すぐに使える！ おもしろい人の「ちょい足し」トーク&雑談術 の商品レビュー

桑山元(著者)

2023/11/03

【概略】
　ちょい足しで大きな効果！これで雑談力 up！サラリーマン経験で強烈な光と影を経験し、その後に芸人・舞台俳優というキャリアを重ね、現在は話し方講師も行う筆者、その経験と研究に基づいた５６の雑談術を余すところなく紹介。コンセプトは「ちょい足し」。「あの時、こんなちょい足しができていたら・・・」と筆者自身の過去からのニーズに、現在の筆者が応える。

２０２３年１１月０１日　読了
【書評】
　まずは嬉しいビックリが！第６章のちょい足し３「たとえアドリブ」のコーナーに「喜餅」の名前が！電気料金の算定でデマンドという考え方があって、それを桑山さんは見事に満員電車にたとえて切り返しをされていらっしゃってて。その場にいた自分は、「凄いなこの人は！」なんて思ったんだよね。それ以来、桑山さんのご自身の高め方に感服しているというね。
　さて、本書そのものの話。まずは話し言葉をベースにして、且つ桑山さんご自身の体験を（＝ちゃんと自分の言葉で）加えながら説明をしてくださっているので凄く届きやすい。そしてネーミングの妙！やはり本質を抽出するのが得意なのだろうなぁ。
　本書の肝（≒コミュニケーションにおいて、自分は本書の中で一番じゃないかと思っているところ）は、冒頭の「お笑いコミュニケーション５ケ条」じゃないかと思う。もっというと「７割で話して、３割で次の展開を考える」が全てじゃないかと思う。３割の部分を創り出せると、本書で紹介されているトレーニングの伸びが変わると思う。ずっと７：３じゃなくて、たとえば契約書を（お客さんと一緒に）チェックする時とかは、８：２とか９：１とかにして（まぁ、この場合は集中を向ける先は契約書を読むことなのだけど）調節したりして。どうやってできるようになったのかな・・・確実に免許をとって交際してる女の子とドライブとかしてる時には、「うわっ、めっちゃマルチタスクやん！（当時は「マルチタスク」なんて言葉は語彙になかったけど）」って思ったなぁ。ナビとかなかったから運転しながら地図を見て、なおかつ会話をつなげないといけなかったから。
　「動物園の動物のストレス」や「お葬式理論」「逆説の罠」などなど、「おぉ、これは面白い！」と思ったところが沢山なのだけど、「やっぱりなぁ」と思ったのは、「ちょい足し」ながらその足す「エッセンス」を絞り出すことができるようになるには、反復練習が必要なのだなぁと再認識したね。たとえば「レッテル遊び」「スリーワードトレーニング」「ブラジルトーク」などは一朝一夕にはいかないし、意識をしないと続かないしね。この辺りは、喜餅にとっては「今はまだ」開発されていない分野だと思う（笑）
　話すこと・伝えることをもっともっと磨きたい、もっと上手になりたい・・・なんて思っている方、きっとその方の立ち位置、目的地における地図の上にどこにいるかって、それぞれ違うと思う。この本は色んな立ち位置の人達それぞれに合った学びを与えてくれると思う。