カーネーションの偉大なる40年 40years of THE GREAT NOSTALGIA の商品レビュー
自分に影響を与えたアーティストを選ぶとしたときに、特にひねくれたポップソングの魅力を教えてくれたという点で真っ先に候補があがるのが活動40周年を迎えたバンド、カーネーションである。 1996年ごろ、中学校に進学した13歳ごろに聴き始めたFMラジオでパワープレイされたいた”It`...
自分に影響を与えたアーティストを選ぶとしたときに、特にひねくれたポップソングの魅力を教えてくれたという点で真っ先に候補があがるのが活動40周年を迎えたバンド、カーネーションである。 1996年ごろ、中学校に進学した13歳ごろに聴き始めたFMラジオでパワープレイされたいた”It`s Beautiful Day”という曲で好きになり、少ない小遣いでシングルやアルバムを買い集めていた。その中でも自分が最も名曲と思ったのが”グレイト・ノスタルジア”というシングルであり、アメリカンロックを彷彿とさせるアーシーなバンドアレンジに滑らかなストリングスが重なるサウンドとメロディーの美しさにとても感動して、何十回と聴いていた。 本書は「40 years of THE GREAT NOSTALGIA」と名曲のタイトルを引用しつつ、カーネーションというバンドの40年間の全活動について、各アルバムのインタビューや、対談が収められている。 カーネーションというバンドが稀有なのは、やや流動的だった初期からメンバーが5人編成で固定され、上記の名盤を生み出したのちに3人編成のトリオになり、さらにドラマーが脱退して2人編成になりつつも活動を止めずに、優れたサポートメンバーの力を借りながら未だに素晴らしい作品を出し続けている点にある。 また、自分がFMでパワープレイされた作品に出会ったのはおそらく彼らのセールスが最も良かった時期であり、その後はセールス的に苦しめられながらレコード会社の移籍やトラブルなどにも見舞われていた。メンバー脱退はそうしたトラブルとも無縁ではなく、各アルバムのインタビューでは、当時のバンドの辛い雰囲気などに関しても、多少言葉を選びつつもストレートな苦しさが語られている。 40年間、活動休止のような期間を基本的に置くことなく、コンスタントに活動を続けて、未だにフレッシュな作品を生み出しているという点は本当に尊敬するしかない。 先日この40周年を記念して行われたワンマンライブも大変に素晴らしく、13歳のときの自分に「27年後のお前はカーネーションのものすごいライブを見てるぜ」と自慢したい気持ちでいっぱいだった。
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