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本阿弥行状記 の商品レビュー

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2024/03/29

先日、本阿弥光悦の大宇宙展を観てきたので、読んでみた。清貧の思想で有名な中野孝次さんの作品。光悦の孫にあたる光甫が、光甫の孫であるばばに語り書かせた内容をばばが語るという物語。没落していく本阿弥一族の物語。その栄光の時代を支えた本阿弥の思想、哲学がばばの語りにより伝えられていく。...

先日、本阿弥光悦の大宇宙展を観てきたので、読んでみた。清貧の思想で有名な中野孝次さんの作品。光悦の孫にあたる光甫が、光甫の孫であるばばに語り書かせた内容をばばが語るという物語。没落していく本阿弥一族の物語。その栄光の時代を支えた本阿弥の思想、哲学がばばの語りにより伝えられていく。本物を見極める視点、姿勢はそのまま生き方に通じていく。ではなぜ没落してしまうのか、と疑問に思いつつ、時代の流れについていけない不器用さもその生き方の一つなのでしょう。この手の流れ、日本人は比較的好きだよなぁと思う。今はしっくりこないけど、嫌いではない。なんにしても、光悦の凄さだけはびしびしと伝わってきた。

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2024/02/17

本阿弥家に伝わる「行状記」から着想は得たものの、著者オリジナルの作品。著者が「清貧の思想」の作家と知ってとても懐かしい思いがした。バブル崩壊のアンチテーゼとしてベストセラーとなったのは当時子供だった自分も覚えているが、それから30年以上がたって清はさておき、益々貧している日本にな...

本阿弥家に伝わる「行状記」から着想は得たものの、著者オリジナルの作品。著者が「清貧の思想」の作家と知ってとても懐かしい思いがした。バブル崩壊のアンチテーゼとしてベストセラーとなったのは当時子供だった自分も覚えているが、それから30年以上がたって清はさておき、益々貧している日本になった。 舞台となっている鷹峯は京都は北区の西部、観光客も金閣寺止まりで鷹峯の辺りまでは中々上って来ない、観光地化していない落ち着いた古都の空気が残っている。 高度経済成長期には京都の軽井沢という触れ込みで宅地開発されたそうだがそれも今や昔、四半世紀前と比べても寂れてしまっている感はある(それは北大路通以北に概ね言える事だか) 外資系やリゾートホテルが建っているのも良く言えば落ち着いた、悪く言えば人気が少ない環境が一定の需要があるからなのだろうか。 そんな舞台に思いを馳せつつ本阿弥一族の栄枯盛衰を追体験するのも趣があった。 紀伊国屋書店天王寺ミオ店にて購入。

Posted byブクログ

2023/12/27

書、陶芸、茶の湯などで知られる江戸初期の数寄者・本阿弥光悦。光甫「行状記」を筆記した孫娘が語る、一族の風流で清貧な生活と美の世界。〈解説〉川村 湊

Posted byブクログ