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あっかんべェ一休(第壱巻) の商品レビュー

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2024/02/17

漫画特集のムック本等でカルト漫画的位置づけにあり興味があったものの、絶版でプレミア化していたため読めずにいました。「初見で大判本買うほどかな…」と思いつつ購入し読み始めましたが、とても心を動かされる作品でした。 無精髭で破戒僧となった一休さんが描かれた数ページで始まり、そこへ至...

漫画特集のムック本等でカルト漫画的位置づけにあり興味があったものの、絶版でプレミア化していたため読めずにいました。「初見で大判本買うほどかな…」と思いつつ購入し読み始めましたが、とても心を動かされる作品でした。 無精髭で破戒僧となった一休さんが描かれた数ページで始まり、そこへ至るまでの一休さんの生涯が描かれています。二巻では青年時代まで。 まずもって舞台とする室町時代の寺院や背景の描き込みが丁寧で見開きの使い方も上手く絵画的です。その上で自身の出自や仏教の教えと、貧困に喘ぐ衆生の現実の中で揺れる若き一休の心理描写が素晴らしく、カルト的な評価から想像していたのとは良い意味で違って、とても真っ当に良質な漫画だと感じました。 時代もので宗教系の真っ当な漫画となると退屈な印象を持ちそうですが、幼い頃から青年時代まではとても優等生で、正面から仏教的悟りと自身の内面や現実との葛藤に苦しみ続ける一休が、最後には冒頭で描かれた破戒僧と成り果てる過程が二巻の段階までは想像が付かず、気になって夢中で読み進められました。

Posted byブクログ