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それでも世界は回っている(3) の商品レビュー

4.2

15件のお客様レビュー

  1. 5つ

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  2. 4つ

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  3. 3つ

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2024/10/13

ねじりドーナツのような旅が終わり、オリオは少し大人になったように思いました。 この巻で、一気にココノツのことが気に入ってしまいました。彼女が抱えているものが知れたからだと思います。髪型が個性的で、イラストもとてもかわいいのです。 電球交換士のトビラさんは、またまたいいところで...

ねじりドーナツのような旅が終わり、オリオは少し大人になったように思いました。 この巻で、一気にココノツのことが気に入ってしまいました。彼女が抱えているものが知れたからだと思います。髪型が個性的で、イラストもとてもかわいいのです。 電球交換士のトビラさんは、またまたいいところで登場してくれました。 ベルダさんの死因は、トカイ刑事が知らせてくれました。〈六番目の青いブルー〉が作られた理由、21番まである唄の謎には、アリアドネの真っ赤なリンゴに導かれるように、オリオと叔父さんとココノツがたどりつきました。 人生とは、引き継いでいくこと 引き継ぐとは、その人の思いと自分の思いがひとつになること 悲しさのかたまりは、時々溶かされて涙になる 悲しみに終わりが来ても、大切な記憶はあなたの中できっと残される この世界は嬉しいことと悲しいことを繰り返しながら回り続けている 多くのメッセージを受け取ったように思いました。「信号が青に変わった。」という、意味を含んだ最後の一文など、お気に入りの表現も多かったです。 巻末のオリオと叔父さんとココノツ、そして終列車が並んだイラストも、とても素敵でした。絵はがきサイズにしたものがあれば飾りたいな、なんて思いました。

Posted byブクログ

2024/09/28

やっぱり、ジャン叔父さんの探している唄と、オリオの探す〈六番目のブルー〉は繋がっていた。 そしてこの第3巻では、旅に同行していなかったココノツが大活躍する。 本を初めて開いた時、結末を迎える第3巻のスピンが何故赤色なのかなーと思っていたけれど、きっとカナタさんが落とした林檎の赤...

やっぱり、ジャン叔父さんの探している唄と、オリオの探す〈六番目のブルー〉は繋がっていた。 そしてこの第3巻では、旅に同行していなかったココノツが大活躍する。 本を初めて開いた時、結末を迎える第3巻のスピンが何故赤色なのかなーと思っていたけれど、きっとカナタさんが落とした林檎の赤色だ。 ミランダさんの長~い唄にも、ちゃんと林檎が登場していたことを、ココノツがつきとめる。 ♪ いいかい、みんな。 本当の深い青を知りたいのなら、 そのかたわらに、 本当の真っ赤な林檎を並べてみることだ。 ♪ 〈六番目のブルー〉を求める旅は、悲しみを受け入れ、この世からいなくなってしまった人たちへ想いを馳せる時間を持つことだった。 それが、〈六番目のブルー〉を生み出すことに大きく関係していた。 師匠のベルダさんを亡くしたオリオは、どのように悲しみを受け入れ、その悲しみはどのように昇華されるのか。 そして〈六番目のブルー〉誕生の秘密とは? 第1巻のスピン。 あの色は〈六番目のブルー〉なのかもしれないと思っていたけれど、あるいは「五番目のブルー」なのかもしれない。 「この世って、うまいこと出来ていて、終着駅っていうのは始発駅でもあるのよ。そこで、すべての列車は折り返して、また出発するの。」 「同じものをもとめるから、競い合う。敵になる。だけど、同じものをもとめているんだから、そいつこそ、俺といちばん分かり合える奴かもしれないんだ。」 「引き継ぐというのは、きっとそういうことだ。その人をそっくり真似るのではなく、その人の思いと自分の思いがひとつになることを云うのだ。」 「人と人はすぐ隣にいることで絆が深まっていくように思う。でも、遠く離れることで、より親密になることもある。」 別本で『電球交換士の憂鬱』という作品がある。 『それでも世界は回っている』に登場するトビラさんが主役なのかな? こちらもいつか読んでみたい。

Posted byブクログ

2024/08/25

三部作の完結。 「それでも世界は回っている」という言葉の意味がが何となくわかったように思う。 そして失われたものを引き継ぐという事もそこに繋がる。そっくりそのまま真似るのではなく、自分の思いと共に変化する。そしてまた続く。 長かったけれどとてもすんなり読めた。

Posted byブクログ

2024/07/28

終着駅とは、始発駅でもある。ということで、駅の街リリボイから、オリオとジャン叔父(と、ココノツ)の旅は再開して、〈六番目のブルー〉の謎がついに明らかになりました! そう言えば、登場人物は、若くして「避らぬ別れ」を経験している人が中心になっていますね。死別した人が大切にしていたこと...

