とるにたらない美術 の商品レビュー

原田裕規(著者)

2024/01/29

ラッセン　風景としての自画像「マリンアート」　黙殺と饒舌　
　1956年 西海岸メンドシーノ生まれ　　11歳でハワイ移住
　1985年 ラッセン アート パブリケーションズ　1点モノではなく出版
　1989年 アールヴィヴァンと販売契約　　クレジット決済と展示会方式
　1997年 全国巡回　インテリアアート　年商2000億円
　　　　　現代のペンキ絵（都築 響一）　アーバンなセンス（栗原裕一郎）
　　　　　ヒロ ヤマガタ問題≒ラッセン問題（中ザワヒデキ）
　2011年 被災地チャリティ訪問　波とともに生きている
　2017年 超ラッセン原画展　「ネタ」として
　　　　　ももクロ「プロビデンスの目」、どん兵衛「かき揚げを描きあげる」

VAR　全能の目
　新しい目　観戦を操作
　2018年ワールドカップ　VARから見られるレフェリー　正ジャッジ95％→99.3％
　巨大なフィールドの支配　ボール保持者以外の動きの重要性
　レフェリーの試合の流れのコントロール　機械にできるか？
　監視　誰かの視線　　航空写真　ドローン　心霊写真　
　写真　　既存の何かを写しこむ

アール・ローラン　「セザンヌの構造」
　作品分析を主題　　制作、教育、批評　デッサンと構図の学際的アプローチ
　二次性と三次元性　色彩が失われても彫刻的にみる
　リキテンスタイン（情報を線に還元）　ローランのダイヤグラムの引用
　誰の創作か？　主観に基づく情報で均衡の背後の張力の可視化

バルテュス　「街路」の稚拙さ
　肢体の静けさと緊張感、演劇性
　絵画と舞台美術　演技であるか否か　現代芸術の否定と古典絵画からの引用
　自然さを装う不自然な身体　風景が不穏な空気を漂わせる

S/N問題
　ヒロヤマガタ　佐村河内　巨大なフィクションの相対化に失敗
　ラッセン　フィクションをフィクションとして相対化
　「広告の時代」と美術ではない「アート」