ケンブリッジ大学の途切れた原稿の謎 の商品レビュー
「ウィンダム図書館の奇妙な事件」の続き物。保健師イモージェン・クワイが主人公。前回よりはすっきりと読めました。数学者サマーフィールドの自伝を、同居者のフランが代筆することになったことから話は始まる。よくよく調べれば自伝を書く人たちが次々と行方不明や死んでいることが発覚。イモージェ...
「ウィンダム図書館の奇妙な事件」の続き物。保健師イモージェン・クワイが主人公。前回よりはすっきりと読めました。数学者サマーフィールドの自伝を、同居者のフランが代筆することになったことから話は始まる。よくよく調べれば自伝を書く人たちが次々と行方不明や死んでいることが発覚。イモージェンがおせっかいでいろいろ調べているうちに。。。という話でした。冒頭のキルト同好会がどのように話が繋がっていくのか分からなかったけど、最後はみごとに着地しました。学位を持っていたとしても今はフツウの主婦として、さらに昔は大学を出ても学士として認めてもらえなかったという理不尽な女性への圧力が背景として書かれており、まだまだ性差別が残る日本でも痛感してしまう内容でした。翻訳されたのは最近だけれど、この本が出版されたのは1990年代。だから今のイギリスではもう少し改善されているかもしれない。犯人はどちらかというと、あれ?こんな人いたっけというくらい存在感がなかったけど、読み返してみればさもありなんという偏見の持ち主でした。 あまり期待していなかったけど、続きも翻訳されるらしいので楽しみ。
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シリーズ第二弾。 ケンブリッジ大学のカレッジ・ナース(学寮付き保健師)・イモージェンの家に下宿する学生・フランが、担当教授のゴーストライターとして、今は亡き数学者・ギデオンの伝記を執筆することに。 ところがその伝記は、前任の執筆者たちが死亡や行方不明などで次々と頓挫していた曰く...
シリーズ第二弾。 ケンブリッジ大学のカレッジ・ナース(学寮付き保健師)・イモージェンの家に下宿する学生・フランが、担当教授のゴーストライターとして、今は亡き数学者・ギデオンの伝記を執筆することに。 ところがその伝記は、前任の執筆者たちが死亡や行方不明などで次々と頓挫していた曰くモノで・・・。 今回はいきなり死体が発見された前作と異なり、序盤は穏やかなのですが、件の数学者の経歴の不可解な部分を追求していくうちに、色々不穏になってきて結果事件と繋がっていくという展開です。 冒頭でイモージェンが友人達とパッチワークの制作している場面があり、その後もパッチワークキルトのテキスタイルについてのパートがあったりと、“何だかパッチワークに結構ページ割いているな・・”とパッチワークといえばキャシー中島さん(?)位しか思い浮かばない私は、その部分を斜め読みしそうになったのですが、後半でこのパッチワークの図案が謎解きのカギになったので、実はちゃんと繋がっておりました。 というわけで、イモージェンがフランの為に謎を解明すべく奔走するのですが、その間学生の不正疑惑のとばっちりを受けたり、調査の為に訪れた農場で大怪我を負わされたりと、結構受難でお気の毒でした。 そんな災難を受けながらも、様々な布石をちゃんと真相につなげていくイモージェンは流石です。 終盤はちょっとハラハラしましたが、友人の巡査部長・マイケルの協力もあり、事なきを得て良かったですね。 あと、最後にちょっとしか登場しませんでしたが、今回のキーマン(ウーマン)だったと言える、ヴィお婆ちゃんが素敵で、お婆ちゃんの輝かしいラストも清々しくて良かったです。 カレッジの伝統的な雰囲気を楽しめるのも魅力なこのシリーズ。 解説を読むと、原書の方ではさらなる続巻が出ているようなので、翻訳を心待ちにしております~。
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前作よりは背景に納得できる。伏線に整理があったらな、とは思うものの←超偉そう なかなかのまとまり。いかにもありそうな感じでした。特によかったのはラストシーン。人生最後にこの風景が見られたこと、自分のことのように嬉しかったです。
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ケンブリッジ大学の学寮の保健師イモージェンが主人公のミステリーシリーズ。 舞台が大学だけに、教授や院生が入り乱れて謎を深めて行くのを、素人探偵と化したイモーが友人のスコットランドヤードのマイクの助けを借りて殺人鬼を明らかにしてゆく。 始めのバザー用のキルト作りや、院生のカンニング...
ケンブリッジ大学の学寮の保健師イモージェンが主人公のミステリーシリーズ。 舞台が大学だけに、教授や院生が入り乱れて謎を深めて行くのを、素人探偵と化したイモーが友人のスコットランドヤードのマイクの助けを借りて殺人鬼を明らかにしてゆく。 始めのバザー用のキルト作りや、院生のカンニング事件等、伏線と構成がしっかりしていて面白かった。
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