1,800円以上の注文で送料無料

世界への信頼と希望、そして愛 の商品レビュー

4

1件のお客様レビュー

  1. 5つ

    0

  2. 4つ

    1

  3. 3つ

    0

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/05/09

「活動的生」を中心としたアーレント論。20代の著者の修士論文をベースにした本。本の紹介として、若い論者による新鮮な解釈といったことが書いてあって、読んでみた。 が、正直なところ、そこまで新しい感じはしなかったかな???著者の理解は概ね私のこれまでの理解と重なる感じがした。 で...

「活動的生」を中心としたアーレント論。20代の著者の修士論文をベースにした本。本の紹介として、若い論者による新鮮な解釈といったことが書いてあって、読んでみた。 が、正直なところ、そこまで新しい感じはしなかったかな???著者の理解は概ね私のこれまでの理解と重なる感じがした。 では、私の理解がどの程度独創的なものであったかというと、そうでもなくて、アーレントをめぐる最近の国内研究者の著書をいくつか読んでいて概ねきっとそういうことだろうと思っていた解釈なので、著者の議論にどこまでの新しさがあるのかはよくわからない。 私は、アーレントの研究者ではないので、大雑把にこういうことだろうと思っていることが、アーレントのどこにどう書いてあるから、こうなんだと明確に説明することは必ずしもできない。その辺りを著者が丁寧に文章を解説しながら、議論してくれるので、私の理解をより深めてくれたという感じかな? この本の特徴として註が多いというのがあって、ページ数にすると本文の半分くらいになる。註がやや細かいフォントになっていることを考えれば、本文の3分の2くらいの分量かもしれない。 あまり丁寧に訳註まで読み込んでいないが、ここには本文の意味をより厳密に解説するようないわゆる註というよりは、関連するような、しないような本論からはみ出ていくような、でも本文と響きあうようなもので、なかなか楽しい感じがした。 なんか、一つの話しに収束しているようで、しないところが、もしかするとこの著者の魅力なのかもしれない。

Posted byブクログ