日本の図書館事始 の商品レビュー
日本が図書館を“発見”する天正遣欧使節から明治初期までの図書館活動が記されている一冊。 当時の西欧と日本は社会基盤が大きく異なるため、その意義と仕組みを見てきたから始めましょうとはなりませんでした。 派遣された日本人の一部しか施設の壮麗さの先にあるもの、図書館が社会や民に対してど...
日本が図書館を“発見”する天正遣欧使節から明治初期までの図書館活動が記されている一冊。 当時の西欧と日本は社会基盤が大きく異なるため、その意義と仕組みを見てきたから始めましょうとはなりませんでした。 派遣された日本人の一部しか施設の壮麗さの先にあるもの、図書館が社会や民に対してどう作用しているかを見極めるに至らなかったのも仕方がないことなのでしょう。 日本における図書館の急速な発展は戦後に受動的な形で起こりましたが、能動的で遅々とした図書館活動の歩みは国家としての模索であり、地味ながらも重要な時期だったのだろうと考えます。 華やかさは無くとても難い内容ですが、司書として大変勉強になりました。
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日本が西欧の図書館のことを知ったのは天正遣欧使節まで遡るらしい。もっともこの時は、日本に何の影響も与えなかった。まだ日本には市民が存在しなかったからね。 それらしい動きが出てくるのは、やっぱり明治維新からということになるけど、これもカタチだけで、どこまでいってもすべての人に知識を...
日本が西欧の図書館のことを知ったのは天正遣欧使節まで遡るらしい。もっともこの時は、日本に何の影響も与えなかった。まだ日本には市民が存在しなかったからね。 それらしい動きが出てくるのは、やっぱり明治維新からということになるけど、これもカタチだけで、どこまでいってもすべての人に知識を提供するという考え方ができなかった。頑張って「学校には図書館が必須である」ってところまでだった。本書では触れられていないけど、現在の図書館制度は、戦後のGHQによる民主化政策を待つことになるんだね。
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