72年間のTOKYO、鈴木慶一の記憶 の商品レビュー
日本で現在も活動する最古のロックバンドの一つであるムーンライダーズを率い、ソロや様々なユニットで活躍する音楽家、鈴木慶一の72年の反省を本人への長時間インタビューから明らかにする評伝。 私自身がムーンライダーズをちゃんと聴き出したのは実はつい最近であった。きっかけは2022年に...
日本で現在も活動する最古のロックバンドの一つであるムーンライダーズを率い、ソロや様々なユニットで活躍する音楽家、鈴木慶一の72年の反省を本人への長時間インタビューから明らかにする評伝。 私自身がムーンライダーズをちゃんと聴き出したのは実はつい最近であった。きっかけは2022年に発表されたアルバム、『it's the moooonriders』であった。70を超えたメンバーが在籍しているとは思えないくらいにフレッシュでいて良質なサウンドに刺激を受け、そこから少しずつ過去作を聴いていたのだが、いかんせん、活動量が多いだけに全体はつかみきれていなかった。 本書では幼少期の頃から、現在に至るまで、バンド・ソロ・ユニットなどの多様な活動の全体像を炙り出すがごとく、丁寧な質問によってその時々の活動の実態やその背景にある彼の考えを明らかにすることに成功している。 本書を読みながら、鈴木慶一がデビューするきっかけとなった日本語ロック黎明期のバンド、はちみつぱいからムーンライダーズなどの作品をspotifyで聴きながら、都度新鮮な感動を覚えて読み進めたのは、非常に幸福で楽しい時間であった。
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