レベッカの見上げた空 の商品レビュー
カーラの家のそばにあらわれたスノーエンジェル。子どもが雪の上に寝ころんで作ったのだろうけど、ふしぎなことにまわりに足跡がついていない。 そのときからいくつかふしぎな出来事がつづき、やがてカーラは、凍った湖の真ん中にある島で、自分と同じ年頃の女の子がたきぎを集め、火をたいて生活して...
カーラの家のそばにあらわれたスノーエンジェル。子どもが雪の上に寝ころんで作ったのだろうけど、ふしぎなことにまわりに足跡がついていない。 そのときからいくつかふしぎな出来事がつづき、やがてカーラは、凍った湖の真ん中にある島で、自分と同じ年頃の女の子がたきぎを集め、火をたいて生活していることに気づく。 訪ねていっても、その子にはカーラのことが見えない様子。でも、雪の上についたカーラの足跡は見えるらしい。そこでスノーエンジェルを作って見せると、カーラが怪しい者ではないと納得したらしく、素手でカーラの手に触れてくれた。そうすればお互いに相手のことが見えるようになるみたいだ。 カーラは、父親が家を出て母とふたりぐらし。友だちもいなくて、「孤独」というものを知る少女。そのカーラが、やはり孤独にさいなまれているレベッカと出会う。しかもレベッカはひどくお腹をすかせている上に、着るものを買うお金もないらしい。 どうやらレベッカはカーラとは別の時代を生きているらしい。レベッカが心を許すにつれ、カーラもレベッカの時代を体験するようになる……。 タイムスリップによる時を超えた友情の物語。とても好きな始まり方で、全体として好きだったけど、見えたり見えなかったり、どっちの世界に行くかだったりがわりと恣意的にその場その場で変わっていく感じがちょっとよくわからなかった。あと、いじめっこのラーズの変化がわりと唐突だったり、カーラと同じく時を超えた幻影を見たことがあるらしい古道具屋の店主のエピがちょっと尻切れトンボだったりと、やや残念なところも。 カーラとおじいさんのからみはよかったな。アンドロメダ星雲から届く光の話を、タイムスリップとからめてかたるあたりも。
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