きみのお金は誰のため の商品レビュー
中学2年生で定食屋の子ども・佐久間優斗、外資系投資銀行で働く若い女性・久能七海、大きな屋敷に住む謎の初老の男性・ボスの3人による物語。優斗は大きな屋敷に用のあった七海を道案内し、それをきっかけに七海と2人で屋敷の主のボスの話を聞くことになる。優斗と七海の2人は、ボスに教わりながら...
中学2年生で定食屋の子ども・佐久間優斗、外資系投資銀行で働く若い女性・久能七海、大きな屋敷に住む謎の初老の男性・ボスの3人による物語。優斗は大きな屋敷に用のあった七海を道案内し、それをきっかけに七海と2人で屋敷の主のボスの話を聞くことになる。優斗と七海の2人は、ボスに教わりながら、お金の正体について学んでいくのであった。 本書は物語形式でお金について学べる本となっている。全体的なストーリーの構造は『13歳からの地政学―カイゾクとの地球儀航海』とかなり似ていて、1人の先生役と2人の生徒役という構図で対話が進む。”お金に対する見方が変わる”という点では新たな気づきがり、固定観念を覆すきっかけとなる良い本だと思う。しかし、お金の話をビリヤードや水の流れに例える場面があったり、文学的な描写がところどころ織り交ぜられたりして、かえってそれが説明を分かりにくくしているような印象を受けた。ボスの話は美化されているように感じ、納得いかない部分も少しあった。 エピローグに設けられた話のオチは良かった。感動的な締めくくりとなっていて、読後感は悪くない。現実にお金を稼いでいる大人は性に合わない人もいるだろうが、中高生には社会・経済の学習としてぜひ読んでもらいたい。 本書で印象に残った話 - 国立銀行が円の紙幣を発行し始めたのは1837年。地租改正の年である。税は米でなく紙幣で納めることになり、国民は紙幣を必要として紙幣が急速に普及した。お金自体には価値がないが、税の導入によってお金が回りだすのである。 - フランス革命の頃と違い、金銭的格差はあっても暮らしぶりの格差はそれほど大きくない。今の大富豪たちは、スマホ、検索エンジン、SNS、ネット通販などの暮らしの格差を縮めるサービスを提供した会社の創業者であり、単に自分の立場を利用してずるく儲けるお金持ちではない。 - アメリカの経済学者・フリードマンは「この鉛筆を作れる人は世界に1人もいない」とスピーチで言った。木やそれを切り倒すためのノコギリ、芯に使われるグラファイト、頭の部分の消しゴム、接続部分の金属、塗料やそれを定着させる薬剤など、異言語、異宗教の何千人もの人々が協力して市場経済を作り上げているのである。
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https://str.toyokeizai.net/books/9784492047354/ , https://note.com/mnbtauchi/
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先に小5の子供が読んでて、「お金が欲しい」とばかり言っていた子供のお金の考え方が変わったようだったので、私も読んでみました。 私自身も勉強になって良かったです。 国の借金の話や格差の話はよく分かりました。
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お金と人の繋がりは本当はどういうものなのか、自分たちが働いているその時間は誰のためになっているのか、自分の持っているお金は本当に自分のものなのか、誰のものなのか、、働くことの真実を追求しお金の正体を知れる読まれるべき本。
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お金の向こうを見ながら生てきたら、今の自分はどう違っていたのか、なんてことはわからない。 でも今からしっかりお金の向こうがわにある沢山の笑顔を見ながら生きてくことは出来る。 人のために何かしたいと頑張れば頑張るほど踏みにじられるような気がしていたけど、もしかしたらそれは本当は「自...
お金の向こうを見ながら生てきたら、今の自分はどう違っていたのか、なんてことはわからない。 でも今からしっかりお金の向こうがわにある沢山の笑顔を見ながら生きてくことは出来る。 人のために何かしたいと頑張れば頑張るほど踏みにじられるような気がしていたけど、もしかしたらそれは本当は「自分の為の人の為」だったからなのかもしれない。あらためて誰かのために何かするってどういうことなのかなと考える機会になる本でした。
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経済学を学んでこなかった私には、目から鱗だった。 そう思うことが既にお金の奴隷になっているということなんだろう。 なかなか視点を変えることは難しいけれど、この本に書かれている考え方ができたら、少しは未来が明るくなるかな。 誰かのためにある社会、そんな考え方を普通にできる人になりた...
経済学を学んでこなかった私には、目から鱗だった。 そう思うことが既にお金の奴隷になっているということなんだろう。 なかなか視点を変えることは難しいけれど、この本に書かれている考え方ができたら、少しは未来が明るくなるかな。 誰かのためにある社会、そんな考え方を普通にできる人になりたい。
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思ってたよりよかった〜! お金の使い方とか増やし方ではなく、それ以前のもっと根本的なところをわかりやすく伝えてくれる。 私もお金の奴隷になってるな。 少し見方を変えるだけで、私たちが動かすお金が未来に繋がると考えられるんだな。
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【あらすじ】 ある大雨の日、中学2 年生の優斗は、ひょんなことで知り合った投資銀行勤務の七海とともに、謎めいた屋敷へと入っていく。そこにはボスと呼ばれる大富豪が住んでおり、「この建物の本当の価値がわかる人に屋敷をわたす」と告げられる。その日からボスによる「お金の正体」と「社会のし...
