今宵、嘘つきたちは光の幕をあげる の商品レビュー
過激で美しい少女たちの一瞬の灯火に心囚われるようだ サーカスという少女たちの舞台 サーカスの曲芸を行う為に少女たちは曲芸学校へ進学をしてから花開く この世界を読んだ時、宝塚の女の園を想像した 大変過酷と聞くその場所ときっとこの学校は似ていることだろう 入るのはひと握りの人材で、入...
過激で美しい少女たちの一瞬の灯火に心囚われるようだ サーカスという少女たちの舞台 サーカスの曲芸を行う為に少女たちは曲芸学校へ進学をしてから花開く この世界を読んだ時、宝塚の女の園を想像した 大変過酷と聞くその場所ときっとこの学校は似ていることだろう 入るのはひと握りの人材で、入ったとしても残れることすら危うく、そして時には相手を妬み嫉む そんな学校を出てからも、名持ちの1人として演じることが出来るのは極わずかの狭き門 物語はそんな名持ちの子達の物語 双子の姉妹が演じたのはブランコ乗りのサン=テグジュペリ 本来は姉である涙海(るう)ちゃんが演じていたが、事故により妹の愛涙(える)ちゃんが姉の身代わりとして周囲を欺き演じる 最初はそんな愛涙ちゃんの葛藤などが描かれる 曲芸師になるつもりなんてなく、サン=テグジュペリの名は姉の場所であることを信じて疑わない そんな彼女の罪悪感などの心理描写がとても良かったな そして彼女の覚悟を決めたあとの演技は、それはそれは美しいことだろう 第3幕、第4幕にはそれぞれ猛獣使いのカフカと歌姫アンデルセンの物語 カフカの方は、チャペックとの邂逅が私にとって魅力的だ チャペック自身はそんなに登場はしていないけれど、強烈に印象に残る存在だった そしてアンデルセンは……なんか色々な自枠を胸に秘めて、女って恐ろしい!って思うような少女だった笑 でも彼女のサーカスへの一途さは本当に凄い 一体彼女の歌声はどのように響き渡るのであろう 想像できないからこそ凄く聴いてみたいな 最後はブランコ乗りのサン・テグジュペリである姉の物語 妹の愛涙ちゃんへの想いが、とても切なく思う 妹に対する嫉妬などは兄弟のいない私には想像は出来ないけれど、妹の方が凄いという思いを抱えながらも自分自身の場所を絶対に手離したくないという強い思いが凄く伝わってくる そして彼女の覚悟 永遠なんてないからこそ、今輝き舞台に立つために選択した覚悟が凄く心をうちつける 不自由なことは美しいことという言葉が私の中ではとても印象深い 不自由を抱えたブランコ乗りのサン=テグジュペリの演技を私もこの目で見てみたい それは見事なサン=テグジュペリであろうな あらすじには青春ミステリーと書かれているがミステリー感は個人的には感じられる けれどとても満足な1冊だった 今宵、嘘つきたちは影の幕をあげるも楽しみだ
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「ブランコ乗りのサン=テグジュペリ」 終焉を迎えず退席し。 完璧な演技を魅せることが出来たら最高だろうが、ミスをしても観客が満足したら成功になるのかもな。 「ブランコ乗りのサン=テグジュペリ」 飛んでいるのは誰か。 細部まで計画通り進んでいたであろう出来事は、甘い言い訳を続ける...
「ブランコ乗りのサン=テグジュペリ」 終焉を迎えず退席し。 完璧な演技を魅せることが出来たら最高だろうが、ミスをしても観客が満足したら成功になるのかもな。 「ブランコ乗りのサン=テグジュペリ」 飛んでいるのは誰か。 細部まで計画通り進んでいたであろう出来事は、甘い言い訳を続ける心に刺激を与えてしまったかもな。 「猛獣使いのカフカ」 嫌がらせは酷くなり。 自分の力以外にも頼ることにより得た名であったとしても、その価値は十分にあり胸を張るべきだろう。 「歌姫アンデルセン」 実力のうえに知識が。 社会を生き抜く術を知っているからこそ、護るべきもののために覚悟を決めて立ち向かえるのだろうな。 「ブランコ乗りのサン=テグジュペリ」 自由の代償に失った。 居場所を失わないようにしてくれたからこそ、時間をかけて自分と向き合い決断出来たことなのだろう。
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表紙の絵が好みで一読。 双子の片岡涙海《るう》と愛涙《える》の名前が強烈だったのと、すごく響きや漢字の自体が好き。 欲望に溢れたサーカスの闇に魅せられた。 すごく面白かった。 下巻も読みたい。
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少女たちの不安や嫉妬、自分たちの力じゃどうにもならない葛藤、そのすべてが包括された美しい物語だった。 双子、同期、先輩、後輩、指導者、応援者、そして自分たちを喰いものにする人間、そのすべてに対する感情が、ありありと描き出されていて、何度も目頭があつくなった。 どれだけ無駄でも辛く...
少女たちの不安や嫉妬、自分たちの力じゃどうにもならない葛藤、そのすべてが包括された美しい物語だった。 双子、同期、先輩、後輩、指導者、応援者、そして自分たちを喰いものにする人間、そのすべてに対する感情が、ありありと描き出されていて、何度も目頭があつくなった。 どれだけ無駄でも辛くても頑張ってきたことが途中で終わりになることが嫌で諦められないあの気持ちや、誰かから何かを奉仕されることを当たり前だと思う若さ、気に食わないのに気になって仕方がない些細なささくれた心。 苦しくてとても痛かったのに、どこか懐かしくてたまらない感覚に揺さぶられた。 とてもすきです。
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やや歪んでいると言ってもいいのだろうか。空を飛びたい(ブランコ乗りとして)という想いだけが少女を連れて行く世界。 「影」の方を読み切っていないので、よくわからないところもあるが、世界観には引き込まれる。
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最高でした。『ブランコ乗りのサン=テグジュペリ』から加筆もされたと聞き、どこが加筆されたかわかるのは優越感があります。加筆された後の今回の本もとても素晴らしかったです!紅玉いづき先生の作品の中で、この少女サーカスのお話が一番大好きです。是非、2冊合わせていろんな方に読んで欲しいと...
最高でした。『ブランコ乗りのサン=テグジュペリ』から加筆もされたと聞き、どこが加筆されたかわかるのは優越感があります。加筆された後の今回の本もとても素晴らしかったです!紅玉いづき先生の作品の中で、この少女サーカスのお話が一番大好きです。是非、2冊合わせていろんな方に読んで欲しいと思っています。 【追記】 あまりにも感動したので、2冊目を購入しました!表紙が綺麗だと、何冊もある方が目の保養になっていいですね!
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