日本人の仏教史 の商品レビュー
日本の仏教の歴史が語られる際にはどうしても祖師の偉業と宗派の発展や時の政権との関係が中心となるが、それらの要素を成り立たせているにもかかわらず軽視されている庶民のうちに浸透していた信仰やその実践がいかに重要で豊穣であるかを思い知らされた。聖(ひじり)・山伏・遊行者などの名も無き仏...
日本の仏教の歴史が語られる際にはどうしても祖師の偉業と宗派の発展や時の政権との関係が中心となるが、それらの要素を成り立たせているにもかかわらず軽視されている庶民のうちに浸透していた信仰やその実践がいかに重要で豊穣であるかを思い知らされた。聖(ひじり)・山伏・遊行者などの名も無き仏教者によって取り入れられた仏教が古代からの庶民の祖先信仰・山岳自然崇拝から置き換わる状況にはならず、その形態を保全・強化していくものとなったことが良く分かった。
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