銀河鉄道999 アンドロメダ編(新装版)(vol.3) の商品レビュー

松本零士(著者)

2024/01/29

旅を続ける鉄郎の様、または鉄郎が続ける旅の様とも言い換え得るかもしれない物語である。
鉄郎は「機会の身体を得て永遠の命を謳歌する」という、時代の潮流に寄り添おうとする。そして惨い形で生命を落した母との思い出の故に、熱いモノを持ってそれを実現しようとして、出逢ったメーテルに導かれて旅立った。
そうして身を投じた旅の中での出来事や出逢いは、熱い想いで寄り添った「時代の潮流」が「本当に善いのか?」、「自分が深く考えた末に好いと納得出来るのか?」を色々な角度で問い掛けるような内容であると思える。
壮大なSFファンタジーだが、何処か「人生を問う文学」という感の作品である。初めて発表されて以来、かなり年月を経ているが、全く色褪せない作品だ。