言語哲学がはじまる の商品レビュー
フレーゲ、ラッセル、ウィトゲンシュタインの言語哲学の考え方を、かなり優しく解説してくれている本 言語哲学自体が難しいため、ちゃんと読まないとついていけなくなるけど、かなり噛み砕いて解説してくれていると思う。 人間はなぜ言語を理解することができているのか、新しい文章を次々に生み出...
フレーゲ、ラッセル、ウィトゲンシュタインの言語哲学の考え方を、かなり優しく解説してくれている本 言語哲学自体が難しいため、ちゃんと読まないとついていけなくなるけど、かなり噛み砕いて解説してくれていると思う。 人間はなぜ言語を理解することができているのか、新しい文章を次々に生み出せるのは何故かという疑問に対して、3人の哲学者たちの考え方がどのようなものなのか、過去の哲学者の何を否定しているのかということを非常に易しく書いてくれている。 初心者向け解説書だけども流し読みしているとあっという間に分からなくなるので、落ち着いて読むのがおすすめ
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野矢さんの哲学書はわかりやすい文体で書かれており好きなのだが、この本も同様。言語のあり方をとことんまで突き詰めれば哲学にいくのだろう。 登場するのはフレーゲ、ラッセル、ウィトゲンシュタインという3人の哲学者(フレーゲは初めて知りました…)。問いと答え、自らの疑問にツッコミを繰り...
野矢さんの哲学書はわかりやすい文体で書かれており好きなのだが、この本も同様。言語のあり方をとことんまで突き詰めれば哲学にいくのだろう。 登場するのはフレーゲ、ラッセル、ウィトゲンシュタインという3人の哲学者(フレーゲは初めて知りました…)。問いと答え、自らの疑問にツッコミを繰り返しながらウィトゲンシュタインに至る過程はスムーズで読みやすい。一方でかつウィトゲンシュタイン推しのための展開なのかなあと思わなくもない。あと、最初に否定されてしまった一般観念説がどうも引っかかる。わたしはありだとは思うが。
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フレーゲ、ラッセル、ウィトゲンシュタインまでの言語哲学の展開と転回を概観できる本。表現はカジュアルで易しいが、扱っている内容は言語哲学らしく簡単ではない。展開が特に盛り上がるところがなく、ウィトゲンシュタインの話が盛り上がってきたところであっさり終わってしまった印象。
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異なる哲学者をひとまとめに調理する辺りがお見事。ウィトゲンシュタインの専門家であるだけに、彼を優位に持ち上げている感は否めないが、フレーゲ、ラッセルについても、丁寧に書いている。また、野矢さんは初心者のように考察する傾向が強いので、なるほど、とか、そういうことだったのか、とか改め...
異なる哲学者をひとまとめに調理する辺りがお見事。ウィトゲンシュタインの専門家であるだけに、彼を優位に持ち上げている感は否めないが、フレーゲ、ラッセルについても、丁寧に書いている。また、野矢さんは初心者のように考察する傾向が強いので、なるほど、とか、そういうことだったのか、とか改めて気付かされるところも多かった。飯田隆さんの『言語哲学大全Ⅰ』は既読だったので、新鮮味は少なかったかもしれないが、その差分があっても星5つやっていいと思った。
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「ミケは猫だ」という言葉の意味は何か、といったところからスタートして、フレーゲ、ラッセル、ウィトゲンシュタインという3人の哲学者の思考をたどりつつ、言語哲学の根幹に関わる考え方に迫る。 本書は、著者いわく、言語哲学の入門書ではなく、言語哲学の「門前の小僧」と自称する著者が、自分が...
「ミケは猫だ」という言葉の意味は何か、といったところからスタートして、フレーゲ、ラッセル、ウィトゲンシュタインという3人の哲学者の思考をたどりつつ、言語哲学の根幹に関わる考え方に迫る。 本書は、著者いわく、言語哲学の入門書ではなく、言語哲学の「門前の小僧」と自称する著者が、自分が面白かった話を他に人に話したい、という動機で書かれた本だという。著者のノリツッコミで本書は進んでいき、著者が言語哲学の議論をすごく面白がっていることはとてもよく伝わってきた。 しかし、読んだ自分も面白く感じたかというと別問題で、何かずっと言葉遊びに言葉遊びを重ねている感じで、正直あまり面白さを感じられなかった。個人的には、最初のほうで否定された「一般観念説」が一番しっくりくるので、それを改良することでなんとかならないのだろうかと思う。
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本来は難解な問題が気楽に面白く読めるのは、とても良いと思う。 ただ個人的には、最初に批判されている一般観念説が何故ダメなのか、いまいち分からなかった気がする。太郎君とお父さんの会話のような事態はどの説でも起こり得て、会話を重ねることで差は埋まっていくけど完全一致したかどうかは分か...
