好き?好き?大好き? の商品レビュー
友人が好きな作品らしかったので読了。 いきなり泥を塗りつけられたような不快感とその塗りつけてきた本人が塗りつけたことを悪びれることもなくその行為に違和感を感じていないかのような不思議さを感じることが出来た気がする。 おそらく、読む人によって(その人が塗られた側なのか塗っている側な...
友人が好きな作品らしかったので読了。 いきなり泥を塗りつけられたような不快感とその塗りつけてきた本人が塗りつけたことを悪びれることもなくその行為に違和感を感じていないかのような不思議さを感じることが出来た気がする。 おそらく、読む人によって(その人が塗られた側なのか塗っている側なのか、塗りつけられたことがあるのかそうでないのか)感じ方は変わってくるのだろうとは思う。 この作品の魅力はこの不思議な感覚が鮮度をそのままに詩としてパッケージ出来ているところだと私は思う。この作品を読んだその瞬間に飛び込んでくる言葉の応酬は本来、若者のドロっとした青春によって消化されてすぐに酸化してしまうものである。しかし、それをいつでも誰でも味わえるように落とし込んであるということがこの作品が一部の人に好まれ読まれている理由であると感じた。
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むっっっずかしい、、、本当に理解出来ない。 全く文章が入ってこないから気付かずに何回も同じところを読んでいた。 にゃるーらの文章がとても良かった。1番良かった。 にゃるらが良いと思ったものを良いと思える感性がないことが悔しい。
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4の詩篇を締める「いいえ」が好き。社会の範疇におさまらない意識を、本人がそうとは自覚しないままにあらわした言葉に対して、きわめて社会的に応ずる声が、却ってはじめにはなたれた言葉の深みや、応ずる側もまたその深みにどうしたってとらえられてしまっているさまを、実にさらりと示している、と...
4の詩篇を締める「いいえ」が好き。社会の範疇におさまらない意識を、本人がそうとは自覚しないままにあらわした言葉に対して、きわめて社会的に応ずる声が、却ってはじめにはなたれた言葉の深みや、応ずる側もまたその深みにどうしたってとらえられてしまっているさまを、実にさらりと示している、と思った。
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「好き?好き?大好き? (…) 世界の全体よりもっと?」 精神科医レインの詩集。 常軌を逸した表現や噛み合わない問答の中に顕れる、ある意味で人間の純粋ないし率直な心を味わうことができる。精神病者にインスパイアされたものの他に既存の精神医学を批判するような詩もある。あまりよく分...
「好き?好き?大好き? (…) 世界の全体よりもっと?」 精神科医レインの詩集。 常軌を逸した表現や噛み合わない問答の中に顕れる、ある意味で人間の純粋ないし率直な心を味わうことができる。精神病者にインスパイアされたものの他に既存の精神医学を批判するような詩もある。あまりよく分からないものもあるが、心惹かれるものもあった。 表題でもある第64篇は、自分が愛されていることを病的にくどく確かめるもので、不安と愛らしさと異常さが混在していて、なんだかいい。 「あなたはこれからこっぴどい目にあうのよ (…)もしわたしと結婚しようものなら」 「ときおりわたしはあり ときおりわたしはいない だがどちらがどちらとも わたしはわすれた」
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インスピレーションを受けたのでポエム書きます 「鏡の世界」 たっぷりの毒水を吸って ふくらむ林檎ちゃん 若くて美しかったわたしを どうにかして頂戴 つまらない物語のはじまりは いつだって妄執の果実だ 光り輝く毒林檎 食べたらしぬ 幸せなキスをしてわたしはいきかえる つまらない物...
インスピレーションを受けたのでポエム書きます 「鏡の世界」 たっぷりの毒水を吸って ふくらむ林檎ちゃん 若くて美しかったわたしを どうにかして頂戴 つまらない物語のはじまりは いつだって妄執の果実だ 光り輝く毒林檎 食べたらしぬ 幸せなキスをしてわたしはいきかえる つまらない物語がはじまる わたしの幸せなんてつまらないものだよ 鏡の世界に林檎を育てるときが いちばん素敵でした
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著者は精神科医で主に統合失調症患者に関して、精神病院に閉じ込めて治療するといった当時の閉塞的な精神医学に反対する運動を展開したとのこと。 ちくま学芸文庫に入っている引き裂かれた自己では統合失調症の患者が正気から狂気に至る過程を哲学的に分析していたが、本書は臨床現場での体験からイ...
