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クリエイティブデモクラシー の商品レビュー

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2024/02/19

まずは民主主義とはどんなものか、一般的には選挙があるが、選挙以外にもみんなの生活の中にたくさん民主主義が潜んでいることを意識し、特に「買い物は投票である」と、いいキャッチフレーズで説明していました。 その選挙も投票したら、あとは当選した人にお任せしてしまうのが現状です。 どの政党...

まずは民主主義とはどんなものか、一般的には選挙があるが、選挙以外にもみんなの生活の中にたくさん民主主義が潜んでいることを意識し、特に「買い物は投票である」と、いいキャッチフレーズで説明していました。 その選挙も投票したら、あとは当選した人にお任せしてしまうのが現状です。 どの政党か、どんな政策か、どんな公約かなどから選びがち。しかし本当は自分はこうしたい、自分の周りはこんなに困っているなどを元々心の中に描いた理想が、選挙に値するのかを考えることが選挙であり、民主主義なのかもしれません。 では自分の心の中にある内発的なものはどのように宿るのか、どのように生計していくのかが鍵のようです。 次にその自分の思っていることは、果たして本当に正しいのか。 みんなもそうしているから、法律だから、データがあるから、科学的根拠があるから、論文が発表されたから正しいと言えるのか。 歴史を見れば人間はたくさんの失敗を繰り返して成熟しているようです。今もその途中なのかもしれません。 とするとそもそも正しいとは何か、正しいとは存在するのかを考え、國分功一郎のような哲学的要素も出てきました。 選挙以外で民主主義を考えると毎日の買い物でさえ十分なアクションにつながるようで、 社会を変えるのは、大きなアクションをしていくことではなく、身近な地域(ローカル)で困っている人やもっと街を良くしたいをみんなで考え、みんなでデザインしていくことを試行錯誤していく。 そこにはソーシャルコモンズの話しも出てきて、斎藤幸平さんが提唱している共有財産のことにもつながっている気がしました。 「一人ひとりが実験していける社会」というスローガンをもとに、民主主義とは国民みんながデザイナーであり方向修正しながら困っている人を助けて、良い社会を目指していくことのようです。 そうすると既存のデザイナーの仕事は無くなるのか、その疑問の答えがこの本の肝だったと思いました。 都市部でクリエイティブの仕事をしている方で、自分のしているデザインが、より美しく見せたり、より美味しく見せたり、よりお得に見せたり、戦後から続いているプロパガンダのような表現が、どこかおかしいと感じた方は是非参考になると思います。 わたしもそろそろデザインの方向転換をするときがきたのかなと、今後の課題にしていきたいと思います。

Posted byブクログ