東京電力の変節 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
2011年3月11日の大震災から派生した原発事故により福島県を中心とした放射能汚染により避難を余儀なくされた多くの被災者たちと東電、国の関係を2023年夏までの取材からのレポ。 GX化政策の有力な手段として原子力発電の復活を企図する国の思惑と経済的命運をかける東電の思惑は一致して、被災者側の弱みに付け込み補償額を値切り、交渉を長期化させて押し切ろうとする姿勢に変わった状況を変節として描いている。 その一端を最高裁とTMIや西村あさひ、長島大野といった大事務所との人脈が担っているさまを鋭く描いたのはアプローチとして鋭く説得力を持つ。 この状況が人権の救済を司法が担えるのか大いに疑問を持たせることになる。 人権救済ではなく人権を圧殺するシステムに成り下がったと言わざるを得なくなる危機的状況だ。 著者にはもっとこの視点から掘り下げてもらいたい。
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