著者は精神科医で主に統合失調症患者に関して、精神病院に閉じ込めて治療するといった当時の閉塞的な精神医学に反対する運動を展開したとのこと。 ちくま学芸文庫に入っている引き裂かれた自己では統合失調症の患者が正気から狂気に至る過程を哲学的に分析していたが、本書は臨床現場での体験からインスピレーションを受けた詩集だろうか。 読んでいる途中で自分が自分でなくなるというか不思議な酩酊感を味わう瞬間があり統合失調症患者の脳内を覗き見しているような感覚。 知人に統合失調症の人がいて、その人はいつも周囲の何もない空間を手刀で切り裂く動作をしている。 いわゆる正常な側(と思い込んでいる)の私たちからすると不可解なことこの上ないが、本人曰く悪い奴らが近づかないようにそれを断ち切っているそう。 なにをもって正常(正気)・異常(狂気)とするかは疑問だが、人間は誰しも狂気の一部を抱えていてなんらかのトリガーで発症するということなのか。
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原題はDo You Love Me? これを… 好き?好き?大好き? と訳す訳者のセンスよ。 英国の精神科医 R.D. Laingによる詩集。患者との対話が根底にあるそうですが、ポテンシャルエナジーを持つかの如く押し寄せるリフレインと言葉の羅列、そこから立ち上がるある種の狂気。
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負けた、と思った。本書の最後に付いていた「解説」を読んだ時だった。 この解説を記したのはシナリオライターの「にゃるら」氏である。にゃるら氏は私が本書を手に取るきっかけとなった人物だ。インディーゲーム『NEEDY GIRL OVERDOSE』の作者で、このゲームは本著に多大な影...
負けた、と思った。本書の最後に付いていた「解説」を読んだ時だった。 この解説を記したのはシナリオライターの「にゃるら」氏である。にゃるら氏は私が本書を手に取るきっかけとなった人物だ。インディーゲーム『NEEDY GIRL OVERDOSE』の作者で、このゲームは本著に多大な影響を受けているとのこと。私はゲームをプレイしたことをきっかけに、本作を読んだ。 本作は精神科医が記した詩集である。読み進める中で、はてさて、何をどう捉えたらいいのか、詩も精神医学も素人の私は混乱していくばかりだった。 ようやっと辿り着いた氏の解説で、詩で出てくる人物が不思議なスケールの物言いをすることに対し「このチグハグさのなんと愛しいことか」と記されていた。ここを読んだ時に、負けた、と思った。私は詩の中にいる人物に対して、愛おしさを感じることができなかった。人の好意や、恋をしている人間の解像度が足りていないことを痛感した。 そしてこの氏の解像度の高さが『NEEDY GIRL OVERDOSE』の主人公、超てんちゃんを生み出したのだ、と感動を覚えた。解説に記されている詩の人物像、恋でぐらつく女性というものは、彼女のキャラクターそのものであった。 私は彼女の人として欠陥しているところ、アンバランスさが好きだった。過度に高い承認欲求、薬を飲まないと生きていけない不安定さ、彼(ピ)のご飯を作る健気さ……。その愛おしさの根底には、レインの詩と、そこに魅力を見出したにゃるら氏がいたことが解った。 こうして負けを実感したものの、今回、彼女の源流を知ることができて、嬉しかった。 詩に共感できず、ただ一人置いてかれたような感覚でいた私を救い出してくれたのは、間違いなくにゃるら氏の解説であった。 彼のゲームを、超てんちゃんのことを愛することができる私は、詩のこともいつか愛することができるだろうか。 解説は「(……)本書に登場する数多の素敵な人物たちのように、本質だけで喋ることができるほど、僕らは完成されちゃいない」と締めくくられている。(177頁) この「僕ら」に私も入れるよう、次はただ共感できるか、という物差しで本書を読むのではなく、人間の本質と愛おしさに目を向けて、再度、読んでいくつもりだ。
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詩を初めて読む私にはすごい難しかった、、、 詩ってどうやって楽しむのか、私の教養が浅かったし楽しみ方も分からなかったけど雰囲気を楽しむことができた 詩は難しいと思い続けるけどまたまた何か詩集を読んで楽しみ方を理解してからまた読みたい!!
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言葉とは何のためにあるのだろう、と思う。意志を伝達するため? しかし、その意志というものはいつだって中途半端にしか伝わり得ない。伝わった意志だって、その人に内在する心理/認識の中でいかようにも歪みうる。つまり、完全なコミュニケーションなど幻想でしかない……ここまではいい。だが、で...
言葉とは何のためにあるのだろう、と思う。意志を伝達するため? しかし、その意志というものはいつだって中途半端にしか伝わり得ない。伝わった意志だって、その人に内在する心理/認識の中でいかようにも歪みうる。つまり、完全なコミュニケーションなど幻想でしかない……ここまではいい。だが、ではどうして「にもかかわらず」ぼくたちは意志が疎通することをあきらめきれないのだろう。単純で幼稚な、だが深遠なこのアポリアをレインは実に稚気に富んだモノローグやダイアローグ、詩などで表現する。読みやすいが、なかなかナメてはならない本
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