終着駅とは、始発駅でもある。ということで、駅の街リリボイから、オリオとジャン叔父(と、ココノツ)の旅は再開して、〈六番目のブルー〉の謎がついに明らかになりました! そう言えば、登場人物は、若くして「避らぬ別れ」を経験している人が中心になっていますね。死別した人が大切にしていたことを受け継ぐことができたら、その人は自分と一体になっていてくれる。そして、旅には終わり(=帰還)があるけれど、それは即ち次の旅の始まりになる。それで世界は回っている。私はそんなふうに読み取りました。

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2024/06/26

6番目のブルーのインクを探しての旅は終わりました。旅の終わりにいろいろなことがわかり、自分がどんな人間か一生かけて探索したい、それは旅は終わらないという結論となったのもスッとする瞬間のような感覚でした。

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2024/07/28

インク3部作の第3部 -紹介文- この世界は 喜びと悲しみを繰り返しながら 回りつづけている。 もう、泣かないで。 師匠のベルダさんが 愛用していた万年筆のインク、 〈六番目のブルー〉を探し求めて ジャン叔父さんと旅をつづけてきた 14歳のオリオ。 インクの秘密を解く鍵が...

インク3部作の第3部 -紹介文- この世界は 喜びと悲しみを繰り返しながら 回りつづけている。 もう、泣かないで。 師匠のベルダさんが 愛用していた万年筆のインク、 〈六番目のブルー〉を探し求めて ジャン叔父さんと旅をつづけてきた 14歳のオリオ。 インクの秘密を解く鍵が 奇妙な唄にあるとわかるが、 なかなか見つからない。 そんなとき、 迷えるオリオを導いたのは 世にも稀な 「本当の真っ赤な林檎」だった――。 吉田篤弘さんの世界… 「六番目のブルー」と言う青いインクを探す旅。 なんだけど、 なんか、世界はモノクロな感じ…。 ブルーと真っ赤なリンゴだけが鮮明に浮かび上がる。 うまく感想を出せない… 六番目のブルーってだけで、もう惹かれてしまう。 とにかく、とても、好きな、世界。 相変わらず なんだろう…月の上にある街の話みたいに感じた…空気感が薄いと言うか、ぼんやりしてて… 叔父さんのセリフ 引用 「誰もが道順に従って、ひとつの道だけを進んで行ったら、他の道はどうなっちまう? 俺は他の道ばかり歩いてきたから、よく分かる。本当に面白いものは他の道にあるんだ。 そういうもんだよ。どうしてなのかは知らん。でも、俺は知ってる。人生ってのは道順を見きわめることじゃないんだ。道順とは別のところに自分の道を見つけることだ。な? じゃないと、道順に選ばれなかった道が浮かばれんだろう」 171ページ 「時間は残酷なものだよな」 叔父さんが急に声を上げた。それも、かなりしっかりした声で。 「すべてを、こっちからあっちへ連れ去ってしまうんだから。残酷だよ。ホントに何もかもすべてだ。逃れるヤツはひとりもいない。時間と一緒に俺たちはみんなあっちへ近づいていく。だけどなー 叔父さんはそこで深呼吸をひとつした。 「だけど、時間は俺たちの悲しみをやわらげてくれたりする。時間の野郎はさ、俺たちの大事なものをことごとく奪いとっていきやがるが、俺たちの悲しみや辛い気持ちや苦しみも連れて行きやがる。うまいこと出来てるよ。大事なものを奪われたことはたしかに悲しい。間違いなく悲しいよ。だけど、悲しみには終わりが必要なんだ」 この叔父さんのセリフだけ、現実感があった。 とにかく、すごく、こころが、静かに、なった 人の中に残って生きる… 繋がる… 3部作にハマりそう。世の中の3部作がすごく気になるようになりました。 また、戻ってきたい世界でした

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2024/05/20

「ロングセラー『月とコーヒー』から派生した〈インク三部作〉堂々完結!」と帯に書かれて、このシリーズも終わるのかと、少しセンチメンタルな気持ちになりました。 一時期、吉田篤弘さんの著作品に没頭して読んだ時期がありました。 こう表現するのは語弊があるかもしれませんが、私にとって著...

