魏武注孫子 の商品レビュー
魏武(曹操)の注釈した『孫子』で岩波文庫版も同様であるが本書は三国志研究で有名な方の解説により『孫子』と三国志の関わりが分かるという一冊で二度美味しい本となっている。 曹操というと赤壁の戦いで敗れた事により天下統一に失敗した奸雄というイメージになるが命懸けの戦争の合間にこんな注釈...
魏武(曹操)の注釈した『孫子』で岩波文庫版も同様であるが本書は三国志研究で有名な方の解説により『孫子』と三国志の関わりが分かるという一冊で二度美味しい本となっている。 曹操というと赤壁の戦いで敗れた事により天下統一に失敗した奸雄というイメージになるが命懸けの戦争の合間にこんな注釈まで入れて己の戦争に活かしていたとなると話は変わる。本書ではそんな美点だけでなく数々の失敗も含めて解説してあるので客観的に見ても役立つ内容と思われる。 それにしても自分が居なくても武将達に本を渡していたという事をアッサリと読み飛ばしがちだが1800年位前にマニュアル本という概念を編み出しているのが尋常では無い。普通なら他の勢力に流出するリスクを考えて門外不出にしそうなものであるが恐れずに断行したところにこの人物の凄さがある。創作の人物は割り引いて考える必要が勿論あるが本書を読むと曹操が最低に見積もっても当代一流であった事は否定できないだろう。
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理論と実践が並んでいて読みやすい。孫子はちゃんと読めていなかったのだけれどもこれはよいですね。 理論家の孫子と、中国が生んだ軍事と政治と芸術の天才である曹操の解釈が組み合わされており、理解が深まります。 無形で勝つ、戦で将がしてはいけないこと、風林火山の解釈などが特によかった...
理論と実践が並んでいて読みやすい。孫子はちゃんと読めていなかったのだけれどもこれはよいですね。 理論家の孫子と、中国が生んだ軍事と政治と芸術の天才である曹操の解釈が組み合わされており、理解が深まります。 無形で勝つ、戦で将がしてはいけないこと、風林火山の解釈などが特によかった。さらに三国志時代の実際の戦いの概説もある。必ずしも曹操が勝てたわけでもない、というのがさらに興味深い。 組織マネジメントの参考になるし、何より生き方の指針になりそう。良書でした。
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勝ちやすいやり方、パターンがある。 敵味方は、どちらがそのやり方に則っているか。 こちらが有利なのであれば、戦う(勝てる) そうでないなら負けるから、戦わない。 敵を知り己を知るだけでなく、 定石をしり、敵と己を比較する、なのかもしれない。 状況は、刻々変わるので、情報をとる...
勝ちやすいやり方、パターンがある。 敵味方は、どちらがそのやり方に則っているか。 こちらが有利なのであれば、戦う(勝てる) そうでないなら負けるから、戦わない。 敵を知り己を知るだけでなく、 定石をしり、敵と己を比較する、なのかもしれない。 状況は、刻々変わるので、情報をとる。 相手が自滅するように仕向ける。 利益を与えて、とりにいかざるをえなくする、など。 兵は詭道なり。 曹操は、なぜ、孫子の注釈をつけたのだろう。 自分の思考回路を示したかったのではないか。 自分と同じ思考ができる人間が増えれば、 それだけ仕事が進む。 でも、他国には渡したくないものだったのではないか。
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孫子に曹操が注をいれているというなかなか凄い本。 読み下しや原文もあるし解説もある。 前文と解説にダブりが多い気がするけど読む前の準備と読んでから改めてと思えばありかな。 目標を持った組織やチームを差配する人向け。 その中に役割があるなら差配される側が読んでも役に立つと思います。
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