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福島第一原発事故の「真実」 ドキュメント編 の商品レビュー

4.8

9件のお客様レビュー

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2024/09/06

東日本大震災、当時は高校生。自分のことで精一杯で何も理解していなかったけれど、一歩間違えれば今頃首都圏は壊滅だったんだということ。それを、表面的なことではなくて実際何が起こっていたのか、誰が何を考えどう判断していたのか、詳しく知れて良かった。私一人にできることは限られど、これが広...

東日本大震災、当時は高校生。自分のことで精一杯で何も理解していなかったけれど、一歩間違えれば今頃首都圏は壊滅だったんだということ。それを、表面的なことではなくて実際何が起こっていたのか、誰が何を考えどう判断していたのか、詳しく知れて良かった。私一人にできることは限られど、これが広く知られることが大切だと思った。子供が大きくなったとき、正しく語れるようにしておきたいなと。

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2024/06/28

過酷事故発生時には、中の状態を示す計器も動かず、弁の開閉や水の注入などの安全装置も動作しない。福島原発事件が最悪の結果にならなかったのは、安全設計されてたからでもないし、現場が(我が身を顧みずに頑張ってくれたのは事実だけど)頑張ったからでもない。単にいくつかの幸運と偶然と、むしろ...

過酷事故発生時には、中の状態を示す計器も動かず、弁の開閉や水の注入などの安全装置も動作しない。福島原発事件が最悪の結果にならなかったのは、安全設計されてたからでもないし、現場が(我が身を顧みずに頑張ってくれたのは事実だけど)頑張ったからでもない。単にいくつかの幸運と偶然と、むしろパッキンなど事故発生時の温度や圧力に耐えられない弱い部材が使われていたことがたまたま被害の拡大を防いだからにすぎない。 それでも。 この国は、この国の国民は、全国の原発再稼働を選択した。 廃炉コストや廃棄物管理コストを考慮しない、目先のまやかしの電気料金を最優先にして。 廃炉コストや廃棄物長期管理のコスト、とてつもない事故発生リスクを将来世代に押し付け、今だけの都合、自分たちだけの都合で。 もはや、正気の沙汰とは思えない

Posted byブクログ

2024/06/18

NHK取材班10年間の成果。 震災当時稼働していた1Fの1〜3号機は発震直後の緊急停止は成功していたが、津波による電源喪失により冷温停止状態に持ち込めず、燃料棒が過熱、圧力容器、格納容器内の温度、圧力が限界値を超えて上昇していく。 停電の暗闇で計器も動かず、原子炉内の様子も掴...

NHK取材班10年間の成果。 震災当時稼働していた1Fの1〜3号機は発震直後の緊急停止は成功していたが、津波による電源喪失により冷温停止状態に持ち込めず、燃料棒が過熱、圧力容器、格納容器内の温度、圧力が限界値を超えて上昇していく。 停電の暗闇で計器も動かず、原子炉内の様子も掴めない中、状況を把握できていない官邸や本社から横槍が入る。 1号機、3号機、4号機と立て続けに水素爆発を起こし、散乱する瓦礫や線量に、死も覚悟しつつベントと注水に挑み続ける現場要員たち。 最悪の場合、原発から半径250キロ圏内の避難もあり得たということだが、現実的にはどうだったのか。 電源喪失がすべての始まりとはいえ、当時の装備で行い得た最善の対応と現実はどう違ったのか。 その差が、被害の拡大にどの程度つながったのか。 本社、官邸はどのように支援、監督すべきだったのか。 本書の目的とは違うかもしれないが、そういった検証なしにこの事故の総括はできないのではないだろうか。

Posted byブクログ

2024/04/21

全電源喪失、連続する水素爆発、中央制御室と免震棟と本店。時系列で丁寧に描かれる恐怖の数日。事故直後には不明だったこと、今も不明なこと、直後に広まった俗説の誤謬等々、あまり一般的な「事実」として認識されているとは思えない事柄の多さたるや。このまま「検証編」も読まねば。

Posted byブクログ

2024/04/09

総じて言えるのは、原発はひとたび危険な状態になると、内部を伺い知ることは至難の業であり、推測を重ねていくしか人間にはできないということ。 幸運も重なり最悪の事態は回避できたものの、ここに出てきたような問題が今解決できているのかと考えると甚だ疑問。

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2024/03/28

これは誰もが覚えておくべき惨禍の検証記録であり、たまたま最悪の事態に進展しなかっただけだったことを明らかにしている。3月11日夜福島第一原発の全電源喪失が伝えられてから、翌日12日土曜日午後3時36分に一号機が爆発するまで、掲示板上で交わされていた危機を伝えるやり取りを思い出す。...

