ランサムウエア追跡チーム はみ出し者が挑む、サイバー犯罪から世界を救う知られざる戦い の商品レビュー
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ランサムウェアにやられてしまうと身代金を支払うか、バックアップでデータ復旧するかの二択と思っていたがそうでもないらしい。民間で、ボランティアとしてランサムウェアの復号キーを提供したりしている団体もあり、本書ではそうした団体の一つに焦点を当てている。 ランサムウェアの制作者にはよくミスがあり、解読キーを解析的に割り出せる場合も少なからずあるようだが、これはあまり公にされない。攻撃者に知られると対策されてしまうから、なるべく長く秘密にしておきたい。 ランサムウェアからの復旧をビジネスにしている会社もあるが、やっていることは身代金を支払って、それに上乗せした金額を請求しているだけであまり好ましくない(とはいえ、身代金を支払った、と公表されたくない会社もあるだろうし、それなりに需要はあるのかも) ・ランサムウエアのギャングでさえ、被害者との連帯を表すために、二枚舌のデータ復旧会社について警告している。フォボスの一味は、身代金要求書に「第三者の助けを借りてファイルを復元しようとすると、料金が高くなったり(彼らは私たちの料金に彼らの料金を上乗せする)、詐欺の被害者になったりする可能性がある」と書いている(
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今サイバー犯罪として拡散されているランサムウェア。この出世とそれと戦う人々の生活を描いた本。チームメンバーなどの生活詳細は正直読み流していまったが、ランサムウェアとの戦いについては、イタチごっこになりかなり大変な仕事だと感じた。しかもランサムウェアのハンターの行為が逆にランサムウ...
今サイバー犯罪として拡散されているランサムウェア。この出世とそれと戦う人々の生活を描いた本。チームメンバーなどの生活詳細は正直読み流していまったが、ランサムウェアとの戦いについては、イタチごっこになりかなり大変な仕事だと感じた。しかもランサムウェアのハンターの行為が逆にランサムウェアの性能、精度を上げてしまうリスクもあり本当に難しい課題だと思う。恐喝経済がこの世から無くなることは無いかもしれないが、それに立ち向かう方々には敬意を払いたい。
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【ランサムウエアが革新的なのは、暗号化という行為そのものを武器に変えた点にある】(文中より引用) ファイルを暗号化し、その解除のために身代金(ランサム)を要求するランサムウエア。猛威を振るうその脅威に人知れず立ち向かうチームの物語です。著者は、ロイターの調査報道記者を務めたレネ...
【ランサムウエアが革新的なのは、暗号化という行為そのものを武器に変えた点にある】(文中より引用) ファイルを暗号化し、その解除のために身代金(ランサム)を要求するランサムウエア。猛威を振るうその脅威に人知れず立ち向かうチームの物語です。著者は、ロイターの調査報道記者を務めたレネー・ダドリーとピューリッツァー賞の受賞経験を持つダニエル・ゴールデン。訳者は、システムエンジニアの経験も持つ小林啓倫。原題は、『The Ransomware Hunting Team: A Band of Misfits' Improbable Crusade to Save the World from Cybercrime』。 想像の斜め上を行く展開に驚かされるばかり。ランサムウエアがどのようにして生まれたかも興味深かったですし、ランサムウエア用保険を始めとする対策が、更なる脅威をもたらすという不思議なエコシステムにも感嘆とするばかりでした。 こういう内実は海外ノンフィクションじゃないと知ることができないんだよなぁ☆5つ
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