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東京漫才全史 の商品レビュー

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2024/10/15

おおまかに、萬歳→万才→漫才→MANZAI、と四段階に分けながら東京漫才の歴史を追っている本書。前三つはなんとなくわかると思うが、著者はMANZAIブーム以前以後で漫才の形が大きく変わったという立場なので、本書では漫才とMANZAIでわけられている。 本書が、なぜ東京に限定して...

おおまかに、萬歳→万才→漫才→MANZAI、と四段階に分けながら東京漫才の歴史を追っている本書。前三つはなんとなくわかると思うが、著者はMANZAIブーム以前以後で漫才の形が大きく変わったという立場なので、本書では漫才とMANZAIでわけられている。 本書が、なぜ東京に限定しているのかといえば、上方を入れてしまうと膨大な量となるうえに、リサーチもまともに追えないからではないかと思う。実際、東京漫才に限定しても不明瞭な部分は多い。特に戦前は、信用できる資料が質的にも量的にも足りないのだろう。 ただ、それを差し引いても膨大な固有名詞が並ぶ。さまざまなコンビの簡単なプロフィールが延々と続くだけといえばそれまでだが、その作業もなかなか大変だったと思う。それぞれの紹介内容は本当に簡素なものだし、立川談志の書籍に頼りすぎなのではと思う部分も多い。(本当に何度も談志の名前は出てくる) ここに書かれたほとんどの内容について、どこまで信頼できるものなのか、ぼくに判断できる材料はない。 でも、終盤のここ20〜30年の漫才史についてはなんとなく知っている。そして、著者はここ最近の漫才には(著者が言うところのMANZAI)あまり興味がないのかもしれないが、妙に雑である。時系列もおかしいし、この流れでこの名前を出すのか?ということもある。 そのような適当さを見ていると、本書のメインである過去の漫才史もいささか信頼性が欠けてくるような気がしてくる。どのみち確かめようもないので、信じとくけども。

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2024/03/28

本当にたまたまなのですが、本書を読んでいる最中に浅草で友人と食事する会がありました。その前の用事が渋谷だったので銀座線で始発から終点まで。車内で読み終わらなかったので、どっか喫茶店で読み切ろうと思ったのですが、この本の発するバイブスと浅草の街の空気がシンクロとして、浅草東洋館に衝...

本当にたまたまなのですが、本書を読んでいる最中に浅草で友人と食事する会がありました。その前の用事が渋谷だったので銀座線で始発から終点まで。車内で読み終わらなかったので、どっか喫茶店で読み切ろうと思ったのですが、この本の発するバイブスと浅草の街の空気がシンクロとして、浅草東洋館に衝動的に飛び込みました。昼の部の最後の一時間だけで、しかも漫才は入る直前にロケット団が終わっていて、夜の部の前に出てしまいましたが著者の愛している文化みたいなものの匂いを嗅いだような気持ちになりました。まあ3000円は高かったけど、これも本の連れてきてくれた体験と思います。THE MANZAIでもなく、M-1でもない東京漫才の詳細な記録。チェーン店の濃厚なラーメンになる前のおじいちゃんの店の古くさくシンプルなラーメンの味。満喫しました。吉本や松竹芸能のこってりがパワフルな関西弁から生まれるとしたら東京の漫才は東北や北関東の恥ずかしそうな訛りが味を作っているように思いました。実はYouTubeでねづっちの動画の密やかなファンなのですが、その源流をしっかりと確認したような気持ちになりました。あとがきがさらに熱いです。いろいろ含めて、良書!

Posted byブクログ

2024/02/08

東京は漫才師にも真打制度があるんですね。 初めて知ることが一杯ありました。 過去が有って現在ある。 今を知るのに必要な本ですね。

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2024/01/05

力作です。元になったサイトの膨大な内容を思うと、よくここまでまとめたなと思います。編集者との共同作業だと感じます。興味深く読みました。 この本で私は好きなところは「好き嫌いでものを歪めて書いていない」ことです。 演芸の本となると、特定の演者や流派へのえこひいきが見受けられること...

力作です。元になったサイトの膨大な内容を思うと、よくここまでまとめたなと思います。編集者との共同作業だと感じます。興味深く読みました。 この本で私は好きなところは「好き嫌いでものを歪めて書いていない」ことです。 演芸の本となると、特定の演者や流派へのえこひいきが見受けられることが多いのですが、それが薄い。 「東喜代駒を東京漫才の元祖」と主張している本ですが、そのことが記述を過剰に贔屓することに陥っていない。売れなかった人を無視していない。わかった範囲のことをきちんと書いている。 いったん舞台に立った方々を、平等にその芸と生死の記録を記している。全員に同じだけの敬意をおきつつ距離も置いている。データの後ろに演者ひとりひとりの人生と筆者の思いがこもっている。 それは著者がすべての舞台人と資料に敬意を持って接しているからではないでしょうか。 ただ、万人向けとは言いません。 「漫才(特に「東京漫才」)」「寄席演芸」というキーワードに関心・興味のある方には強くおすすめします。

Posted byブクログ