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ぼっちな食卓 の商品レビュー

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17件のお客様レビュー

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2024/01/04

「自主性」を育てるために、好きな食べ物を子供自身に選ばせて出していた家庭は、その後どうなったか。 調査対象は首都圏在住家庭、240件。家庭の主婦へ、家庭内の食事についてのインタビューをしたものである。家族一緒に食事をするのか、各々がバラバラに食事をするのか。そしてその食事はどのよ...

「自主性」を育てるために、好きな食べ物を子供自身に選ばせて出していた家庭は、その後どうなったか。 調査対象は首都圏在住家庭、240件。家庭の主婦へ、家庭内の食事についてのインタビューをしたものである。家族一緒に食事をするのか、各々がバラバラに食事をするのか。そしてその食事はどのようなものなのか。10年後、20年後と継続して同じ家庭に調査を入れているため、調査のたびに数は減るし、数が少なすぎて統計学的な評価はできないものの、こういった年月をかけての調査という点だけ取っても、稀有で貴重な調査結果である。 仲がいいとは言えない家族の様子がリアル過ぎて、読み進めていくにつれ気持ちが萎えてくる。子供の自主性を大切にすると言いつつ実態はネグレクト。良くも悪くも干渉しない夫婦、それは家庭内離婚とラベリングされていないだけ。個々の自由を尊重すると言っているのは、自分優先を正当化するための口実。家族が家で食事をしたがらないので外食ばかり、外食が家族のコミュニケーションの場だと。他にも、ブラック企業やブラック部活の問題などもあり、これでもかというほど問題が出てくる。前半は何とか読み、後半はこれ以上読みたくなかったが、何が書いてあるかはわかる程度に目を通した。 勉強になったのは、資格をとって教える側に回りたがる主婦がいること。指導員・アドバイザー・インストラクターなど。だが、実際に本人はその通りにしているかというとそうでもないそうで。若いお母さんの怠慢に嘆く保育士、家では食事をせず子供や夫は外で買ってくる。薬膳料理教室を開いているが、夕食はレトルト食品とお惣菜ばかり。著者は、こういったことをただ嘘つきと非難するのではなく、専門家や先生こそ、その矛盾に向き合うべきだということと、実践を放棄し言葉や情報だけ語ってしまうほど、情報発信者が強い力を持っているという現代の問題だと指摘している。 全体に著者の見解や考えはそんなには書かれておらず、調査結果を読んでいるだけのような感じでした。しかし、実例の多さと、これがフィクションではないことが読む側の陰鬱な気分に拍車をかけてしまう。事実は小説より重いです。しかもこの問題、これで終わりではなく、社会が変わるにつれて問題の様相もどんどん変わっていくわけで。個人の尊重(という誤解?短絡的解釈?)が家庭の空洞化につながり、子供が最も近い人間から人間関係を学べなくなってきていて、子供同士のいじめの問題や、長く見れば少子化の原因の一つになっているのではないかと思いました。 最後に、年月を経て調査をした際も円満だった家庭についても書かれている。あとがきでは、この調査が家族のコミュニケーションのきっかけになったといってお礼の言葉も来たそうである。悪い話ばかりではないのが救いでした。 これのアップデート版もやって欲しいですね。新たに調査を始め、今後の10年後、20年後はどうなっているのか。

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2023/11/24

筆者の主観的な部分が多いようにも感じたが、個食の継続が家族のつながりを分断するのは事実なんだろうなと思った。やはり、食は大事だ。

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2023/11/15

とてもこわい本。淡々するすると読める。 日本の食卓と家族、個人個人の意識の変化(その裏に隠れているのは社会全体の様々な空気感) 定点観測された地道な食卓調査のアンケート結果や発言がページをめくる度に淡々と綴られていく。対象者の発言と実態が乖離することも多数、驚愕する。 自分と年代...

とてもこわい本。淡々するすると読める。 日本の食卓と家族、個人個人の意識の変化(その裏に隠れているのは社会全体の様々な空気感) 定点観測された地道な食卓調査のアンケート結果や発言がページをめくる度に淡々と綴られていく。対象者の発言と実態が乖離することも多数、驚愕する。 自分と年代の違う調査対象者の発言を「恐ろしい」と感じつつもその考えを完全に否定できず、自分の中にも潜んでいることを実感しぞっとする。 ただただこわいが(興味深い面白さと読みやすさはある)、これはたぶん個人個人の意識の変容の中に、世界と日本の社会のムードがどろどろ音も立てず忍び込んでいる、その結果を表した貴重な本だと思う。

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2023/11/14

長い年月をかけて採取した家族のあり方が圧巻でした。 妻との関係、子との関係を見つめ直すための必読書です。読み進めていくと、ほとんどホラーに近いような恐ろしい状況が展開されていきます。そこに登場する方々に「本当にそれでいいの?」と心の中で問い続ける読書でした。 家族という関係性を作...

長い年月をかけて採取した家族のあり方が圧巻でした。 妻との関係、子との関係を見つめ直すための必読書です。読み進めていくと、ほとんどホラーに近いような恐ろしい状況が展開されていきます。そこに登場する方々に「本当にそれでいいの?」と心の中で問い続ける読書でした。 家族という関係性を作り上げるのは、日々の瑣末なことの積み重ねであると感じました。良好な関係性が維持できている家族は、当たり前のように互いを気遣い、それを瑣末なこと、当たり前のことと捉えて気遣いを繰り返す。完全に崩壊している家族は、各々が個人を優先ことが何よりも先決で、瑣末なこと大切にすることができずに、目に見えないほどの距離が毎日離れていき、年月を重ね不可逆的なところまで行ってしまう。 本の題名になっている「食卓」は、家族のあり方の象徴的なものであり、そして、もっとも基本的な土台となるものであると感じました。 自分の家庭も始まってまだ10年。これから、積み上げねばならないものがたくさんあると気の引き締まる思いを胸に、日々の瑣末な気遣いを重ねていこうと思いました。

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2023/11/03

子供にご飯を用意しないお母さんがいることに驚いた。が、母親がご飯を用意する事が当たり前とした前提で書かれている気がしてモヤモヤ感があった。

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2023/09/13

20年間の食卓調査で見えてきたのは、一人ひとりバラバラが一番快適、という「自由な個人の集まり」と化した家族の姿だった――。

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2023/09/10

時代とともに社会観念は変化する。年々「個」が極大化してきたのは間違いない。その影響を受けた家族がどんな変化をしたかの調査結果、ぜひとも読みたい #ぼっちな食卓 #限界家族と「個」の風景 #岩村暢子 23/9/7出版 #読書好きな人と繋がりたい #読書 #本好き #読みたい本 ...

時代とともに社会観念は変化する。年々「個」が極大化してきたのは間違いない。その影響を受けた家族がどんな変化をしたかの調査結果、ぜひとも読みたい #ぼっちな食卓 #限界家族と「個」の風景 #岩村暢子 23/9/7出版 #読書好きな人と繋がりたい #読書 #本好き #読みたい本 https://amzn.to/486WJ9u

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