あしたの名医 の商品レビュー
今日買って3時間で一気読みしてしまった。著者が医師だからか、良い意味で患者と医師の描写には変に感情に訴えるような場面や表現はない。それでいて患者への思いや医師としての信念はじんわりと伝わってくる。自分の仕事への向き合い方はどうなんだと、ハッとさせられる言葉があちこちに。けして派手...
今日買って3時間で一気読みしてしまった。著者が医師だからか、良い意味で患者と医師の描写には変に感情に訴えるような場面や表現はない。それでいて患者への思いや医師としての信念はじんわりと伝わってくる。自分の仕事への向き合い方はどうなんだと、ハッとさせられる言葉があちこちに。けして派手さはないけれどじっくりと心に響く、味わい深い一冊だった。あと、いつか必ず伊豆に行きたい!
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お仕事小説やっぱり好きだわ。 医療小説ではあるんだけど、飯テロ小説でもある。 伊豆に行きたくなりました。
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初読み作家さん。 地元が舞台で、知ってる土地の名前が出てくるし、もちろんモデルとなった病院にも行ったことがあるので、とても親近感を持って読み進めました。 美味しいお店も気になり、出てくる料理も作ってみたいと色々な点で読み応えのある1冊でした。 続編、出るかな〜?
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大好きな医療小説と食のエピソードがつまった作品。 過疎の医療問題など話は深刻なものだが、出てくる登場人物の温かさや伊豆の自然や食美味しいべ物の話で包まれていて心地よく読む進めることができた。 シリーズ化することを期待。
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※このレビューにはネタバレを含みます
自分が医療系ということもあり、共感出来る部分が多数ありました。 専門的な面もありつつ、普段医療小説を読まない人にまで誰にでも楽しく読んでもらえるような話の展開が素敵でした。 最初は早くスキルアップしてキャリアを磨きたいと考えていた主人公が、周りの患者さんや医者と関わるうちに考えが少し変わっていったところ、三枝教授の理不尽に見えるやり方は実は限られた医療資源・人材の中で患者を救うためにあるルールであったことなど、共感できる部分が多数ありました。 面白かったです。
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職場で勧められた本。 終盤にかけて涙を堪えながら読んだ。 キャリアを積むことより大事なことがある。使命感や志のあるひととともに働けることは幸せだ。自分もそれに能う人間でありたい。そんな集団で働きたい。 三枝、田川、塔子さん。みんなすき。
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伊豆半島。温泉や景勝地、魚の幸・山の幸にも恵まれた豊かな土地だ。 けれど近年、伊豆でも若者の流出とともに過疎化も始まっている。医療施設の減少も目立つがそれは産婦人科において特に深刻である。 そんな伊豆の産科医療を支えているのが伊豆中央病院、通称「伊豆中(いずなか)」だ。 ...
伊豆半島。温泉や景勝地、魚の幸・山の幸にも恵まれた豊かな土地だ。 けれど近年、伊豆でも若者の流出とともに過疎化も始まっている。医療施設の減少も目立つがそれは産婦人科において特に深刻である。 そんな伊豆の産科医療を支えているのが伊豆中央病院、通称「伊豆中(いずなか)」だ。 伊豆の新しい生命の誕生を第一線で守る伊豆中産婦人科医たちの奮闘を描いた医療ドラマ。 北上次郎オリジナル文庫大賞。 なお物語は主人公の北条衛の視点で展開するが、第4話「城ヶ崎塔子の夏休み」のみ先輩医師の城ヶ崎塔子の視点で語られる。 ◇ 天渓大学医学部附属病院の医局員、北条衛に急な異動の辞令が出た。異動先は伊豆中央病院。 ここは産科救急特化型の施設である総合周産期母子医療センターであり、産科関連業務が中心だ。 東京の本院を離れるということは、最新の情報や先進医療から遠ざかるということに繋がる。だから地方への異動は、ただでさえ気が進まないものだ。 ましてや婦人科の腹腔鏡手術のエキスパートになるべく研鑽を積んでいた衛にとって、産科医療にしか携われない病院への異動は、キャリアの中断を意味する。 