声の地層 の商品レビュー
語りを聞くことは、人がみな一様ではないことを知ることだと思った。同じ時代を生きていても、同じ災害を経験しても、捉え方はさまざまで、ひとつだって切り捨てていいものはない。 それを知って、そして忘れなければ、人を数だと捉えたり、自分のために大勢殺しても何とも思わない、なんてことは絶対...
語りを聞くことは、人がみな一様ではないことを知ることだと思った。同じ時代を生きていても、同じ災害を経験しても、捉え方はさまざまで、ひとつだって切り捨てていいものはない。 それを知って、そして忘れなければ、人を数だと捉えたり、自分のために大勢殺しても何とも思わない、なんてことは絶対になくなると思う。 もういない人の声を想像すること、思いを馳せることもまた、「聞く」ことではないか、そうあってほしい、と思う。
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ふだん高齢者の方に話を聞く機会が多いわたしは、何度も「あぁ今とても大事な話を手渡された。今日の話、残しておきたい。世の中の誰かを救うかもしれない」と直感的に感じることが多かった。 ふとした会話から知るその人の歴史、自宅の随所に垣間見える生活と家族の歴史、とてもささやかな日々の楽し...
ふだん高齢者の方に話を聞く機会が多いわたしは、何度も「あぁ今とても大事な話を手渡された。今日の話、残しておきたい。世の中の誰かを救うかもしれない」と直感的に感じることが多かった。 ふとした会話から知るその人の歴史、自宅の随所に垣間見える生活と家族の歴史、とてもささやかな日々の楽しみや工夫。たくさん受け取った。 なのに、わたしは結局なにも残せなかった。残したつもりでいたのに、忘れてしまってる。 この本は災禍や戦災に関する内容だけど、大きくは繋がっている気がする。 文字に残し、伝えることの意味を考え、受け取った気がする。
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