日本史で読み解く「世襲」の流儀 の商品レビュー

河合敦(著者)

2024/02/25

偉人でもなのか？偉人だからなのか？後継ぎを育てる難しさがよくわかる。まあ、継ぐ方も色々と大変なんだろうが。親鸞の話がイチバン印象的だったかな。

2024/09/03

日本史ー引き継ぎケーススタディの宝庫
天下統一の事業承継：
徳川家康ー徳川260年の繁栄
豊臣秀吉ーお家安泰の最適解
お家存続・現実主義思考：
細川忠興ー冷酷なお家中心主義
九鬼嘉隆ー究極のヘッジ戦略
伊達政宗ー疑惑の勘当劇・伊達騒動
家訓の力：
毛利元就ー三本の矢
北条氏綱ー五カ条の遺訓
西川家ー近江商人の掟
教えの継承の理想と現実：
親鸞ー子には届かず父の教え
吉田松陰ー維新の精神・指導法
血の伝統との葛藤：
藤原不比等ー皇室戦略
孝謙天皇ー皇統最大の危機
後醍醐天皇ー天皇親政への執念
二代目教育：
岩崎弥太郎ー戦国大名の後継術
渋沢栄一ー失敗した子育てのツケ

2023/11/23

徳川家康、豊臣秀吉、など歴史上の人物の「跡継ぎ」のしかたを解説。

「どうする家康」１１月放送では、関ケ原に遅れた秀忠を家康が家臣たちの前で糺すと、榊原だったか本多だったかが、「殿、家臣たちの前で秀忠様をあのように糾弾するのはよくありません」と家康を諫める場面があった。

河合氏は、秀忠は家康のようなカリスマ性のないことは自分で一番わかっていて、父を崇敬し言動を見習った、とある。しかし家康死後は、にわかに豹変し、武家諸法度を楯に家康の側近だった本田正純や弟の松平忠輝、外様の福島正則などを立て続けに改易し、「凡庸な二代目」とタカをくくっていた諸大名を震え上がらせた、とあった。さらに後水尾天皇の紫衣事件で幕府の上位を朝廷に見せつけた。家康の遺産を用いて秀忠は幕府の権威を高めた。そういった意味では家康は見事に事業継承に成功した、とあった。

ほかに、豊臣秀吉、細川忠興、九鬼嘉隆、伊達政宗、毛利元就、北条氏綱、西川家、親鸞、吉田松陰、藤原不比等、後醍醐天皇、岩崎弥太郎、渋沢栄一。

１代目と２代目、当たり前だが、時代と周りの人物、とにかく環境がちがっているのだ、という感を強くした。その中でどう生きるか。歴史上の偉人でなくとも市井の凡人も生まれた時代に生きている、ということか。

2023.11.1第１刷　図書館