ヒロイン の商品レビュー
オウムの女性容疑者逃亡をモチーフとした作品。平易ながらも深みのある文章とスリリングな粗筋で、一気に読ませる。 なんの力もない女性達の生命力の描き方が秀逸。
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誰もが忘れないあの事件を元に書いたんだろうな、と思いながら読んだ。途中桐野夏生みたいなシーンがあったけれど、結局罪を犯した人間は、死ぬまでその罪に追われて生きていくんだなぁと思った。報われることなど絶対にない。心から笑うことも楽しむこともないんだろうなぁ、と。やっぱり灯の見えない...
誰もが忘れないあの事件を元に書いたんだろうな、と思いながら読んだ。途中桐野夏生みたいなシーンがあったけれど、結局罪を犯した人間は、死ぬまでその罪に追われて生きていくんだなぁと思った。報われることなど絶対にない。心から笑うことも楽しむこともないんだろうなぁ、と。やっぱり灯の見えない終わり方の本はあまり好きじゃない。でも面白かったです。
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宗教団体が起こした渋谷地下鉄ガス事件の話 幹部と実行当日に会ってしまい何もわからないまま実行現場に一緒に行ってしまった女性 そこから逃げる日々 そして出会いいろんな人との生活 この本から読めることは女性は逞しく強い
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彼女の罪は何だったのだろう。 何を書いてもネタバレになりそう。 とにかく濃い本だった。 久しぶりに読んだけどやっぱり桜木紫乃さん好きだなあ。
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2024.7.31 地下鉄サリン事件をモデルにした一冊。 幼い頃から母の厳しいバレエ指導で虐待をされてきた主人公が、ご飯をお腹いっぱい食べたいからという理由で宗教に入ってしまうのが切ない…宗教に入らなくても母と離れて暮らす道はあったはずなのに。 何も知らず事件の実行犯になってしま...
2024.7.31 地下鉄サリン事件をモデルにした一冊。 幼い頃から母の厳しいバレエ指導で虐待をされてきた主人公が、ご飯をお腹いっぱい食べたいからという理由で宗教に入ってしまうのが切ない…宗教に入らなくても母と離れて暮らす道はあったはずなのに。 何も知らず事件の実行犯になってしまった主人公の、人生を感じた。 捕まらなかったのではなく、見つからなかっただけ。
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この物語に登場する女たちは、みな少し怖い。 心の深くに隠しているつもりの強欲さが、優しい顔をして迫ってくるとでも言うか、さらっと怖いことをしてくる。 少しズレた女たちは、桐野夏生さんの作品か?と勘違いしてしまうほどだった。 カラスウリは、花を咲かせた後は上に伸びていた蔓の一...
この物語に登場する女たちは、みな少し怖い。 心の深くに隠しているつもりの強欲さが、優しい顔をして迫ってくるとでも言うか、さらっと怖いことをしてくる。 少しズレた女たちは、桐野夏生さんの作品か?と勘違いしてしまうほどだった。 カラスウリは、花を咲かせた後は上に伸びていた蔓の一部が地面に向かって降りていき、新しい塊根を作るという。 蔓を伸ばし、陰に隠れていたカラスウリの啓美は、花開いた後どうなるのかと想像し本を閉じた。
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ある教団をモチーフに 幹部信者に何も知らされず逃亡し 気が付いた時には教団のテロ犯 として指名手配されていた女。 最初はバレリーナとして母親に期待 され又支配もされていたが、その支配 から逃げ出し居場所を求めて光の心教団 に18才で入信する、そこでは何も求めず 全てを教団に捧げる...
ある教団をモチーフに 幹部信者に何も知らされず逃亡し 気が付いた時には教団のテロ犯 として指名手配されていた女。 最初はバレリーナとして母親に期待 され又支配もされていたが、その支配 から逃げ出し居場所を求めて光の心教団 に18才で入信する、そこでは何も求めず 全てを教団に捧げる日々。 何も教団では考え無いくてもいいのだ。 だか教団は事件と共に解散し 岡本啓美は岡本啓美では無くなり あんなに嫌っていたバレエが身体に染み付き 人生の根幹といつしかなっていた。 教団は光など無い事を知り、逃亡生活で 人との不思議な縁や忘れえぬ男との愛 そして子を授かり産んだ。 てもそれは岡本啓美としての人生の 一部では無く、名前の無い女の幻 の人生だ。 それでも最後に、女は忘れていた 岡本啓美という名を呼ばれ返事を した。 岡本啓美はこれからどんな人生を歩むのか。
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渋谷で起きた新興宗教団体による毒ガス散布事件。実行犯として教団幹部の男と共に指名手配された岡本啓美は、名前や容姿を変え、17年に渡り発見されずにいた。だが、彼女は事情もわからず連れ回されただけで無実だった。 彼女の生い立ちや入信の理由を絡ませながら、なぜ出頭しなかったのか、どのよ...
渋谷で起きた新興宗教団体による毒ガス散布事件。実行犯として教団幹部の男と共に指名手配された岡本啓美は、名前や容姿を変え、17年に渡り発見されずにいた。だが、彼女は事情もわからず連れ回されただけで無実だった。 彼女の生い立ちや入信の理由を絡ませながら、なぜ出頭しなかったのか、どのように生きていたのかを丹念に描いていく。 新興宗教+毒ガスと来れば、あの事件がすぐに思い浮かぶ。まあ参考にはしているとは思うが、直接の関係はなさそうだ。 啓美の言動には、ちょっと理解に苦しむ場面もちらほらあったが、彼女の選択したことなので仕方ない。17年という時間は、決して無駄ではなかったと思いたい。
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オウム真理教をモチーフにした内容 事件現場に居合わせただけなのに、主犯として指名手配される主人公の逃亡劇を描く
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新興宗教団体の無差別テロの加害犯となった岡本啓美。 何も知らないまま犯人とされ啓美は逃亡生活を始めた。 結末は冒頭で明かされるので、小説では啓美の心と身体の変化や、啓美を取り巻く環境の激変に否応なく立ち向かう姿に、逃亡者としての覚悟が力強く印象に残る。 桐野夏生「OUT」を彷彿さ...
新興宗教団体の無差別テロの加害犯となった岡本啓美。 何も知らないまま犯人とされ啓美は逃亡生活を始めた。 結末は冒頭で明かされるので、小説では啓美の心と身体の変化や、啓美を取り巻く環境の激変に否応なく立ち向かう姿に、逃亡者としての覚悟が力強く印象に残る。 桐野夏生「OUT」を彷彿させる女性作家の残虐描写は、読み手を強引に物語に引き摺り込む力があった。
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