人口は未来を語る の商品レビュー
人口が未来を語るという意味では、日本はかなり重症なことがデータを持ってして理解することができた。もちろん単純な話ではないが、現状の少子高齢化と将来の人口予測は随分以前からわかっていたことであり、対策もできはずだ。日本は少子化の進行を少しでも遅くために、民族性とエゴイズムを捨てる覚...
人口が未来を語るという意味では、日本はかなり重症なことがデータを持ってして理解することができた。もちろん単純な話ではないが、現状の少子高齢化と将来の人口予測は随分以前からわかっていたことであり、対策もできはずだ。日本は少子化の進行を少しでも遅くために、民族性とエゴイズムを捨てる覚悟がなかった。民族性とは移民を受け入れることで、エゴイズムとは女性に偏りがちな子育てを改めず、仕事と子育ての両立を思いとどまらせようとする文化のこと。子供を持つことに消極的なことは仕方ないと思わざるを得ない。
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ページ数は多いけどずっと繰り返し繰り返しで、言ってることはかなり薄い。よって得られるものも少ない。 外から見た日本の状況がわかるのはおもしろかった。
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※このレビューにはネタバレを含みます
ヨーロッパが植民地を作れたのは、人口急増とそれに伴う流出のおかげ。アメリカとソ連が超大国になったのも人口急増による。中国、インドが注目されるのも人口が多いから。 前近代では、妊娠出産は抑制されなかった=多産多死。多産少死で人口が急増=第一の人口転換。 少産少死で合計特殊出生率が2人強を割り込むのが、第二の人口転換。 世界は長寿低死亡率を享受し、出生率が人口の増減を左右している。 増加するグリーン=環境回復、 増加するグレー=高齢化 減少するホワイト=アフリカの急増とヨーロッパの減少 乳幼児死亡率の減少は教育の普及によるもの。 外国生まれの母親は乳幼児死亡率が下げ止まる。医療サービスにとどかない。 国家間の格差は減少しているが、国内での格差は広がっている。乳幼児死亡率も同じ。 サハラ以南では、まだ乳幼児死亡率と妊産婦死亡率が低下している状態。=人口拡大期。 チャド、ニジェールなど。 アフリカから外に出るには大金が必要。家族の期待を背負って出稼ぎに出る。誰かが移住に成功すると呼び寄せや受入れによってコミュニティが生まれて、その後の移住者のハードルが下がる。 アフリカ内の移動がはるかに多い。 冷戦の終了=歴史の終わり=「デンマークに到達すること」(フランシスフクヤマ) アフリカの出生率次第で世界の人口が決まる。 文化の違いによって。死亡率が高いので多産がいいことだった。 インドネシアは人口ボーナスの状態。少し前までは出生率が高かった。今は2強。民主化と経済成長に成功した。 シリアはそうではなかった。 アフリカはまだ先の話。そのとき、インドネシア式となるかシリア式になるかにかかっている。 都市生活のほうがエネルギー消費は少ない。 都市化の後退は、パンデミック、技術の進歩による。 都市の盛衰が人口を決める。農村から都市への移動は第一の人口転換の始まり。都市では労働力としての人手がいらない。 インドでも大都市コルカタの合計特殊出生率は1.2。 シンガポールでも出産を奨励することは難しい。 女性の教育拡大と伝統的な男女観の組み合わせでは、出生率にとって致命的。 婚外子が増えると出生率が上昇する。 一度下がった出生率を再び上げるのはむずかしい。低出生率は自己強化ループになる。 家族を持つことは無理、または大家族は利己的、という考えが広がった。 最大の不確定要素はサハラ以南にある。しばらくは増え続けるが、そのうちピークチャイルドを迎える。 日本は高齢化社会の実験室。物価上昇と失業のとレードオフで進展する経済は人口増加を前提としている。 公的年金制度はボンジスキーム=人口増加を前提としている。 平均寿命は今後、男女間の差より階級間の差が問題になる。 移民は人口を支える第三勢力。 東京の郊外では高齢化と空洞化が進んでいる。今後50年でミニデトロイト化する可能性がある。 バングラデシュの奇跡=識字率の向上で人口の安定が見えてきた。教育の第一歩は識字率の向上。韓国、台湾、シンガポールを見習った。 中国の例は民主主義抜きでも高水準の教育を施すことができることを照明した。一般には教育と民主主義は連動すると考えられていた。 教育の否定的な面は、競争が激しくなること=韓国の例。ルワンダの大量虐殺でナショナリズムの間違った教育が原因となった。 大学進学率が半分を超えた時点で教育の投資利益率は減る。教育に傾倒することが経済成長鈍化の一因。 ゴミ収集、シーツの交換、共感、などはAI化の影響を受けない。 人口動態は、直感的な理解が難しいモノの一つ。 守勢率の改善にほんのわずかにしか変化しない政策でも、時間稼ぎとしては有効。その間に「個人の自由な選択と多産奨励主義が両立するような文化」をつくる。
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レビューはブログにて https://ameblo.jp/w92-3/entry-12863005119.html
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・乳児死亡率の低下による第1の人口転換 ・サブサハラの人口動態が21世紀の世界人口を決める。サブサハラに人口ボーナスはあるか。 ・中国をはじめとする急速な都市化、都市化による出生率の低下 ・女性の高学歴化、男女に関する伝統的価値観が低出生率をもたらす。一方宗教等の価値観が高出生率...
