炉辺の風おと の商品レビュー
やはりこの人は静かに考え続ける人なんだな。ご家族のことを書かれた箇所は、強い怒りや疑問で埋め尽くされても仕方ないと思うのに、そうはならない。 こういう人に私はなりたい。
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梨木さんの日々の生活の観察力、深く考え、ピタリと言語化される力に敬服します。 鳥との関わり合いの話では、梨木さんの描写される鳥があまりに可愛くて、鳥の名前を検索しながら読みました。鳥や植物の世界を楽しそうに書かれていて本当に素敵だと思いました。
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世界の美しさと豊かさが、選び抜かれたと思われる言葉で綴られていて、文章を味わうことなくせかせかと読み飛ばすのはもったいない。 山の中で、鳥のさえずりを聞きながら、ひとり静かに思索に耽った気分になる。(著者の用意してくれた世界に連れて行かれるだけなので、完全に「気分」でしかないのだ...
世界の美しさと豊かさが、選び抜かれたと思われる言葉で綴られていて、文章を味わうことなくせかせかと読み飛ばすのはもったいない。 山の中で、鳥のさえずりを聞きながら、ひとり静かに思索に耽った気分になる。(著者の用意してくれた世界に連れて行かれるだけなので、完全に「気分」でしかないのだが。)動植物に詳しい人なら、私よりもっと、脳内で世界が広がるのだと思う。 時に挟まれる茶目っ気、現実的な各方面への正当な怒りや失望などにも共感しつつ、読了。
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2018年4月~2020年6月までの連載を纏めた一冊。 転地のための山小屋探し、薪ストーブ、鳥やリスとの遭遇、父親の介護の準備、コロナ禍。 梨木さんは自然との対話に長けている分、人とのやり取りは繊細過ぎるところもあり読んでいてはらはらしました。梨木さんは相当傷ついてしまったのではないか、と。しかし自然を愛する人なので傷つきながらも折り合いをつけて先に進んでいく様にこちらも励まされました。 薪ストーブのくだりは読んでいてほほう…となりました。家を建てるとき、一瞬考えたんですよね、薪ストーブ。すぐ諦めましたけど(笑 続刊もあるとのこと、とても楽しみです。
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「ものを置くことで自分自身のなにかが外部に投影されたよつに感じ」ると、落ち着きが得られるという意味のことを書いたが、気をつけなければならないのは、その「もの」がむやみと増えてしまうことである。自分自身の延長のように感じられる「もの」が、空間に氾濫しすぎると、自分濃度があまりに濃く...
「ものを置くことで自分自身のなにかが外部に投影されたよつに感じ」ると、落ち着きが得られるという意味のことを書いたが、気をつけなければならないのは、その「もの」がむやみと増えてしまうことである。自分自身の延長のように感じられる「もの」が、空間に氾濫しすぎると、自分濃度があまりに濃くなって、風通しが悪くなる。もしくは自分の核心が散乱してかえって薄まっていく。・・本当に伝えたいことをつたえるには、自分濃度を落とさなければならないときもある。
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再読。日々を綴るエッセイの日常の豊かさにいつも憧れる。今回は医療の問題という今までにない切り口もあって、覚悟しておかなければならないことを示してもらった。
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作者の父との話がまだ読後も感情を整理しきれないほど地味に衝撃を受けた。自分の親もいつかあり得るかもしれないと思うと他人事ではない。
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