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誇張、省略、描き換え… 地図は意外とウソつき の商品レビュー

3.8

6件のお客様レビュー

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2024/04/02

「地図は意外とウソつき」ったって、道路が集中すると位置をずらして描いたり図法で面積や方角がずれるのは常識でしょう、大げさな……と思いながら読み始めた本ですが、内容としてはそういう一般的な地図で表現しきれない話のほかに、デジタル化によって新たに加わった問題点も書かれていました。 自...

「地図は意外とウソつき」ったって、道路が集中すると位置をずらして描いたり図法で面積や方角がずれるのは常識でしょう、大げさな……と思いながら読み始めた本ですが、内容としてはそういう一般的な地図で表現しきれない話のほかに、デジタル化によって新たに加わった問題点も書かれていました。 自分には後者の方が目新しい話なのもあって参考になりました。デジタル化の影響で大事なものが重なりそうな時は少しずらして表示する技が封印されてしまうのは気づいてなかったです。 単純にデジタル化で省力化万歳とならないのも面白いですね。

Posted byブクログ

2024/03/20

デジタル地図には縮尺がない、縦方向に重なっているもの(道路とか)は表現できない、などはたしかになるほど。からの、序章でいきなり、そもそも球体(地球)を平面の地図にすることに無理があるのだという展開に唸らされる。

Posted byブクログ

2023/12/07

地図学の一端に触れられる内容。とても奥が深い。 単に記載の仕方の工夫ではなく、様々な科学技術が関連している。 GNSSが地図を単に正確にするわけではないという点、等。 読了90分

Posted byブクログ

2023/12/03

「誇張、省略、描き換え」とは、広告ならジャロに連絡したくなるが、地図の話だった。 ウソと言っても、水増し請求何ていうあくどいことではない。 地図は「現実世界のコピー」ではないと著者は述べている。 よく考えたら、分かりやすくするために記号で「加工」して...

「誇張、省略、描き換え」とは、広告ならジャロに連絡したくなるが、地図の話だった。 ウソと言っても、水増し請求何ていうあくどいことではない。 地図は「現実世界のコピー」ではないと著者は述べている。 よく考えたら、分かりやすくするために記号で「加工」している。 それで騙されたと怒り狂う人はいないだろう。 鉄道路線図は、デフォルメ地図の好例として取り上げている。 地図がウソつきと言うなら、中世ヨーロッパの地図の方がウソの塊だ。 得体のしれない怪物を描いているのはいい例だ。 最初に見た人から怪物を描いた人に伝わるまで、一体何があったのかと思う。 地図の世界も奥が深いなあ。

