もう隠せない 真実の歴史 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
著者の研究内容をバラバラと紹介した本書。記紀や世界史の知識がないと分かりにくいところがあった。また、系統立ててまとめられていないので、重複したりスッと入ってこない所もあった。 ただ研究されている内容は大変面白く、縄文時代や記紀などの神話で扱われる時代の、学校では曖昧にすっ飛ばした歴史が、より生々しくリアルに人々の姿を想像できるようになったし、陰謀論として扱われていた日ユ同祖論に根拠を与えてくれた。 縄文時代は巨石文明により平和が保たれ、その建造に海洋民族ラピュタ人が存在していたらしい。またヤマトの建国にはシュメールからのヘブライ人やフェニキア人、ケルト人の入植が関わっており、ヘブライ人は大物主(大黒様)、フェニキア人は事代主(恵比寿様)と呼ばれていた。鉄器を持ち込んだ技術集団ケルト人はクマソ(熊襲)に繋がるらしく、驚きである。 印象的であったのは、瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)が2人の姉妹、美人な此花咲夜姫(コノハナサクヤヒメ)とそうでもない磐長姫(イワナガヒメ)のうち、此花咲夜姫だけを結婚相手に選び、磐長姫を親元に帰してしまったという神話があるが、この実際の話は、磐長姫に象徴される日本古来の磐座祭祀ではなく、此花咲夜姫に象徴される今日の神社を、シュメールの皇子である瓊瓊杵尊が選んだことを、この神話は物語っているらしい。このように、今あるふんわりとした歴史や記紀の意味がハッキリしてくると、もっと歴史は面白くなるとしみじみ感じた。
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