日本が滅びる前に 明石モデルがひらく国家の未来 の商品レビュー
元兵庫県明石市長の泉房穂。顔は知っているが、為人や政策は良く理解できていなかった。地方自治体の首長だと、自分が住んでいないと(住んでいても)良くわからない、という事がある。ただ、至近、YouTube等の動画でも登場するようになって、興味をもったというのが読むきっかけ。所得制限なし...
元兵庫県明石市長の泉房穂。顔は知っているが、為人や政策は良く理解できていなかった。地方自治体の首長だと、自分が住んでいないと(住んでいても)良くわからない、という事がある。ただ、至近、YouTube等の動画でも登場するようになって、興味をもったというのが読むきっかけ。所得制限なしの子育て支援策を実施し、明石市の人口増加や地価上昇、税収増を実現した、というのが同氏の市長としての評価。 本書は、同氏が明石市で実施した「明石モデル」を紹介し、その成功要因や日本全体への適用可能性について論じたもの。シルバー民主主義から子育て民主主義へ、つまり、高齢者優先の政策から子育て世代を支援する政策への転換。子育て支援策を中心に多くの改革を実施した。構造的な無駄に対する指摘、提言が私にとっては心地よかった。著者の生い立ちや学生時代の話、障害者の親族の話なども書かれており、何となく人物像が掴めた。 ー (税率の話)統計開始当初の1970年度には25パーセント未満でしたが、2013年に40パーセントを超え、今や5割に迫る勢いです。なぜ、これほど高い負担率になったかというと、一重に財務省と厚生労働省のせいだと私は思います。財務省はともかく税金を上げて税収を増やしたい。だから消費税率もどんどん上げていきたい。税収が増えて、財源が膨らめば、彼らの権益は一層強化されるからです。一方で厚生労働省は格上の財務省に引け目を感じて、予算を強く請求できない。だから、医療保険や介護保険をつくる。保険制度はいったん導入すると徴収金額を好き放題にいじれます。だから介護保険料などは導入したときから3倍くらいに上がっている。このように財務省と厚生労働省が長年、競い合うように税と保険を国民から取りまくっていった結果が、5割近くの国民負担率というわけです。私の幼少時に比べれば、国民負担率は2倍以上になっています。ことに問題なのは日本がここ30年ほは経済成長しておらず、国民の生活はどんどん苦しくなっていることです。 ー イギリスの歴史・政治学者であるシリル・ノースコート・パーキンソン(1909~1993)は、その著作「パーキンソンの法則」で官僚組織の非合理性を指摘しています。官僚組織は肥大化していく特質を持ち、その「成長の法則」において、実際の仕事量に関係なく役人の数は増え続けていくものであると述べています。要するに、放っておけば官僚組織はろくに仕事もせずに人数ばかり増えていくということです。聖域として守られ、長期間誰も手をつけることのできなかった中央省庁は、第三者によって組織全体の精査をする必要があると考えます。 問題意識を正しく持つことが改革の第一歩である、と思う。
Posted by
元明石市長の自伝。考えや思いが詰まっています。 弟さんに障害があり、幼少期から世間に冷たく感じていたので、自ら社会を良くしたいとの思いから地元の市長になりました。政策は一貫して、優しい街にしたい、そのために子育て支援など広く世界で実施されているものを参考に取り入れた結果、人口増に...
元明石市長の自伝。考えや思いが詰まっています。 弟さんに障害があり、幼少期から世間に冷たく感じていたので、自ら社会を良くしたいとの思いから地元の市長になりました。政策は一貫して、優しい街にしたい、そのために子育て支援など広く世界で実施されているものを参考に取り入れた結果、人口増に繋がっています。 『この世に生きる全ての人間が障害者である。』 私は階段、車椅子の人はエレベーターと、人は何か手助けがなければ生きていけません。 これからの時代は障害のあるなし、人数の多い少ないではなく、誰もがそれぞれに必要な支援があるという観点で社会を作っていく必要があります。
Posted by
忖度なしに市民を第一に考えて明石市を変えていった泉市長。 こういう熱い志をもった政治家が少なすぎるから日本は悪いと思う一方、少しずつこういった政治家も増えてきているみたいでそこは期待したいところです!
