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ゼロから始めるジャック・ラカン の商品レビュー

4.5

8件のお客様レビュー

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2024/09/16

まだまだ分からない部分が多く、またどこかの岐路で読み直したいと思う。 でも不思議と生きていく勇気をもらえた。 すべての人には特異性というそれぞれの幸福がある。 過度に一般化すること、抽象化することに意識を傾け過ぎていたなと感じた。 読む前と読み終わってからとでは、見え方が変わった...

まだまだ分からない部分が多く、またどこかの岐路で読み直したいと思う。 でも不思議と生きていく勇気をもらえた。 すべての人には特異性というそれぞれの幸福がある。 過度に一般化すること、抽象化することに意識を傾け過ぎていたなと感じた。 読む前と読み終わってからとでは、見え方が変わったと感じる。 全体的に色が鮮やかに濃くなる感じ。 この感覚を忘れずに生きていきたい。

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2024/06/23

ラカンの理論は勿論容易ではないのだけど、書かれてあることは、今まで私の人生において実感してきたことばかりだった。 我々が他者の世界に生きている限り、欲望は無限にズレていく。その不可能性に気付き、他者を神格化するのとは別の方法で「特異的な」幸福を見出さなければいけない。私が感じてい...

ラカンの理論は勿論容易ではないのだけど、書かれてあることは、今まで私の人生において実感してきたことばかりだった。 我々が他者の世界に生きている限り、欲望は無限にズレていく。その不可能性に気付き、他者を神格化するのとは別の方法で「特異的な」幸福を見出さなければいけない。私が感じている根本的な居心地の悪さは当然のもので、その特異性から生まれてくる無意識の主体と上手くやっていかなければならない。 まんま『血の轍』やん。「再生の風景」やん。 エヴァンゲリオンやん。精神分析まだまだインチキなんかやないと思う。 あとは空虚さのところとか、「もの」の体験で、最近読んだ椎名麟三とアル中らもを思い出した。アル中もヤク中も砂糖中毒も口寂しいだけなのかもしれんね。

Posted byブクログ

2024/06/16

■評価 ★★★★☆ ■感想 ◯精神分析は時間がかかるやり方であるし、自分で答えを見つけ出さないといけない。先生は話は聞いてくれて、たまに気付きや斜め上に発送を飛ばせそうな言葉に対してのヒントをくれるのみというのが新鮮だった。答えを求めていっても、答えは教えてくれない。自分自身の...

■評価 ★★★★☆ ■感想 ◯精神分析は時間がかかるやり方であるし、自分で答えを見つけ出さないといけない。先生は話は聞いてくれて、たまに気付きや斜め上に発送を飛ばせそうな言葉に対してのヒントをくれるのみというのが新鮮だった。答えを求めていっても、答えは教えてくれない。自分自身の葛藤の中で見つけなければいけないというのが一番の収穫だった。そのために精神科医は傾聴力、賛成も否定もしないで耐えて聞くということが重要ということなので、ストレスがすごい職業だなと思った。 ◯《もの》の体験によって享楽を得ることができるが、初めての体験が最高で、それを追い求めるけど到達できないという話があった。これはわかる気がする。サウナ・フルマラソン・性交渉など、初めてのこれだと思ったものは強烈で、後で思い返して享楽できるし2回目を追い求めるが、なかなか収穫隠遁の法則から抜け出せない。だから変化・改良改善を求めたり、べつの《もの》の体験をするんだと思う。中断して別のものに行くのは、暇つぶしや勉強としての態度としては非常に楽だなと思った。

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2024/05/13

入門書として分かりやすく丁寧で、思いやりがある本だった。《他者》の存在や「《他者》に裏切られた!」という気持ちがなぜ存在するのか、それらをどう理解し折り合いをつけるか、などを理論的に読め、気づきを得られたことは良かった。抱えてきたモヤモヤを言語化出来る素晴らしさがこの本にはあった...

入門書として分かりやすく丁寧で、思いやりがある本だった。《他者》の存在や「《他者》に裏切られた!」という気持ちがなぜ存在するのか、それらをどう理解し折り合いをつけるか、などを理論的に読め、気づきを得られたことは良かった。抱えてきたモヤモヤを言語化出来る素晴らしさがこの本にはあった。

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2024/03/12

『ゼロから始めるジャック・ラカン』 ようやく読了。 今まで自分がなんとなく抱いていた「精神分析」という単語からくるイメージは、ほんとうにいい加減なものだったんだなと実感した。 その人の生き方に迫っていく関わりは、診察の場面でも幾分当てはまるのではないか。厳密ではないにしても、一...

『ゼロから始めるジャック・ラカン』 ようやく読了。 今まで自分がなんとなく抱いていた「精神分析」という単語からくるイメージは、ほんとうにいい加減なものだったんだなと実感した。 その人の生き方に迫っていく関わりは、診察の場面でも幾分当てはまるのではないか。厳密ではないにしても、一般診療における精神分析的な医師と患者の関わり方に可能性を感じる。というより、大なり小なりそういった関わり方が、今の臨床現場でも自然発生的に起こっていることがあるのではないかと思った。 《他者》の承認に依存しない〈特異的な幸福〉。自分も見出していきたい。

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2023/11/20

 原著にあたることなく解説書から読み始めるときはいつも、映画の予告編やあらすじを勉強してから本編に向かおうとする時と同じような感じがする。本書も同様だ。他の人の解釈を通してその原著と向き合う。そのような他人色に染まった解釈のままで終えることがいかに多いか。良き解説者との出会いは次...

 原著にあたることなく解説書から読み始めるときはいつも、映画の予告編やあらすじを勉強してから本編に向かおうとする時と同じような感じがする。本書も同様だ。他の人の解釈を通してその原著と向き合う。そのような他人色に染まった解釈のままで終えることがいかに多いか。良き解説者との出会いは次への導きとなる。本書を手掛かりに原著者の文献に(もちろん日本語で)挑戦してみたい。また、手を広げることになってしまいそうである。

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2023/10/24

めちゃめちゃおもしろかった 《他者》の世界にいながら、《他者》とは関係のない幸せを探す 別の角度から、また人生の指針を上塗りされたような感覚

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2023/10/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

評判の高さを知り、単行本を買うかどうか迷っていたら文庫化した。 ソシュールとかを無駄に引き合いに出さない本。 偉い。 そして丁寧。 精神分析や現代思想にカブレていた十代。 ラカンはド真ん中だった。 何かの答えがあると思って。 中年になり再入門して、作者の所謂「居直り」をしているところだと気付く。 「シン・エヴァ」でさようならしたからかも。 人生の折り合い。 無限に先送りされる欲望。 永遠に遠ざかる風景。 遠い座敷。 仄めかし。 水で書いた名前はすでに蒸発した。 砂に書いた名前はすでに波でさらわれた。 シーツに遺された残り香。 熱で魘されていると、聞こえる何か。 何者かが、いや隣室で両親が、語らっているらしい。 気配。

Posted byブクログ