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羊の怒る時 の商品レビュー

4.4

7件のお客様レビュー

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2024/10/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

震災による被害は地震だけのものではない。今から約100年前に起きた関東大震災。それが引き金となり起こった朝鮮人が虐殺されるという戦慄すべき事件が起こった。 震災大国に住む我々が、豹変してこのようなことを起こさないためにも、こういう事があったという事実は知るべきであるし、このようなことは起こしてはならない。 震災についてはこう書かれている。 ”それは不可抗な自然力の作用によって起こったことでもとより如何とも仕方がない” そして朝鮮人に関する問題についてはこう書かれている。 ”全然我々の無智と偏見とから生じたことで、人道の上から言ったら、震災なぞよりもこの方が遥かに大事件であり、大問題である”

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2024/09/06

関東大震災発生から数日間の、朝鮮人虐殺について著者が経験したことを記録した本、原著は1925年に書かれているとのこと。小説と言ってるからフィクションも含まれるはずだが、フィクション=事実を捻じ曲げてるわけではない(と思う) 明らかに起こったと思われる事件を、綿密な調査と、それに...

関東大震災発生から数日間の、朝鮮人虐殺について著者が経験したことを記録した本、原著は1925年に書かれているとのこと。小説と言ってるからフィクションも含まれるはずだが、フィクション=事実を捻じ曲げてるわけではない(と思う) 明らかに起こったと思われる事件を、綿密な調査と、それに裏付けされた想像力により、この物語が生まれた この物語を読んだ時に、何に想いをはせるのかは読んだ人の自由(と、この本は教えてくれる) こういう本を教科書に載せてほしい 先日かなり前に見た映画の「福田村事件」で発せられた「朝鮮人ならええのか!」の一言を、改めて噛みしめることになった

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2024/01/03

こんなに心に響いて読み応えがある本は久しぶりだった。 関東大震災のときの、地震の様子、朝鮮人虐殺の日本人側の群衆の動きが細やかに描かれている。 最初の方で、日本人の赤ちゃんを朝鮮の学生たちが救ってくれる。親は、ものすごく感謝するけれど、この後、朝鮮人の虐殺が始まっていく。 集団パ...

こんなに心に響いて読み応えがある本は久しぶりだった。 関東大震災のときの、地震の様子、朝鮮人虐殺の日本人側の群衆の動きが細やかに描かれている。 最初の方で、日本人の赤ちゃんを朝鮮の学生たちが救ってくれる。親は、ものすごく感謝するけれど、この後、朝鮮人の虐殺が始まっていく。 集団パニックはこういうものなんだろうと思う。 でも、冷静に考えられる人もいるけど、その人たちの力はあまりに弱い。

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2023/10/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読中・読後、辛くて堪らなくなってしまった。だが、「過去を学ばぬものは未来に対しても目を閉ざしていることになる」から、心身のあたうかぎり、折に触れ読み返したいと思う。ーー本書は、関東大震災(1923.9.1)とその後の2日間を、直に目の当たりにした作家が、小説のかたちで表したものだ。その眼は、『どこから出たかもわからない』デマゴギーから、日本庶民が朝鮮の無辜の人びとをどう扱ったかを、震災の様子ともども明確にとどめている。いちばんのおそれは、石牟礼道子さんが末尾の解説で語っているが、『五十年百年経って、われわれが同じことをしない保証がない』ことだと思う。ーーきょうは、あとは茨木のり子の詩「あの人の棲む国」を読んでやすむ。

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2023/10/11

関東大震災に触れるのは、吉村昭さんの小説、NHKのドキュメント、そしてこちらの話と3度目です。情報がないことによる恐ろしさを感じました、また情報が多すぎる現在の問題も考えさせられました。

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2023/09/06

関東大震災から100年かぁ…と手に取ったものの、重い重い。 読みながら少し休み、また読み、休み、と9月1日までには読み終われなかった。 史実として、虐殺が行われたことを不勉強で全く知らなかった。随分ダメージを受けている。

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2023/09/03

渋谷区初台に住む作家江馬修が関東大震災に遭遇した3日間を中心に書かれたルポのような小説である。当然渋谷区初台も大きく揺れたわけであるが家が倒壊したり火災になったわけではなく、高台にある彼の住まいから明治神宮の方向が3日間赤く燃え続けていたのが見えていた。そして震災初日の夕方から朝...

渋谷区初台に住む作家江馬修が関東大震災に遭遇した3日間を中心に書かれたルポのような小説である。当然渋谷区初台も大きく揺れたわけであるが家が倒壊したり火災になったわけではなく、高台にある彼の住まいから明治神宮の方向が3日間赤く燃え続けていたのが見えていた。そして震災初日の夕方から朝鮮人が暴徒化しているという噂が流れ始め、自警団が組織されるようになっていく。そんな様子に違和感と恐怖を感じながらも仲の良い朝鮮人を救えない焦燥感が描かれている。

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