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ラストコールの殺人鬼 の商品レビュー

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4件のお客様レビュー

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2024/05/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

内容は面白かったが、書き方や誤字脱字のたぐいが気になった。 書き方が、つらつらと話す感じで、今何の話だっけ?となる。延々と司馬遼太郎のうんちく話が続く感じ。登場人物がとにかく多いので、こいつ誰だっけ?となる。これは自分の記憶力が無いせい。 作者としては出来るだけ当時の状況が書きたくて、バーがいつ出来たとか、治安はどうだ、警察はこんな事件も扱っていたとか、クィアの人たちはこんな活動をしていた、などを書いたんだと思うし、あとがきでも被害者達のことを埋もれさせてしまっても良いのだろうか、という風なことを書いてるので、そういうことだろう。良い作品だと思う。ただ、ちょっと読むの疲れた。 犯人像について、客観的な事実と証言に基づいて描かれていたのが面白かったが、これは皮肉やあてこすりなのか?とわからない描写もあった。物静か、って便利な言葉だなあって感じ。 部屋の掃除は欠かさないけど、ごみ袋に指紋残しちゃったのはうかつ。しかし、当時は指紋についての懸念は広く考えられていなかったんだろうか。 結局、殺害及び解体した場所が特定されなかったのも怖いな。 院生時代に人殺して遺棄しても無罪なの怖すぎ。どういう理屈なのかマジでわからない。被害者にゲイ容疑があると、加害者の罪の免れがあるってことなのか。噂はあった、というのがいかにもって感じ。 映画化したら、さらにエンタメ性が加わって面白くなりそうだな、と思った。ドキュメンタリー映画は作られるそうなので、機会があれば見たい。

Posted byブクログ

2024/04/02

アメリカはLGBTQの先進国だろうと思っていて、ようするに性の多様性の理解にいまだお粗末な私です。そうなんだ、彼の国では30年ほど前にクイア(性的マイノリティを包括的に指すこの言葉も初めて知った)を標的に、かくも恐ろしいバラバラ事件が続いていたのか。いや、事件そのものより、当時は...

アメリカはLGBTQの先進国だろうと思っていて、ようするに性の多様性の理解にいまだお粗末な私です。そうなんだ、彼の国では30年ほど前にクイア(性的マイノリティを包括的に指すこの言葉も初めて知った)を標的に、かくも恐ろしいバラバラ事件が続いていたのか。いや、事件そのものより、当時は警察や裁判所でさえクイアに対して著しい偏見を有していたとは。指紋採取の解説についてはまったく理解が及ばずながら、その技術的進歩の甲斐あって事件が解決してよかった。カミングアウトできる社会の大切さを改めて思う。でも読みにくかったぁ。

Posted byブクログ

2024/02/16

2022年エドガー賞受賞。 1990年代のニューヨークでバラバラ死体となって相次ぎ発見された男性4人。 被害者は閉店間際のピアノバーから、誘い出されて殺害されていた。 ノンフィクションであるが、事件のことは全く知らなかった。 読み進めていくうちにそういえばエイズのことが、日本...

2022年エドガー賞受賞。 1990年代のニューヨークでバラバラ死体となって相次ぎ発見された男性4人。 被害者は閉店間際のピアノバーから、誘い出されて殺害されていた。 ノンフィクションであるが、事件のことは全く知らなかった。 読み進めていくうちにそういえばエイズのことが、日本に住んでいる自分の耳にまで届いていたという朧気ながらの記憶があった。 エイズが猛威を振るった1992年には、ニューヨーク市内で一万八百人がエイズと診断された。 これはゲイの人々に向けられた殺人だったのか…。 だが、ラストコール・キラーと呼ばれたリチャードは、この4人の連続死体遺棄事件以前にも別の殺害にも関わっていたことがわかっている。 この4人全員がゲイ、あるいはバイセクシュアルだったが、動機の解明はできないままである。 それが一番怖いことなのでは…と思った。

Posted byブクログ

2024/01/28

個人的に、その人が読書好きかどうかを判断する一つの材料として、”好きな出版社はどこか?”という質問がある。音楽であればレコード会社やレーベルが非常に大きな意味合いを持つ中で(例えば、”4ADのセレクトするインディーバンドなら間違いがない”というように)、書籍においてはそこまで出版...

個人的に、その人が読書好きかどうかを判断する一つの材料として、”好きな出版社はどこか?”という質問がある。音楽であればレコード会社やレーベルが非常に大きな意味合いを持つ中で(例えば、”4ADのセレクトするインディーバンドなら間違いがない”というように)、書籍においてはそこまで出版社というものにこだわる人は少ないように思う。 さて、自分にとって好きな出版社を選ぶときに、もちろんそれはジャンルによって異なるわけだが、こと私が好きなノンフィクションというジャンルにおいての答えは決まっている。本書の出版社、亜紀書房である。 この亜紀書房の翻訳ノンフィクションシリーズの1冊として出版された本書は、1990年代、ゲイの男性たちが集まるピアノバーから誘い出された無惨に殺されて四肢をバラバラにされた発見された殺人事件の犯人を追うノンフィクションである。 被害者の友人・知人や、複数の州に跨って死体が発見されたことから各州で捜査にあたった州の捜査官などへの取材を通じて、このシリアルキラーの真相に迫る。 ノンフィクションとして優れているのは、この真相をめぐる一連のプロセス自体が読み物としてよくできているというのは当然のことであり、そのプロセスを通じて、AIDSの恐怖が蔓延していた当時の雰囲気や、そうした恐怖に怯えながらピアノバーに集うことで生き抜こうとしてゲイの男性たちの世相を描くことに成功している点である。 引き続き、亜紀書房の翻訳ノンフィクションの新作を楽しみに待ちたい。

Posted byブクログ