テレビ情報誌のメディア史 興亡の歴史と未来 の商品レビュー
新聞の購読が激減したのはテレビ地上波のデジタル化にも一因がある、という説を聞いたことがあります。地デジ化以来、番組表はテレビの画面の中に存在するものになり、番組欄でリビングにぎりぎりの居場所があった新聞は、完全に家庭内に必要とないものになった…風が吹けば桶屋が儲かる敵な繋がりが面...
新聞の購読が激減したのはテレビ地上波のデジタル化にも一因がある、という説を聞いたことがあります。地デジ化以来、番組表はテレビの画面の中に存在するものになり、番組欄でリビングにぎりぎりの居場所があった新聞は、完全に家庭内に必要とないものになった…風が吹けば桶屋が儲かる敵な繋がりが面白く時々吹聴してきました。確かに地デジ化がスタートした2003年の新聞発行部数は約5300万部、地デジ化が完了した2012年の新聞発行部数は約4800万部、そして2023年は約2900万部…ほぼ半減の理由はテレビ欄だけで語られるものではないでしょう。ただテレビ情報誌も同じダメージを受けていると決めてかかっていました。しかしテレビ情報誌は地デジ化によって「大きく部数を落とすことはなかったのである。」(P180)これは驚きでした。いろんな情報のひとつとしてのテレビ欄を持つ新聞とテレビというメディアに寄り添うことで変化し続けてきたテレビ情報誌の差がその違いを生んでいるのでしょう。テレビとテレビ情報誌の一心同体性の歴史を細かく調べていく、そこからこれからのテレビ情報誌の可能性を「テレビ・エリート」というキーワードで模索して行く、もともとテレビ情報誌の編集長だった著者が大学で研究をして博士論文として書かれた論考がベースです。この本の成り立ちも含め大いに刺激を受けました。
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