本来は難解な問題が気楽に面白く読めるのは、とても良いと思う。 ただ個人的には、最初に批判されている一般観念説が何故ダメなのか、いまいち分からなかった気がする。太郎君とお父さんの会話のような事態はどの説でも起こり得て、会話を重ねることで差は埋まっていくけど完全一致したかどうかは分かりようがないのでは..? 文の意味よりも先に語の意味(心の中の一般観念)は決まらない、というのは分かる。でも語が心の中の一般観念を指すということ自体をなぜ否定できるのかは分からない。否定というより不要なんだろうけど、そうなのかな..? 言葉が心の外の対象を指せることの方が不思議で、説明が必要のようにも思える。
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フレーゲ、ラッセル、ウィトゲンシュタインという3人の天才哲学者の考えを、わかりやすい例えを使って記されている。 とにかく面白い。 著者と一緒に3人の哲学者の考えを、体感できたような気になる。きっと隅々までわかったわけではないと思う。 でも哲学が言葉を使ってなされる時に、どうしても...
フレーゲ、ラッセル、ウィトゲンシュタインという3人の天才哲学者の考えを、わかりやすい例えを使って記されている。 とにかく面白い。 著者と一緒に3人の哲学者の考えを、体感できたような気になる。きっと隅々までわかったわけではないと思う。 でも哲学が言葉を使ってなされる時に、どうしてもぶつかる様々な事柄を乗り越えていくことを、まるで自分自信でしている錯覚に陥るような気にさせられる。 最後のウィトゲンシュタインの言葉、 「言葉はただ生の流れの中でのみ意味をもつ。」 は、読後の興奮した心に染み入るようだった。
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いわばウィトゲンシュタインのファンブック。 著者はフレーゲやラッセルは批判するのにウィトゲンシュタインは批判しない。 しかし、読者を言語哲学へ誘う役割は十分に果たしていると思う。読んでいてもどかしさが半端ないからだ。巻末には読書案内があるので参考になる。
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フレーゲ、ラッセル、ウィトゲンシュタインの議論をもとに、言語哲学について論じている。 新たな意味を持った文を無限に作り出せるのはなぜかの問から、言語で何が指示されているのか等の議論が展開された。 可能性のある事態は無限にあって、それを示す語の組み合わせは無限。でも、そのなかで...
フレーゲ、ラッセル、ウィトゲンシュタインの議論をもとに、言語哲学について論じている。 新たな意味を持った文を無限に作り出せるのはなぜかの問から、言語で何が指示されているのか等の議論が展開された。 可能性のある事態は無限にあって、それを示す語の組み合わせは無限。でも、そのなかで実現している事実は限られているみたいなことが最後の方で書かれていたような。 ゆっくり議論を進めていてわかりやすかったけど、理解するにはもう何度か読む必要がありそう。
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内容自体が難解なんだろうけど、もう少しわかりやすく説明できたのではないか…と思います。 読者に語りかけながら説明する口語文体なのは読むハードルを下げてるのだろうけど、それを意識にしすぎて全体的に余計な言葉が多いというか…。説明を丁寧にしようとしすぎてかえってまどろっこしいと感じて...
内容自体が難解なんだろうけど、もう少しわかりやすく説明できたのではないか…と思います。 読者に語りかけながら説明する口語文体なのは読むハードルを下げてるのだろうけど、それを意識にしすぎて全体的に余計な言葉が多いというか…。説明を丁寧にしようとしすぎてかえってまどろっこしいと感じてしまいました。 必ずしも言葉を足すことが丁寧な説明になるとは限らなくて、むしろ短く端的に説明する方が理解しやすい場合もあるということを示す良い例ですね。 書かれていること自体は面白かったです。
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