さらに衛の前任で赴任半年で逃げ帰ってきた佐伯によると、三枝教授によるワンマン体制や教授ルールと呼ばれる謎の決まりなど、息が詰まるような環境だと言う。 まったく気が重いだけの異動だが、衛には断るという選択肢はない。1年したら呼び戻すという口約束を信じてしぶしぶ伊豆に赴任したのだった。 そんな後ろ向きな気持ちで着任した衛を待っていたのは……。 ( 第1話「カイザーと着任祝いの金目鯛」) 全5話。 * * * * * 主人公の北条衛が、数々の出産や帝王切開を介助し、さらに困難を極める手術の前立ちを務めることで、産科医として成長を遂げていくというストレートな展開ですが、非常に胸を打つストーリーになっていました。 医師としてのキャリアの中断を甘受し、悪い噂の絶えない職場へ赴いた衛。当初は警戒心をあらわにし、病院の体制に疑問を感じていました。 けれど彼を迎えた人たちの温かさや高邁な姿勢に触れるうちに、医療に携わる者に最も必要なものは何かということに、衛は気づいていきます。 衛の意識を変えていった人たちが、実に魅力的です。 まず、気難しい暴君のように見える院長の三枝教授。 実は伊豆の産科医療の将来だけでなく勤務医の人生にまで配慮する、懐の深さと情の深さを持ったリーダーです。 また、医師としての見識や手術で見せる判断の的確さ、手技の正確さやスピードは神懸かり的で、衛は思わず見入ってしまうほどです。 次に、衛の直属の上司である、産科部長の城ヶ崎塔子。 小柄でスリムな身体のいったいどこにこれだけのパワーが ⁉ と思うほど、 明るく周囲に気を配りつつチームを鼓舞し、急患の多い現場を引っ張り続けます。 また、患者に対しても行き届いた対応を忘れない姿勢は、衛の心を打つほどです。 その他にも、下水流明日香とスキンヘッド田川という2人の先輩医師、医局時代の後輩だったイケメン神里、塔子に心酔する看護助産師の八重も一騎当千の強者で、まさに役者が揃っています。 いずれも産科医療に誇りを持ち、常にベストを尽くそうと努める。その熱量は、読んでいるこちらの心まで熱くしてくれるようでした。 「医は仁術」。読後、最初に浮かんだのがこのことばです。 もちろん医師としての価値観は様々でしょう。だから東京の本院での順調な出世を第1に考える医師がいるのを批判するつもりはありません。 それでも、伊豆中に医師生命を捧げてキャリアを終えようとする三枝や塔子の高潔な精神に魅力を感じずにはいられませんでした。 余談ですが、毎話登場する料理やクラフトビールの美味しそうな描写も、作品の大きな魅力です。これもぜひ、お楽しみに!
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私にとって久々の本格的な医療小説。 大学病院で内視鏡を極めようとしている北条衛は伊豆周産期病院に移動を命じられる。 厳格な教授に、立て続けに舞い込んでくる命の危機の現場。 その中で人情味溢れる人々との関わりができ、仲間ができる。 終盤、衛の心が折れる事件が起こるが教授や...
私にとって久々の本格的な医療小説。 大学病院で内視鏡を極めようとしている北条衛は伊豆周産期病院に移動を命じられる。 厳格な教授に、立て続けに舞い込んでくる命の危機の現場。 その中で人情味溢れる人々との関わりができ、仲間ができる。 終盤、衛の心が折れる事件が起こるが教授や伊織の両親の言葉に救われる。 古くて怖いだけと思っていた三枝教授、実はカッコ良すぎる。
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※このレビューにはネタバレを含みます
地方周産期医療の過酷な現実。命の最前線であり、最後の砦でもあるんだな。 現役ドクターならではのリアルな描写と、伊豆のおいしいものががっぷりよつに組んで最高の医療グルメ青春お仕事小説となっている。 パワハラモラハラの権化、老害、時代遅れ、という悪評ばりばりの教授のもとに派遣された若き専門外の医師。って、この教授絶対ヤなやつじゃんと、思わせておいて、の、この展開。どこを切っても読みやすく面白い。しかも、お腹が空くし、感動もしちゃう。こりゃいいもの読んだぜよ。
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地域の産婦人科? 脳内イメージはこんな背景。スーパーヒーローが居ないことで、物語がいきいきと「魅える」。 じっくりと読む時間がなかったのが残念だったけど、いろんな出来事における主人公とその二人の上司の会話に感動したな。
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