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世界を翔ける翼 の商品レビュー

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2024/08/12

野鳥を撮影する機会が増えて、鳥の生態や体の機能・構造への興味が、さらに高まってきました。 関連する本を読んで、特に渡りについては、最新技術を応用することでずいぶんと、調査研究が進んでいることを知りました。 『日本野鳥の会のとっておきの野鳥の授業』 https://booklog...

野鳥を撮影する機会が増えて、鳥の生態や体の機能・構造への興味が、さらに高まってきました。 関連する本を読んで、特に渡りについては、最新技術を応用することでずいぶんと、調査研究が進んでいることを知りました。 『日本野鳥の会のとっておきの野鳥の授業』 https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/B09M8CTFJD さらに詳しく知りたいと思っていたところ、専門に扱っていると思われるこの本のことを知り、ボリュームにひるみつつも読むことにしました。 著者は米国のネイチャーライターで、自らも鳥の渡りを専門に、フィールド調査を行なっているとのこと。 本書は全10章で構成されています。 第1章ではまず、渡り鳥、特にシギ・チドリ類の重要な渡りの中継地である、中国東海岸の現状をレポートしています。 そして第2章から、21世紀以降に導入された追跡・記録の技術によって明らかになってきた、渡り鳥たちの行動と能力が、紹介されています。 ノンストップで数千キロ、時には一万キロ以上も飛んでいることがわかった、渡り鳥たち。 長距離・長時間の移動にあたり、栄養そして水分の確保、睡眠といった問題にどう、対処しているのか。 渡りの前後で体重が倍/半分に変化するなど、人間では考えられない鳥たちの能力に、ただただ驚いてしまいました。 中盤からは、種の保護という視点を中心に、話が展開していきます。 最新技術によって得られた情報から、保護につながる知見は得られるのか。 そもそも、渡り鳥たちにとってどのようなこと/ものが、生存の脅威になっているのか。 気候変動の影響は、種によっても違い、因果関係の有無も研究途上なのだと理解しました。 それ以上に、人間(および人間が持ち込んだもの)の影響が大きいようですね。 野鳥を食べるという習慣は、一部の途上国の話というわけではなく、(文化の存続という視点も含め)広く、根深い問題だということを教えてもらいました。 本書を読み終えて、「鳥ってすごいな。これ以上、減らないように、人間がなんとかしないといけないな」という気持ちが強まりました。 標識が付けられた鳥に出会うことがあるのですが、1年後にまた同じ場所で出会うまでに、大変な経験をしているのですね。 データの蓄積や分析はさらに進んでいくと思われるので、今後も関連する書籍を探して、学んでいきたいと思います。 .

Posted byブクログ