Posted by
元明石市長の著作 二冊目 これも夫からまわってきた 「泉流ケンカ政治学のエッセンス!」とある 納得できることばかり 怒涛のような十二年からつかんだことを 分かりやすく書いておられる 今の政治、納得できないことばかり ヘンだ 原因は有権者だよねえ 変えられる 滅びる前に! お...
元明石市長の著作 二冊目 これも夫からまわってきた 「泉流ケンカ政治学のエッセンス!」とある 納得できることばかり 怒涛のような十二年からつかんだことを 分かりやすく書いておられる 今の政治、納得できないことばかり ヘンだ 原因は有権者だよねえ 変えられる 滅びる前に! お隣の市、明石 元気になる様子を見てきた 中央集権の意識をかえなくっちゃ ≪ 子が笑う それがしあわせ 世界中 ≫
Posted by
あ〜ズバズバが良かった!現在の政治の何が問題なのかをわかりやすく明確に指南してくれるような書だった。政治のことがわからない民にもわかりやすく、とても読みやすい。ますます明石市を応援したくなるし、今の国政がんばれよ!と言いたくなる。
Posted by
泉氏は少年時代の辛い経験から「冷たい社会をやさしい社会に変えたい」と思うようになったという。 泉氏には「信念」があり、それを実現するための「知性と方法論」があった。そして、「明石モデル」を築きあげ、政治家として何よりも大事な「結果」を残されている。 終章の「明石の街は元気になり、...
泉氏は少年時代の辛い経験から「冷たい社会をやさしい社会に変えたい」と思うようになったという。 泉氏には「信念」があり、それを実現するための「知性と方法論」があった。そして、「明石モデル」を築きあげ、政治家として何よりも大事な「結果」を残されている。 終章の「明石の街は元気になり、明るくなり、やさしくものなりました」という文章に感動し、明石市民になりたいと本気で思った。 なお、紹介文には「泉流ケンカ政治学〜」などと書かれているが、これはミスリード。市民のための政策を実現するためなら論争も辞さないということであって決して「ケンカありき」ではない。先入観を持たずに読むべき。
Posted by
さすが泉さん! 頑張って明石市を建て直した経緯が書かれていて苦労されたのが分かる気がしました。 義理の兄が横xx市の職員でしたが、内部の話を聞くと酷い状況だったので日本は何処も同じで何とかして欲しいと思ってます。
Posted by
著者の泉さんが市長として在任した12年間に成し得たことをまとめた一冊。 泉さんのやる気あふれる姿勢と情熱は今の政権に爪の垢を煎じて飲んでもらいたいと思う一方で、なにも期待できない閣僚の愚かさにフラストレーションを感じながらも、明石市に風穴を開けた事実は読んでて今後も明石を応援し...
著者の泉さんが市長として在任した12年間に成し得たことをまとめた一冊。 泉さんのやる気あふれる姿勢と情熱は今の政権に爪の垢を煎じて飲んでもらいたいと思う一方で、なにも期待できない閣僚の愚かさにフラストレーションを感じながらも、明石市に風穴を開けた事実は読んでて今後も明石を応援したくなる。我が街の市政にも注目していかなアカンなと考えさせられた。
Posted by
泉さんが市長に至るまでの経緯や背景が記されており、 話題の方の情報に一度触れるには良い分量の本かと思います。 政府の方針についての意見等も書かれていましたが、X(Twitter)をフォローしていれば概ね見たことがある内容だった気もするので、目新しさはなかったかなといった印象です...
泉さんが市長に至るまでの経緯や背景が記されており、 話題の方の情報に一度触れるには良い分量の本かと思います。 政府の方針についての意見等も書かれていましたが、X(Twitter)をフォローしていれば概ね見たことがある内容だった気もするので、目新しさはなかったかなといった印象です。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
12年間兵庫県明石市長として活躍した著者の実績は圧巻。市の施策、特に「所得制限なしの5つの無料化」は明石市を繁栄へと導き、10年連続の人口増や税収増という素晴らしい成果を生んだ。だが、日本全体を見ると悲しいくらいの停滞。出生率の低下や「失われた30年」の影響で、多くの人々が困難な生活を余儀なくされている。なぜこんな事態が起こったのか、そしてこれから日本はどう向き合っていくべきなのか。著者の熱い思いと、市民を真心で思う「泉流ケンカ政治学」のエッセンスが、この書籍から強烈に伝わってくる。希望と変革への道を照らす、心に残る一冊だ。
Posted by
- 1