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古川日出男(著者)

2024/09/07

夏休みにがっつり本を読みたい！と思った私にはこの上なく最高のチョイス。
台風で全ての予定が狂った今年の夏休みだったけど、この本があって本当に良かった。
古川日出男にしては読みやすい？かな？
読み続けた幸せな557ページ。
恋愛小説？笑
夏の思い出をありがとう。

2024/08/16

何かで紹介されていたのを見て、図書館で借りたもの。
アニメ平家物語の原作者と知り、アニメがとても好きなので期待が高まりした。
分厚くて、図書館の貸し出し期間内に読み切れるか不安だったけれど、引き込まれて難なく読みきれてしまいました。
私にとっては、この著者こそ怪物…！
なぜこんな物語を生み出せるのか、頭の中はどうなっているのか！？

登場人物が皆魅力的で、描写から息遣いが聞こえてくるよう。
前に、自分自身が大学から有名私立に入学して、周りの家柄や人脈に戸惑いながらもうらやましく思い、息子には同じ思いをさせたくないと必死で小学校受験に取り組んでいるというネットニュースを見て、正直理解できないと思っていましたが、上流階級といわれる人たちがこんなふうなのだとしたら、必死になる気持ちが少しわかりました。

コロナ禍の描写も、こんなことあったなと納得させられるもので、フィクションではあるものの、後世の人にとって史料になるのではないかと思わされるほどでした。

映像化したら絶対見たいです！
若きコーエンさんは菅田将暉さん・タタエさんは小松菜奈さんで夫婦共演、カワラさんは高橋一生さんとかどうでしょう！？
夫婦つながりでいったら、時を経てモテ続けるモワさんは、飯豊まりえさんもいいかもしれません、と膨らむ妄想…
高橋一生さんだけ年が離れすぎかなぁ？

装丁も重厚感があり、素晴らしかったです！
長編なこともあり、単行本を持ち歩くのが大変でしたが、内容と装丁がしっくり来て楽しめるのは、文庫本では味わえないことだと思いました。

2024/04/12

１人の芸術家（アーティスト）が語る、「スサノオ」という異名を持ったカリスマ政治家、大澤光延の異形の伝記という体をとる小説。昭和の終焉からコロナ禍の令和を駆け抜け、語り手が途中から変容したりするなど、複雑な展開。
文学らしい文学作品で、意欲的な大作といえると思うが、個人的にはなかなか理解困難な小説で、入り込めなかった。
まず持って回ったような、もったいぶった文体が受け付け難かった。また、疑問符の付く設定（大澤光延の父が怪物と呼ばれた東京都副知事で上流階級っぽい描写となっているが、出世した地方公務員にすぎない東京都副知事がなぜそんな怪物となれたのか、上流階級としてふるまえているのかの説明がほとんどなく、リアリティが感じられない、都知事か総理大臣を目指すのにまず参議院議員になる　など）が少なくなかった。そして、話が平成３年から令和２年にいきなり飛んでしまい、時代の変化や政治のダイナミズムをあまり描けていないように感じた。
個々のエピソードについては、ウイルスと霊魂の類似性、本居宣長と平田篤胤の比較、医薬品業界の構造、別表神社という存在など、興味深いものがいろいろあった。