悪事の心理学 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ブクログのプレゼントキャンペーンで頂いた本。考えながらゆっくり時間をかけて読ませて貰った。 いざという時に行動を起こせない原因として、発生事象の曖昧性、責任、社会から見て自分の行動はどう思われるのかという心理が挙げられていた。確かに、バッチリ思い当たる。原因をハッキリと言葉にしてもらえると、事前に準備をしたり、覚悟を決めたりと何かしらの対処は出来そうに思えた。 本書では悪い行いをすると罪悪感をきちんと感じられるが、繰り返すと順応してしまうことにも触れられている。小さな違反を繰り返すことで罪悪感も感じなくなり大きな違反を行うようになってしまう。嘘つきはドロボウのはじまりってこういう意味だったのか。 正しい判断をする(伝えられる)ようになる為に必要なこととして、いくつかヒントが記されていた。 →専門的なトレーニングを行う(心肺蘇生法、応急手当て、資格取得、研修) →気まずさや居心地の悪さを減らす(普段からコミュニケーションを図り関係性を築く) →受け入れられないことをハッキリと簡潔に伝える →自分の経験や気持ちを踏まえて伝える(その言葉を私が言われたら嫌な気持ちになる、友達がいじめられていたことを思い出すから下ネタは不快です) 曖昧さを取り除く為にも自分1人で考えるのではなく、相談することも大事だと教えてくれる。
Posted by
悪事に対すると人間は沈黙する。 30代サラリーマンです。 とあるYouTubeで本の紹介をしており(細かな紹介ではなく、読んでみてといったもの)、購入。 特に事前調査なく、どんな事が書いてあるかもわからない状態でした。 街中で人が困っているのを見かけたことはありませんか? ...
悪事に対すると人間は沈黙する。 30代サラリーマンです。 とあるYouTubeで本の紹介をしており(細かな紹介ではなく、読んでみてといったもの)、購入。 特に事前調査なく、どんな事が書いてあるかもわからない状態でした。 街中で人が困っているのを見かけたことはありませんか? そんな時、貴方は助けの手を差し伸べるでしょうか? 答えはyesともnoとも取れると思います。 周りに人がたくさんいる時or自分しかいない時、困っている人が赤の他人の時or知り合いの時、はっきりと困っていて助けを求めていると認識できる時or曖昧な時 様々な状況下での実験を通じて人がどのような決断を下すかを調査してまとめ、考察を入れた内容です。 困っていそうな人と遭遇した時の人の心理を良く検証したものです。裏を返せば、いざ自分が困っててを貸して欲しい状態になった時、どのように助けを呼べば良いか、参考になります。 翻訳版ということで、少し読みにくいところはありましたが、自分としては良い評価。
Posted by
前段の「集団だと悪事を働きやすい」と後半の対策として「仲間は助けようとする」のところの矛盾が拭いきれなかった。おおよその言いたいことは理解できるのだが。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
めちゃくちゃ良書だった。 悪事を行う人の心理というより、悪事を止めない大衆の心理についての内容。 悪事を認識しながらも指摘や介入ができないのは、見逃している人達が悪人という訳ではなく、脳の動きなど人間の性質的な要因が大きいということ。 つまり悪事を目撃しても沈黙してしまうことが多いのは必然。 ただ悪事はそうした周りの沈黙の姿勢によって、より増幅してしまうものなので、この沈黙の状況を変える必要がある。 そのためには知識やスキルが必要で、元の性格に関わらず方法によって培うことができる。 というような内容だった。 悪いことを止められる大衆の中の一人であれるために必要な知識が色々記載してあった。 私が実践してみようと思ったのは、心配蘇生や応急処置の方法などの専門的な知識を身につけること。 あくまで医者のような知識を身につける必要はなく、自分は知っているということを認識することが重要なので、講習とかに参加してみようかなと思った。
Posted by
みんなと一緒であることは安心のしるしである。仲間外れにされたり、嫌われたくないのが一般的だと思う。 実際、ある特定集団、たとえば、学校、企業、宗教組織に所属していると、そこでは通例になっているのを否定するのは困難だ。 しかし、より広い集団、たとえば、国家、そして長期における歴...
みんなと一緒であることは安心のしるしである。仲間外れにされたり、嫌われたくないのが一般的だと思う。 実際、ある特定集団、たとえば、学校、企業、宗教組織に所属していると、そこでは通例になっているのを否定するのは困難だ。 しかし、より広い集団、たとえば、国家、そして長期における歴史の視点からみると、その当たり前で通っていたことが、不正や不祥事であることがしばしばある。悪は実在するのではなく、ある視点に従属しているとしか思えない。 ただ、世界人類、過去から現在に至るまで、みんな共通の認識をしていたのに、この今の自分だけが、おかしいと訴えても、何の力にもならないのも事実だ。ここに善悪のない神の領域があると私は信じている。 それは極端にしても、同調するのが必ずしも快いといえないまでも、多くの人は同調傾向が強いと思う。この本の革新的なところは、少数派の変革者に注目して、それをハウツー物にしているところだ。 脳神経にも触れているのも、一つの特徴であるとも言える。何より実例が豊富だ。この先、新しい倫理学ができるかもしれない。
Posted by
人は善にも悪にもなると思う。 特に、集団における同調圧力の力は凄まじく大きい。制服、会社の理念、誇らしくもあるのかもしれないが、それは同調を促す。 ミルグラム研究が取り上げられているが、指示に従う時に、自分の責任を薄まったと勘違いしてしまうのか? いじめは多数の傍観者がい...
人は善にも悪にもなると思う。 特に、集団における同調圧力の力は凄まじく大きい。制服、会社の理念、誇らしくもあるのかもしれないが、それは同調を促す。 ミルグラム研究が取り上げられているが、指示に従う時に、自分の責任を薄まったと勘違いしてしまうのか? いじめは多数の傍観者がいて表面化するのに時間がかかる。いじめを注意した為に自分が対象になることもある。 誰もが我が身が可愛い。そして自分の子供、あるいは友人など、自分の身内意識を持っている人が可愛い。 「見て見ぬふり」も傍観者を表す言葉だ。そして、傍観者が多いほど、傍観者を生む。 本の帯に「抗議の声を上げるのをやめたほうが楽だと感じたことが何度もありましたが、本書はそれに屈することがないように勇気を与えてくれました。」と。 ルワンダで大量虐殺が起きた時、難民を勇敢に助けたのは人助けをした経験を持つ両親のもとに育った人が多かったという。 正しいことも認識とスキルを身につける必要がある。 自分1人が声を上げてもという自己認証に対する過小評価を乗り越え、居心地の悪さも乗り越えなければならない。 それが出来たら、選択を迫られた時、内面の奥底にいる自分を誇らしく思うだろう。
Posted by
- 1