イエスタデイ・ワンス・モア カーペンターズ全業績 の商品レビュー
幸せ。発売順一曲一曲についてのリチャード・カンペンター本人のメモランダムを読みながら、YouTubeでその曲を追いかけていく時間。カレンの「あの時心が動かされた」唯一無二の歌唱とリチャードの「あの時何を目指していたか」という意図のハーミニーに浸る読書時間でした。まさに「イエスタデ...
幸せ。発売順一曲一曲についてのリチャード・カンペンター本人のメモランダムを読みながら、YouTubeでその曲を追いかけていく時間。カレンの「あの時心が動かされた」唯一無二の歌唱とリチャードの「あの時何を目指していたか」という意図のハーミニーに浸る読書時間でした。まさに「イエスタデイ・ワンス・モア」時間でした。自分にとってのカーペンターズは中学校の給食時間に放送部が校内放送で流していた「シング」や「トップ・オブ・ザ・ワールド」で、だから他のロックやフォークや歌謡曲とちょっと違うスクエアな印象を持っていたのですが、それでも10代の自分の毛細血管にはカーペンターズが染み込んでいました。その時代の心の揺れ(例えば誰が好きだったか…)みたいなものも蘇ってしまいました。その後、彼らも時代との距離感で苦しんでいたことと、自分個人がこのアーティストを意識しなくなったこともシンクロしました。しばらく間があって20代に極私的に再発見したのが「Close to you」。友人の結婚式のスライドとかVTRを頼まれて作る時の最強なBGMでした。(何人の花嫁をうるっとさせたことか…)この本に中でシンプソンズのホーマーとマージの結婚式のBGMとして選ばれたエピソードを見つけ、なんかうれしくなってしまいました。それにしても「Close to you」は将軍のリチャード・チェンバレンが歌っていた曲だったとは!ダスティ・スプリングフィールドも歌っていたとは!この本とYouTubeのすごいところは、それらを聞くことが出来ること。「スーパースター」をベッド・ミドラーも歌っていたのにはびっくり!ハーマンズ・ハーミッツの「見つめあう恋」にも初遭遇。でもカーペンターズのカバーは以前の曲を亡きものにしてしまう力があります。カレンの声とリチャードのアレンジが、その前に存在した歌をタイムレスにしてしまう…それがカーペンターズ作用なのだと思います。カレンにはもっと生きてもらって埋もれた曲をエバーグリーンな名曲にして教えてもらいたかった。サントリーPOPという日本のコマーシャルジングルの情報も記載されていてデータ本としては超マニアック!カーペンターズ愛に満ち溢れた一冊でした。繰り返します。幸せ。
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