「ロングセラー『月とコーヒー』から派生した〈インク三部作〉堂々完結!」と帯に書かれて、このシリーズも終わるのかと、少しセンチメンタルな気持ちになりました。 一時期、吉田篤弘さんの著作品に没頭して読んだ時期がありました。 こう表現するのは語弊があるかもしれませんが、私にとって著者の作品は、「星の王子さま」や「銀河鉄道の夜」そして傾向が外れますが「デミアン」を読んだ頃の自分に帰らせてくれる感があるのです。(自分の読書歴の狭さも感じますが)そして著者の書かれている文章にとても共感してしまうことが多いことも、いつも驚きです。 人と人は、考えや思いが違うから争うんじゃないんだよ。同じことを考えて、同じものを求めるから、争いになる。本文p38抜粋 人と人が「結ばれている」というのは、すぐ隣に寄り添っているからそう云うのではない。たとえ、二人がいる時間や空間が遠く離れていたとしても、すぐ隣の誰かと言葉を交えるように睦み合える。たぶん、人間にはそんな力がある。本文p165−166抜粋 引き継ぐというのは、その人をそっくり真似るのではなく、その人の思いと自分の思いが一つになることを云うのだ。 本文p205抜粋 このシリーズも「月とコーヒー」から読んでいて、結末もとても気になっていました。結論である、6番目のブルーはどうやって作られたのか、それは是非読んで納得してみてください。

Posted byブクログ

2024/05/04

幻のインク〈六番目のブルー〉を求めてオリオと叔父さんと(ココノツ)の旅は続く。 林檎の赤とインクの青。 ねじりドーナツと迷路。 ハルカとカナタ。 電球交換士。 終列車。 ひとつひとつ心に残る。 いつまでも旅を続けてほしいと願う。

Posted byブクログ

2024/05/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『それでも世界は回っている』完結編。 1、2を読み終えた時点で危惧していたことが発生。 これまでの内容をほぼ忘れている。。。 というか2の終わりをあまり覚えていない中で、思いっきり前作場面の続きから始まるので「何だっけ?」感が凄まじい。 それでも次第に思い出す登場人物やストーリー。 あぁ、そんなこともあってここまで来たんだった。 ただ1、2に比べてクライマックスに近いということもあり、この旅物語の意義をまとめようということなのか、新たな場面に出くわすよりも、これまでの場面を振り返りながらの抽象的、哲学的な解釈談義が多く、やっぱり出来ることなら1~3を一気に読みとおすのがいいのだろうなと思う。 「人と人は、考えや思いが違うから争うんじゃないんだよ。同じことを考えて、同じものを求めるから、争いになる。 だけど、同じものをもとめているんだから、そいつこそ、俺といちばん分かり合える奴かもしれないんだ。 悲しいな。」 「人生ってのは道順を見きわめることじゃないんだ。道順とは別のところに自分の道を見つけることだ。な?じゃないと、道順に選ばれなかった道が浮かばれんだろう。」 「だけど、時間は俺たちの悲しみをやわらげてくれたりする。時間の野郎はさ、俺たちの大事なものをことごとく奪いとっていきやがるが、俺たちの悲しみや辛い気持ちや苦しみも連れて行きやがる。うまいこと出来てるよ。大事なものを奪われたことはたしかに悲しい。間違いなく悲しいよ。だけど悲しみには終わりが必要なんだ。」 いずれも普段はちゃらんぽらんなジャン叔父さんの言葉。 「5番目のブルー」と「6番目のブルー」の違いを生んだ秘密、「6番目のブルー」がつくられなくなってしまった事情にも納得。 穏やかでやさしい幻想世界の中で、人生の深き真髄の一片に出逢う一冊。

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2024/04/27

『月とコーヒー』に連なるインク三部作もついに完結編。 ジャン叔父さんと一緒に〈六番目のブルー〉のインクを探す旅に出ていたオリオだけれど、遂に〈六番目のブルー〉のインクの謎が解き明かされました。ネタバレになってしまうので書きませんが、新しい色が生まれるにはそれが必要だったのか!...

『月とコーヒー』に連なるインク三部作もついに完結編。 ジャン叔父さんと一緒に〈六番目のブルー〉のインクを探す旅に出ていたオリオだけれど、遂に〈六番目のブルー〉のインクの謎が解き明かされました。ネタバレになってしまうので書きませんが、新しい色が生まれるにはそれが必要だったのか!吉田さんのファンタジーな世界観に圧倒されました。 ブルーと対照的な真っ赤なリンゴも登場したけど読み終えて表紙を見たら、表紙のリンゴは私が頭の中で思い描いていた真っ赤ではなかった(笑)〈六番目のブルー〉のインクは思い描いている色と同じかな。

Posted byブクログ