句集 澤 の商品レビュー
俳人・小澤實の第四句集。平成十二年から二十四年、著者四十代半ばから五十代半ばまで十二年間の句を収める。この間、平成十二年に句集の題の「澤」を創刊主宰し、二十三年には東日本大震災に遭遇した。それを反映し、句集には新しい俳句を生み出そうとする熱意が満ちている。「待つは楽しことに鰻の焼...
俳人・小澤實の第四句集。平成十二年から二十四年、著者四十代半ばから五十代半ばまで十二年間の句を収める。この間、平成十二年に句集の題の「澤」を創刊主宰し、二十三年には東日本大震災に遭遇した。それを反映し、句集には新しい俳句を生み出そうとする熱意が満ちている。「待つは楽しことに鰻の焼くるまで」「和漢三才図会の奇獣を紙魚舐むる」「島すべて熊蟬領や朝より」「般若心経二百六十二字涼し」「欠席は林檎の花摘作業のため」「おでんやの丸き木椅子に帰り来し」「こしあぶら酢味噌の金(くがね)掛けにけり」「水にたらしうがひぐすりの青き塔」「酒呑んでたふれ眠るよ花の下」「飯蛸壺にねむる飯蛸足そよぐ」「原爆製造試みし壕秋灯」
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