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はじめての比較宗教学 の商品レビュー

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2024/04/23

宗教についてあれこれ考えるのは昔から好きだ。 占いは信じないし、お参りなどイベント的宗教行事にも積極的ではないが、自分を「無宗教」だとは思わない。 そんな人にとってこの本は、もやっとした見方を、方向性のある見方に変えてくれるものだと思う。 断片的な情報のなかで、インパクトだったり...

宗教についてあれこれ考えるのは昔から好きだ。 占いは信じないし、お参りなどイベント的宗教行事にも積極的ではないが、自分を「無宗教」だとは思わない。 そんな人にとってこの本は、もやっとした見方を、方向性のある見方に変えてくれるものだと思う。 断片的な情報のなかで、インパクトだったり耳触りのよいものだけを取り上げて価値基準だけで考えるんではなく、自力でじっくりと考えるというやり方の道筋を得たような感覚。 これは宗教についての比較だが、他の事柄についても同じように使える思考法かと思った。 同じ著者の古代哲学の本を前回読んだが、根底にあるのは「自力で考える」力を身につける大切さ、なんだろうなと。 特に興味を持ったのは、日本の神概念の項。 「祖霊」に神の起源をみる立場の代表として、柳田國男の「祖先の話」を引用して、 「一定の年月を過ぎると、祖霊は個性を棄てて融合して一体になる」と認められていた、という話。(この、認められていた、という事実が宗教学。一体になるのが本当かどうかは重要ではない) その神概念を「となりのトトロ」にみるとこらへんの話が、自分としてはしっくりときた。 柳田國男の弟子、折口信夫の「まれびと」概念についても読みたいなあ。 様々なアニメや漫画や映画にも当たり前のように宗教は散りばめられていて、事実にのみ基づく学問としてその「型」を知るというのは、物語の理解も深まると感じた。

Posted byブクログ