記憶喪失の君と、君だけを忘れてしまった僕。 の商品レビュー
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Amazonの紹介より 夢も目標も見失いかけていた大学3年の春、僕・小鳥遊公生の前に、華怜という少女が現れた。彼女は、自分の名前以外の記憶をすべて失っていた。何かに怯える華怜のことを心配し、記憶が戻るまでの間だけ自身の部屋へ住まわせることにするも、いつまでたっても華怜の家族は見つからない。次第に2人は惹かれあっていき、やがてずっと一緒にいたいと強く願うように。しかし彼女が失った記憶には、2人の関係を引き裂く、衝撃の真実が隠されていて――。全ての秘密が明かされるラストは絶対号泣! まず読む際、この作品は現代劇ではなく、ラノベのようなファンタジーのある恋愛小説ということを念頭にしておいてください。 というのも、初めのところで突然目の前に記憶喪失の少女と出会って、警察や病院に通報せず(少女から通報しないでくれと頼まれたため)、家に匿います。そして、過ごすうちに 恋の関係になるという何ともツッコミを入れたくなるようなことが次々と起きます。 さらに別の女性から交際を迫られたり、少女が…となったりとこの男性はハーレム状態⁉︎な続いていくので、「あっ、これはラノベなんだ」というモードに切り替えないといけないんだなと思いました。 そして、これ以降もこのモードで書きたいと思います。 日が経つにつれて、恋愛へと発展していく2人。その雰囲気はもう甘々でした。その一方で少女の心理状態がわからぬまま、突然の別れに、まぁ驚きました。後に少女の秘密が明らかになるのですが、段々とわかるにつれて、悲しさや切なさが込み上げてきました。 男性の方はというと、また新たな女性と恋愛状態という何とも色んな意味で言葉を失いましたが、男のポッカリと空いてしまった心を癒してくれる描写は、良かったなと思う一方、複雑な気持ちでした。 そして、長い年月が経ち、ようやくここで記憶喪失の少女と関連するのですが、愛に対する深さ、深いからこその辛さなど色んな愛を垣間見ました。 まさかの少女の正体に予想はつきましたが、悲しみ・切なさ・嬉しさなどあらゆる感情が混ざって、良い作品だなと思う一方、喪った人達は変わらない状況に、どうせだったら全員助かってほしかったなと思ってしまいました。 あまり哀しみの雰囲気はなく、むしろ温かな雰囲気でしたので、これで良かったの⁉︎と思いました。 一応、ラノベとして楽しめましたが、普通の小説で思うと、なかなかツッコミどころ満載な展開でした。 一途に思うそれぞれの相手に対する想いは、非現実的ではあるものの、とても表現されていました。 号泣と紹介されていましたが、現実的に考えてしまった分、そっちに比重がかかってしまったため、あまり感動は…と思ってしまいました。
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