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ラグビーと南アフリカ の商品レビュー

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2023/12/03

 宿敵ニュージーランドを破り、ワールドカップ連覇・最多優勝の二つの栄誉を同時に手にした南アフリカラグビー。スプリングボクスという愛称や、グリーン&ゴールドのジャージのセンスの良さ、鉄壁の守備というチームスタイル、昔から攻撃より、守備のほうが好きなのもあって、決勝は南アフリカを応援...

 宿敵ニュージーランドを破り、ワールドカップ連覇・最多優勝の二つの栄誉を同時に手にした南アフリカラグビー。スプリングボクスという愛称や、グリーン&ゴールドのジャージのセンスの良さ、鉄壁の守備というチームスタイル、昔から攻撃より、守備のほうが好きなのもあって、決勝は南アフリカを応援していました。黒人選手と白人選手のバランスがいいなと思っていたら、なんとクォーター制を採用していると。贔屓にしているチームについてもっと詳しく知りたいと思い、何か1冊ないかと調べてみたら、こちらの素晴らしい本がありました。  日本では考えられないようなあらゆる「国の問題」を背負い、南アフリカを代表してスプリングボクスとして戦う選手たち。かつては「アパルトヘイトの象徴」だったスプリングボクスですが、今では「人種融和の象徴」としてその役割を果たしています。各国の代表選手が国歌斉唱する場面はいつも感動しますが、この本を読んでから、南アフリカの選手、特にキャプテンのシア・コリシ選手が最初から最後まで、口を大きく開けて国歌を歌う場面はより一層感動します。これからも南アフリカラグビー、スプリングボクスを応援しましょう。 (この本から派生して、ネルソン・マンデラの解放・大統領就任から1995年ラグビー・ワールドカップで南アフリカが優勝するまでを描いた映画「インビクタス~負けざるものたち~」を鑑賞しました。ネルソン・マンデラの偉大さを感じました。こんなことを実現する人間がいるんだと。ロベン島のネルソン・マンデラの独房での活動を回想するシーンは震えました。)  「知ると世界は面白くなる」とよく言いますが、本当にその通りですね。南アフリカの国歌斉唱を一つ深く見ることができるようになりました。  この本とは関係ないですが、ラグビーつながりで私の場合の例を更に一つ。2019年のワールドカップの準決勝でオールブラックスのハカに対して、V字に広がったイングランドの選手たち。当時は「VictoryのVかな、なんかかっこいいな」くらいにしか思っていなかったのですが、とんだ思い違いでした。これは古来からある戦の陣立だったんですね。密集して一点突破を図るオールブラックスの魚鱗の陣に対して、広くひろがり相手を囲い込むイングランドの鶴翼の陣。そんな粋なやり返しだったとは、当時は気付けませんでした。その後は下馬評を覆してイングランドの勝利、かっこよすぎます。ちなみに有名ですが、徳川家康は三方ヶ原の戦いで魚鱗の陣の武田信玄に対し、鶴翼の陣を敷いて死にかけています。

Posted byブクログ