為に「もう一つ」を知るシーンは少し意外なものが有ったかな… 亜季にとって依への想いは簡単に消せるものでは無かった筈で、それでも親友のポジションだけは手にした筈で 繋いだ手から伝わらなかった想いが逆に彼女を前に進ませたようで それにしても、当日にセトリ変更とか凄い話だけど。いや、もっと凄かったのは演奏間に行われた長尺の語りだった気もするけど SSGIRLSの演奏はローレライと違って皆で楽しむ為のものだけど、唯一ラストの曲だけはたった一人に向けた曲。そして曲だけで伝えきれるか判らないから更に言葉も添える。その瞬間、あの曲は亜季と志帆だけのものとなる SSGIRLSの楽曲がお客を巻き込むものであるならば、ラストの曲は亜季と志帆を再び結びつけるためのもの 亜季はそれで想いの丈全てを籠められても、想いを捨てようとした志帆は同じように振る舞うのは難しい …と思われただけに、キョウの幻覚が出て志帆を前に進ませるとは思わなかったな 考えてみれば、キョウという存在は志帆にとって最大の後悔で。既に居ない彼女が背を押してくれるなら、まだそこに居る亜季の前に進むのは何らおかしな話ではなかったのかも知れない 様々を乗り越えて辿り着いた後夜祭。まだ通じていない想いは見受けられるものの、落とし込むべき関係は落ち着いたように見える それだけに「新章突入!」と銘打つ次巻予告には驚かされると云うか何と云うか 最大の懸案事項だった亜季と志帆の関係が改善された現状からどう物語を展開するのだろうか?
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