炉辺の風おと の商品レビュー
八ヶ岳に山小屋を購入するところから、植物や野鳥のことを主にしたエッセイ。 梨木さんの自然への思いや視点が丁寧な文章で綴られており、共感したり気づきがあったりと、ゆったりしながらも濃い読み応えでした。 後半はコロナ禍や政治のことは割と辛辣に書かれていることがあったし、お父様の...
八ヶ岳に山小屋を購入するところから、植物や野鳥のことを主にしたエッセイ。 梨木さんの自然への思いや視点が丁寧な文章で綴られており、共感したり気づきがあったりと、ゆったりしながらも濃い読み応えでした。 後半はコロナ禍や政治のことは割と辛辣に書かれていることがあったし、お父様の入院時の病院側の気配りの足りなさにはそれを読むだけで心を痛めることもあった。 全体を通して気楽に読めるものではなかったけれど、心の深くに残るものがたくさんあった、時折読み返したい一冊でした。
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「社会に不信や不安が渦巻いているときは、逃げるのではなく(逃げたらいつまでも付き纏われる)、その根本を見つめる姿勢を保ったまま、少し晴れやかになる生活のトーンを工夫しようと思う」 文中&帯より。 植物、鳥、小動物と交流しながらの、山小屋での穏やかでシンプル、温かで心のこ...
「社会に不信や不安が渦巻いているときは、逃げるのではなく(逃げたらいつまでも付き纏われる)、その根本を見つめる姿勢を保ったまま、少し晴れやかになる生活のトーンを工夫しようと思う」 文中&帯より。 植物、鳥、小動物と交流しながらの、山小屋での穏やかでシンプル、温かで心のこもった暮らしを綴るだけでなく、コロナ禍突入以後の(それより少し前からの)きな臭い政治のことも、お父上が受けた理不尽な看護のことも触れられており、頷いたり、ハッとしたり。 梨木さんの生きる姿勢は私にとってロールモデルとなった。
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読後感(読んでる最中もそうだが)が素晴らしい。 まるでキャンドルの小さな炎みたいな、手触りの良い毛布みたいな、そういう、あたたかなものに、全身が包まれる。 そんな気持ちにさせられる作品だった。 梨木香歩さんの『裏庭』やその他のエッセイで、数年前にだいぶ救われたのだが、やはりこの...
読後感(読んでる最中もそうだが)が素晴らしい。 まるでキャンドルの小さな炎みたいな、手触りの良い毛布みたいな、そういう、あたたかなものに、全身が包まれる。 そんな気持ちにさせられる作品だった。 梨木香歩さんの『裏庭』やその他のエッセイで、数年前にだいぶ救われたのだが、やはりこの方の言葉は、すごくいい。 繊細で、でもなんだか、芯みたいなものを感じられる。 梨木香歩さんのなかで生まれた感情を、梨木さん自身が、さあ言葉にしよう!と、力んでいないから読みやすくもあり、頭でイメージしやすい。 この作品に記されていることすべてを、私のなかに取り込みたい。 そう、強く願った。頭に、手足に、心に。 染み込ませたい。 苦しいとき、また読み返したい。
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知性と想像力に圧倒される。古家に住んでいたご夫婦の関係性に強く憧れた。気配の交流。素敵な家。それらを感じ取る梨木香歩さんも、結局そこに住まわなかったいきさつまでも全てが素敵だった。 ご尊父の最後の話には胸が痛んだ。
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やはりこの人は静かに考え続ける人なんだな。ご家族のことを書かれた箇所は、強い怒りや疑問で埋め尽くされても仕方ないと思うのに、そうはならない。 こういう人に私はなりたい。
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梨木さんの日々の生活の観察力、深く考え、ピタリと言語化される力に敬服します。 鳥との関わり合いの話では、梨木さんの描写される鳥があまりに可愛くて、鳥の名前を検索しながら読みました。鳥や植物の世界を楽しそうに書かれていて本当に素敵だと思いました。
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世界の美しさと豊かさが、選び抜かれたと思われる言葉で綴られていて、文章を味わうことなくせかせかと読み飛ばすのはもったいない。 山の中で、鳥のさえずりを聞きながら、ひとり静かに思索に耽った気分になる。(著者の用意してくれた世界に連れて行かれるだけなので、完全に「気分」でしかないのだ...
世界の美しさと豊かさが、選び抜かれたと思われる言葉で綴られていて、文章を味わうことなくせかせかと読み飛ばすのはもったいない。 山の中で、鳥のさえずりを聞きながら、ひとり静かに思索に耽った気分になる。(著者の用意してくれた世界に連れて行かれるだけなので、完全に「気分」でしかないのだが。)動植物に詳しい人なら、私よりもっと、脳内で世界が広がるのだと思う。 時に挟まれる茶目っ気、現実的な各方面への正当な怒りや失望などにも共感しつつ、読了。
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2018年4月~2020年6月までの連載を纏めた一冊。 転地のための山小屋探し、薪ストーブ、鳥やリスとの遭遇、父親の介護の準備、コロナ禍。 梨木さんは自然との対話に長けている分、人とのやり取りは繊細過ぎるところもあり読んでいてはらはらしました。梨木さんは相当傷ついてしまったのではないか、と。しかし自然を愛する人なので傷つきながらも折り合いをつけて先に進んでいく様にこちらも励まされました。 薪ストーブのくだりは読んでいてほほう…となりました。家を建てるとき、一瞬考えたんですよね、薪ストーブ。すぐ諦めましたけど(笑 続刊もあるとのこと、とても楽しみです。
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「ものを置くことで自分自身のなにかが外部に投影されたよつに感じ」ると、落ち着きが得られるという意味のことを書いたが、気をつけなければならないのは、その「もの」がむやみと増えてしまうことである。自分自身の延長のように感じられる「もの」が、空間に氾濫しすぎると、自分濃度があまりに濃く...
「ものを置くことで自分自身のなにかが外部に投影されたよつに感じ」ると、落ち着きが得られるという意味のことを書いたが、気をつけなければならないのは、その「もの」がむやみと増えてしまうことである。自分自身の延長のように感じられる「もの」が、空間に氾濫しすぎると、自分濃度があまりに濃くなって、風通しが悪くなる。もしくは自分の核心が散乱してかえって薄まっていく。・・本当に伝えたいことをつたえるには、自分濃度を落とさなければならないときもある。
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