これは誰もが覚えておくべき惨禍の検証記録であり、たまたま最悪の事態に進展しなかっただけだったことを明らかにしている。3月11日夜福島第一原発の全電源喪失が伝えられてから、翌日12日土曜日午後3時36分に一号機が爆発するまで、掲示板上で交わされていた危機を伝えるやり取りを思い出す。その日の夜に東京に住む息子家族に今後も原子炉のメルトダウン、不測の爆発が起こりうると電話で話して、孫たちを4月新学期が始まるまで避難させた苦い思い出がよみがえる。福島第一原発事故が想定されるべき危険として共有されていなかったことがこの事故の原因であり、現在も断層直下にある敦賀原発、そして能登地震断層近くの志賀原発など日本の原発の立地とその危険性について未だに十分に評価されているとは言いがたい。ぜひ多くの人がこの記録を読み、自分の問題として原発の存在する意味を考えてもらいたい。

Posted byブクログ

2024/03/14

リアルタイムでニュースにも接していたし、映画、Netflixなど映像化されたものもいくつか観ていたけど、ハラハラドキドキ。そして、知られざる真実も。 ホント、一手、間違えていたら、どんなことになっていたか…

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2024/03/04

 NHKメルトダウン取材班の、10年に及ぶ継続・網羅的な取材を基にした貴重写真を含む膨大な情報量‥‥圧倒的でした。これまで報道されていない事実に驚き、時系列で進む緊迫感に引き込まれ、改めて悪寒が走るような恐怖を覚えました。  事故後10年を経て単行本が刊行され、文庫化にあたり「...

 NHKメルトダウン取材班の、10年に及ぶ継続・網羅的な取材を基にした貴重写真を含む膨大な情報量‥‥圧倒的でした。これまで報道されていない事実に驚き、時系列で進む緊迫感に引き込まれ、改めて悪寒が走るような恐怖を覚えました。  事故後10年を経て単行本が刊行され、文庫化にあたり「ドキュメント編」と「検証編」に分冊して刊行。本ドキュメント編は、単行本の第1部を基に、新たに判明した事実を加筆修正したとのこと。  本書では、東電の中央制御室・免震棟・東京本店と首相官邸に対象を限定し、どう対応したかを再現しています。新事実が出てきて真相が変わるなど、正確な事故像が提示され驚きの連続でした。  東京を含む東日本3000万人が退避を強いられる最悪シナリオが回避されたのは、幾つかの偶然が重なった公算が強い、とのこと。恐ろしい事実です。  今更原発事故の諸悪の根源は何?誰?といった不毛な問いを発しても詮ないことですが、喉元過ぎれば‥という国民感覚、変わらない国のエネルギー政策にほ甚だ疑問が残ります。  「検証編」を読もうか思案中です。何せ、事故後13年経っても核燃料デブリを取り出せない等、まだまだ不明点が多く検証が道半ばだからです。  この極限の危機において、【人間は核を制御できなかった】ということ、それこそが「真実」であることに異論はないでしょう。  変化が激しく先が見通しにくいこの時代の想定外の危機に対して、どう備え、どう向き合うべきなのか‥。この問いは、今後も私たちに投げかけられますね。

Posted byブクログ

2024/02/24

改めて読むと、これは天災ではなく人災と感じます。 上層部にキチンと物申すことのできない東電の体質。 無責任で、起訴された旧経営陣。 そして、自分の思い通りにならないと、喚き散らし現場を混乱にした菅直人元総理。 これらの人が落とし前を付けないと、無念の死で亡くなった吉田所長が浮かば...

改めて読むと、これは天災ではなく人災と感じます。 上層部にキチンと物申すことのできない東電の体質。 無責任で、起訴された旧経営陣。 そして、自分の思い通りにならないと、喚き散らし現場を混乱にした菅直人元総理。 これらの人が落とし前を付けないと、無念の死で亡くなった吉田所長が浮かばれません。

Posted byブクログ