・乳児死亡率の低下による第1の人口転換 ・サブサハラの人口動態が21世紀の世界人口を決める。サブサハラに人口ボーナスはあるか。 ・中国をはじめとする急速な都市化、都市化による出生率の低下 ・女性の高学歴化、男女に関する伝統的価値観が低出生率をもたらす。一方宗教等の価値観が高出生率をもたらすこともある。 ・高齢化による戦争、内紛、政治革命、文化革命の低下 ・超高齢化社会の最先端「日本」経済停滞、公的年金・医療費問題、世代間政治、介護テクノロジー ・移民によらなければ人口減少は止められない。 ・移民による民族構成の変化(西欧、USA等) ・教育による経済発展、民主化 人口動態、食糧生産、地球温暖化、戦争、パンデミック、経済のすべてについて著者は楽観的。 経済力、民族性及びエゴイズムはトレリンマの関係にあり、日本は経済力を犠牲に民族性(日本民族の維持)、エゴイズム(女性への家事育児依存、婚外出生の排除と出生率の低下)を享受。 著者の「人口で語る世界史」もそうだが、旧知の事実を多くのエピソードで分かりやすく記述しているだけ。
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昨今の世界の人口動態について、あらゆる軸から検証してみたもの。”明日の人々”たる人類のゆくえは未知数だが、世界的には人口減少傾向で、今後はアフリカがやはり大きな影響をもつのだろう。都市化や高齢化、食料危機などトピックが様々にあり考えさせられる。先進国で人口が安定しているイスラエル...
昨今の世界の人口動態について、あらゆる軸から検証してみたもの。”明日の人々”たる人類のゆくえは未知数だが、世界的には人口減少傾向で、今後はアフリカがやはり大きな影響をもつのだろう。都市化や高齢化、食料危機などトピックが様々にあり考えさせられる。先進国で人口が安定しているイスラエルのような感じが望ましいといえば、そうなのだろうか。
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未来を予測する確実な方法の一つが人口の推移を検討することである。日本の人口は減る一方、将来どうなるかの議論はある程度見慣れているが、世界に目を向けると様々な現象があって、非常に興味深い。例えば、アメリカではいわゆるWASPは減り、ヒスパニックが増えているというのが大勢だが、一部の...
未来を予測する確実な方法の一つが人口の推移を検討することである。日本の人口は減る一方、将来どうなるかの議論はある程度見慣れているが、世界に目を向けると様々な現象があって、非常に興味深い。例えば、アメリカではいわゆるWASPは減り、ヒスパニックが増えているというのが大勢だが、一部の宗教(ユダヤ教徒やモルモン教徒)は子沢山で、このような人たちが多く住むエリアは平均年齢も生産人口も多い。子供も同じ宗教を信じることが多いだろうから、長い目で身見ると、相対的にも絶対的にも影響力を増す、とか。また、先進国では、3つの指標のどれかを犠牲にする傾向がある。それは「経済力」「民族性」「エゴイズム」であるという。日本は経済性を犠牲にして「民族性」と「エゴイズム」を獲得している。だから、移民を受け入れず、少子化対策も親の自由であり、経済成長が厳しい状況。イギリスは民族性を犠牲にし、移民を受け入れて、わずかではあるが経済成長を図っている。将来日本はどうなるのか、とても参考になる一冊。
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将来の人口を推測するのは比較的簡単だが、ポイントはアフリカの出生率がどのペースで進むかで大きく変動する ファクトフルネスでも触れていたが社会はどんどん良くなって平均寿命は延びて乳児死亡は減って、識字率は上がっている
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序章 今日の人々を作り上げた人口動態 第1章 乳児死亡率の低下で変わる国々―「10」ペルーの出生1000人あたりの乳児死亡数 第2章 人口爆発後の「人口ボーナス」はあるか―「40億」2100年のサハラ以南アフリカの人口(予測) 第3章 急速な都市化がもたらしたもの―「121」中国...
序章 今日の人々を作り上げた人口動態 第1章 乳児死亡率の低下で変わる国々―「10」ペルーの出生1000人あたりの乳児死亡数 第2章 人口爆発後の「人口ボーナス」はあるか―「40億」2100年のサハラ以南アフリカの人口(予測) 第3章 急速な都市化がもたらしたもの―「121」中国の人口100万人以上の都市数 第4章 出生率が低い社会の共通点―「1」シンガポールの合計特殊出生率 第5章 高齢化社会と暴力との意外な関係―「43」スペイン・カタルーニャ州の年齢中央値 第6章 最先端の超高齢化社会は世界の未来―「79000」日本の100歳以上の高齢者数 第7章 世界は人口減少を食い止められるのか―「55」100年でのブルガリアの人口減少率(予測) 第8章 民族構成が映し出す未来―「22」カリフォルニア州の児童に占める白人率 第9章 教育の向上は国家の発展をうながす―「71」バングラデシュの女性100人あたりの識字者数 第10章 人類は食料危機を乗り越えられるのか―「375」エチオピアの穀物生産の過去25年間での増加率 終章 明日の人々
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