Posted byブクログ

2023/12/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

デジタル地図では、縮尺に代わって地図情報レベルが使われる。256×256ピクセルのタイルを4分割してズームレベル18まで用意している。メルトカル法を採用する。 空中写真測量。上から見えない三角点などは、木の上に登って対空標識を設置する。図化機をつかって図化する。 デジタル地図ではベクトルデータのほかに、細かいデータを付属させる。 トンネルは管理者から図面を提供してもらう。 国土の面積は、地図を細かくすると増減する。2万5千分の1から2500分の1に変更した。地図にはフラクタル性がある。正確な海岸線の長さはわからない。縮尺によって違う。 メルトカル法は緯度と経度が直交して、角度が正しいが面積は正しくない。 正距方位図法は、方位と距離が正しく表現される。ただし地図の中心だけ。「どこでも方位図法」「ウェブ地図で大圏航路を表示する」 Googleマップでは北緯南緯85度以上は無視している。 高潮の危険性。高潮ハザードマップを見る。そのほかに洪水ハザードマップ、内水ハザードマップ。「重ねるハザードマップ」 旧版地図は昔の地形がわかる。河川改修のあとなど。「今昔マップ」 住宅地図の全身は「火災保険特殊地図」繁華街中心。 広告モデルの街角の住宅地図。 ゼンリンが全国レベルで本格化。別府市住宅案内図が最初。個人情報はオプトアウトの規定を利用している。本人が反対しない限り同意したことになる条項。申し出があった場合は消す。 国土地理院はヤマップ、ヤマレコのビッグデータを使って登山道を訂正している。 登記所備え付け地図=公図。GISで使えるXMLデータで提供されている。 六本木ヒルズは17年かかっているが地籍調査だけで4年かかった。地図混乱地域も多い。 民間ではゼンリンとジオテクノロジーズ。オープンストリートマップ=地図版wikipedia。 ビニールハウスをどう記載するか、自治体で異なる場合がある。みかん用のモノレールはどうするか、など。 Googleのマイマップ。大島テルのWEBサイト。破産者マップは公開から4日で閉鎖された。 アメリカのGPS、ロシアのGLONASS、EUのガリレオ、中国が北斗、日本はみちびき。 2002年世界測地系を導入した。GRS80楕円体というモデル。 現在の統計35度は、天文科学館の西120mにある。 総錨=必要に応じて省略する方法。紙の地図を前提としたもの。真位置地図へと変更された。 GPSの精度があがっても、地図の精度があがらないと活用できない。マップマッチングでナビを道に合わせている。 GPSは地球上の絶対点をはかっている=日本列島が動くと少しずつ変わる。プレート上にあるから。オーストラリア、ニュージーランドも同じ。ゼミダイナミック補正で、補正している。 VLBIによってハワイと日本が年間6センチ近づいていることが分かった。 日本の氷河はGPSによって存在が確定した。動いていることが分かった。世界でもっとも温暖な地域に存在する氷河。 標高=楕円体高ージオイド高。ジオイドは平均水面を伸ばしたもの。重力による位置エネルギーが等しい面。場所によって異なる。楕円体高は、地球を楕円体として捉えたときの高さ。 GISはQGISなどで入手可能。 ベクトルデータは、ポイントとラインとポリゴンデータ(閉じた形)。web地図は、バックグラウンドでGISが動いている。 地理院地図でもレイヤーが使われている。GISではレイヤーと属性で地図を表す。 ネーミングライツは地図作成にとって不都合な存在。 日本は住居表示と地番があって、それだけで地図無しでたどり着くことは難しい。 GISで迷子になった位置情報データは、アフリカ西部のギニア辺りにあることがある。緯度経度0度の場所は、座標系が定義されていないデータの墓場になっている。 地形ブームはDEMによって進化した。等高線ではなく格子状の標高値。航空機からレーザーを当てて標高をはかり、木やビルの高さを引く。5m間隔で公開されている。 地図の陰影は、北西から光が当たっているように作られている。南から陽を当てると、谷と尾根を逆にして見えてしまう。

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2023/11/26

地図が「現実世界のコピーではない」ということはぼんやりとは考えたことのある話だが、航空写真と地図の違い(オルソ画像への正射変換が必要)など、現実とのズレに関する事例がたくさん挙げられていて面白かった。地図のデジタル化により細部がより見えてきたことで、大まかな面積の測り方だったとこ...

地図が「現実世界のコピーではない」ということはぼんやりとは考えたことのある話だが、航空写真と地図の違い(オルソ画像への正射変換が必要)など、現実とのズレに関する事例がたくさん挙げられていて面白かった。地図のデジタル化により細部がより見えてきたことで、大まかな面積の測り方だったところに、正確な海岸線の描写が組み込まれることで、陸地面積が減少することになるのは興味深い。正距方位図法やメルカトル図法の長・短所を改めて理解し直したこと、GPSの登場による「利用者」の登場(読むものとしての地図から、(意識せず)使うものとしての地図)、ハザードマップの誤解されるという欠点、破産者マップ・感染者マップなど倫理面に関わる問題など、各論のテーマも面白かった。 地図・位置情報データを活用したサービス例でお天気アプリの話があったので、その難しさに触れることができたのはよかった。最近では自動運転技術向上のために、車輪やガードレール、道路標識といった様々な情報がセンチメートルレベルで整備されているようで、それらを反映した地図が「高精度3次元地図データ」として使われていることも知り、これまで以上に作成・リアルタイム更新の重みが増していることを理解した。 この20年程度で無意識の間に地図との関わりがものすごく大きく変わったなあと、学生時代の地図帳を眺めながらぼんやり考えている。

Posted byブクログ