母をさがす の商品レビュー
戦後間もなく生まれたベルさんは、孤児院で育ち、ストリッパーとして全国を回り、その後はホテルの清掃員など様々な仕事についた。 GIベビーのベルさんは、ずっと一人で生きてきた。 小学生の頃に一度会いに来てくれたお母さんは、「お利口さんにしてたら迎えてに来るよ」と言ったまま、いつまで待...
戦後間もなく生まれたベルさんは、孤児院で育ち、ストリッパーとして全国を回り、その後はホテルの清掃員など様々な仕事についた。 GIベビーのベルさんは、ずっと一人で生きてきた。 小学生の頃に一度会いに来てくれたお母さんは、「お利口さんにしてたら迎えてに来るよ」と言ったまま、いつまで待っても来なかった。 お母さんはどうしているんだろう。 ずっと、何度も思っていた。 彼女は何度か母親を探そうとしていたが、失敗していた。 これは著者が、ベルさんと親しくなり彼女の記憶を辿って母親探しをするまでの記録である。 彼女のこれまでのことを知るとGIベビーのことについて深く知らなかったことに気づく。 学校で習うわけでもなければ全く何も知らないままだったかもしれない。 ベルさんの幼少期に経験した辛さや傷つけられたことや家族がいないことの寄る辺なさなど想像しきれない。 最終、母親のその後がわかったこと、家族たちとのことを含めてベルさんが「お母さんは、愛されていたんだね」と言ったことが探してよかったんだと…。
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GIベビー、ベルさんの家族捜しの物語。 GIベビーとは現地女性とアメリカ軍兵士との間に生まれた子どものこと。 もちろんベルさんの人生も語られ、そこには戦後日本の姿がうかびあがってくる。 著者・岡部えつ氏は、ベルさんを公私にわたりサポートしながら 家族捜しに奔走する。 読み出した...
GIベビー、ベルさんの家族捜しの物語。 GIベビーとは現地女性とアメリカ軍兵士との間に生まれた子どものこと。 もちろんベルさんの人生も語られ、そこには戦後日本の姿がうかびあがってくる。 著者・岡部えつ氏は、ベルさんを公私にわたりサポートしながら 家族捜しに奔走する。 読み出したら止まらない面白さ。 ふだん本なんて読まない80代の母が、 我が家に滞在中、読みふけったほどだ。 母曰く「戦後、私のよく知っている時代が出てくるから面白くて」とのこと。 母は生粋・ハマッ子。終戦時は5歳、横浜の記憶も鮮明にあるのだから もちろんか。 驚いたことは2つ。 アメリカは愛人、恋人関係にある女性がいるGIを 遠隔地に転勤させたということ。 (以前、ファミリーヒストリーで観た草刈正雄さんもこのパターンか) またGHQは日本の戦災孤児を保護しながらもGIベビーは見捨てたという。 根底には異人種間結婚への嫌悪、つまりは人種差別があったからだそうだ。 もうひとつ。 ベルさんの家族捜しに大きな力を発揮するのがDNA検査。 アメリカはこの種の情報にオープンで、しかるべき手順を踏めば アクセスできるのだという。 そもそも、多くの人がデータ登録をしていると言うことに驚きだ。 面白かったけれど・・・ 買って手元にずっと置きたい本ではないので、★4。
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