災厄の宿 の商品レビュー
昭和五十一年を舞台にしたサスペンスミステリ。徳島の人里離れた旅館に、猟銃と爆発物を持った男が押し入り立てこもった。人質になったのは旅館の従業員や客と、宴会を開いていた地元の有力者一族。立てこもり犯の目的は有力者一族に対する告発だったようなのだが、しかしそこで予想もしなかった殺人事...
昭和五十一年を舞台にしたサスペンスミステリ。徳島の人里離れた旅館に、猟銃と爆発物を持った男が押し入り立てこもった。人質になったのは旅館の従業員や客と、宴会を開いていた地元の有力者一族。立てこもり犯の目的は有力者一族に対する告発だったようなのだが、しかしそこで予想もしなかった殺人事件が起こる。さらに台風の影響で豪雨に晒され、土砂崩れの危険性も看過できない事態になる。立てこもり犯によるサスペンス、クローズドサークルミステリ、そして迫りくる自然脅威のパニック、一冊で何度もおいしい作品です。 ハラハラドキドキはさせられるものの、立てこもり犯が案外とまともそうなのに安心させられます。もちろん猟銃だのガソリン缶だのは危険だけれど、はっきりした目的があるようだしそれほど粗暴にも見えない。その一方でどう考えても危険なのは有力者一族……絶対なんかやってるでしょこの人。ってので立てこもり犯の計画成功の方を期待してしまうのですが。停電起こるし、殺人事件起こるし、雨はやまないし、本当にどうなっちゃうのこれ。 その一方で地道に堅実に捜査を進める泊り客の上坂が頼もしくて、さらに安心感。いや、こういうサスペンスで安心感とかいうのはどうかと思うのですが。気になってぐいぐい読めるけど、落ち着いて読めました。最後の「終活」も穏やかな解決でほっとさせられます。良いと思う……あの人の行動は、悪事だとは思えません。
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#読了 2024/5/18 災厄の宿/山本巧次 タイトルからホラーものかな?と思っていたら立て籠り事件もの。嵐の田舎旅館で地元名士達と居合わせた客と元刑事の主人公が立て籠り事件の人質に。殺人事件まで起きて…。難しいトリックなどはなくシンプル。サラッと読める一冊でした。
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グロテスクな描写もなくミステリー初心者の方におすすめ! トリックに関してはちょっと物足りなさを感じた。 けどトリックがメインではないので他の部分で楽しめるお話。
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鉄道ミステリーが得意な作者の文庫描き下ろし作品! 徳島の秘境が舞台で絶妙な舞台を選んでます。 作品の舞台に馴染があるのでより楽しめました。 何も知らないで読んでも楽しめ、色々な要素が詰まっており、ミステリー、パニック等など飽きずに読めました!
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最後まで色んな人の終わりが知れて良かった。 でも、罪を償うべき人は違う形でちゃんと償って欲しかったな
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