医療とケアの現象学 の商品レビュー

孫大輔(著者),野間俊一(著者),小林道太郎(著者),西村高宏(著者),山本則子(著者),福田俊子(著者),近田真美子(著者),守田美奈子(著者),和田渡(著者),村上靖彦(著者),榊原哲也(編者),西村ユミ(編者)

2024/09/08

看護研究や医学では総合診療領域など、現象学的研究への取り組みが増えているようだ。本書は看護、医師だけでなく、ソーシャルワーカーや当事者も含めた現象学的研究のまとめ。それは現在の医療が医学的なものや科学的なものだけでは解決がつかない事象が増えているからだろう。実は医学に現象学的視点が入ったのは精神科が初めてだったが、それが難解すぎたのと、精神医学が生物学に寄ってきたため、最近は目立たない。さまざまな職種からの視点で、当事者の個別の視点が浮かび上がる論集である。今後、一つに視点として、この見方は重要になってくることが示唆された。