【あらすじ】 ある大雨の日、中学2 年生の優斗は、ひょんなことで知り合った投資銀行勤務の七海とともに、謎めいた屋敷へと入っていく。そこにはボスと呼ばれる大富豪が住んでおり、「この建物の本当の価値がわかる人に屋敷をわたす」と告げられる。その日からボスによる「お金の正体」と「社会のしくみ」についての講義が始まる 。 ・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆ NISA制度が導入され、一般家庭にも「投資」が広く普及してきた令和の現代。お金のために短絡的な思考に走り、闇バイトのような変な事件も増加しているように感じます。そんな現代に生きる私たちが、この社会をみんなで良くしていくためのヒントについて、この本は言及していると思いました。「きみは何のために働いているのか?」と問われたら、私自身も「自分のために」「お金を稼ぐために」という回答をしてしまうと思います。まさに“お金の奴隷”ですね。これからは、「自分のお金の使い方は社会に対してどのように役に立っているのかな」ということを心の片隅で意識してみようと思いました。 あと、感想を書いている途中で気付いたのですが、「過去から現在、現在から未来への贈与」って、別にお金に限った話ではないですよね。他人に親切にする気持ちのような「個人個人の思いやり」や、日本の世界トップクラスの安全性のような「国・地域の文化」みたいなものも、お金と同じ財産として、未来の社会を形作る重要なものなのではないかと思いました。わかりやすいように「お金」をテーマにしただけで、この話の本質はお金ではなくもっともっと広い範囲に行き渡るものなのだと感じました。
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多くの人がお金のために働き、お金に感謝する。 年収が高ければ偉いと思い、貯金が多ければ幸せやと感じる。生活を支えるのはお金やと勘違いして、いつしかお金の奴隷に成り下がるんや! これ、まさに、自分。。。 いきなり殴られた感じ。 問題を解決しているのはお金自体ではなく、お金を受け...
多くの人がお金のために働き、お金に感謝する。 年収が高ければ偉いと思い、貯金が多ければ幸せやと感じる。生活を支えるのはお金やと勘違いして、いつしかお金の奴隷に成り下がるんや! これ、まさに、自分。。。 いきなり殴られた感じ。 問題を解決しているのはお金自体ではなく、お金を受け取る人々 パンにありつくためには、個人であればお金を貯めることには意味があるが、全体で考えると、みんなでお金を貯めても何の解決にもならない。 パンを作るために投資すべき! アフリカの貧困国に寄付をしてもダメ。 彼らが働いて、モノを作って、その対価が得られるような仕組みを作ってあげないと。。 経済格差は、フランス革命レベルまで広がっている。バス一台に乗る富豪の資産が36億人の資産と等しい。。。でも、暮らしぶり、にフランス革命ほどの差はない。スマホは、大富豪も低所得者も同じようなモノを使い、そこから得られる情報、YouTubeで世界に広められる機会も、同じ!そんな機会を作った人が、バスに乗る富豪だ!
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
どこか綺麗ごとに感じる"社会の為に働"こと。 それがどういうことかを考えさせられる1冊。 最終章の結論に向けてお金とは何かを説明していく形式なので、2週読むといい本ですね。 ・社会とは、人それぞれ違う"僕たち" ・最小単位は愛する人や家族。家族と共に"僕たち"が幸せでありたいと思うのはごく自然なこと。 ・(仮に自分がいなくなっても、)家族が生きていく社会がよりよい方がいい。 ・"僕たち"を地域社会や世界、過去や未来の人たちを含めて捉える為には、自分から社会に関わり、お金ではない価値を生み出し続けることが必要 これらの結論を導く為、以下のようなことが序章では語られる。 ・お金は全体の中では価値がない。 →家族で作った通貨で(中)でやりとりしあっても、外からは何の意味もない。中の範囲を広げても同じ。 ・実際に助けてくれるのはお金ではなく人。 ・お金の価値と嬉しさなどの価値は別物 →社会の為に価値を提供することでお金は貯まる ・お金(水)の流れの中で溜まりやすいところもあれば溜まりにくいところもある。 ・格差をなくすために税金があり、公平に雨を降らす。 ・お金もちとの差は減っている。スマホなど使っているものは結局同じ。 ・お金を貯めても意味がない。高齢化社会をみんなで支える事実は変わらない。 →生み出す価値を国としていかに高めるかが大事。 心に留めておくのが難しい概念だが、これを意識し実践できるようになれば、お金にとらわれず生きられるのだろう。
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